TERRY HALL
TERRY HALL
- WAITING / FUN BOY THREE
スペシャルズを脱退したテリーが、同じく元スペシャルズの
リンヴァル・ゴールディング、ネヴィル・ステイプルズとともに結成した
ファン・ボーイ・スリーの2ndアルバム(83年)。プロデュースはデヴィッド・バーンだが、
当時トーキング・ヘッズが邁進していたファンク路線とは明らかに異なる方向を向いている。
ゴー・ゴーズのカヴァー「Our Lips Are Sealed」(ジェーン・ウィードリンとテリーとの
共作)が収録されているなど、まだ無表情ヴォーカル的な部分が残っているとはいえ、
後のポップ・スター路線のスタートとも言える作品。その意味で、デヴィッド・バーン
などをプロデューサーにもってくる必然性は感じられない。
- VIRGINS and PHILISTINES / The COLOUR FIELD
笑わないテリーがついに笑顔(?)を見せたジャケが話題となったカラー・フィールド
の1st(85年)。ボサノヴァ風の名曲「シンキング・オブ・ユー」で幕を開ける本作は、
アコースティックかつメロディアスな作品が並んでおり、メロディ・メイカーとしての
テリーの才能を認識させる名作である。またストリングスやホーンの使い方も本当にうまい。
個人的にはその代表が「ハモンド・ソング」だと思う。
プロデュースはエコバニやバウハウスを手がけたヒュー・ジョーンズで、
そのエコバニの元メンバー、故ピート・デ・フレイタスが2曲に参加している。
現行の日本盤CDにはミシェル・ルグラン
のカヴァーを含むボーナス・トラックが10曲(!)収録されている。
- ULTRA MODERN NURSERY RHYMES / TERRY, BLAIR & ANOUCHKA
テリーがカラー・フィールドに続いて起こした三人組プロジェクト第三弾。
アメリカ生まれの女優ブレア・ブースがヴォーカルとキーボード、ブレアのヘア・ドレッサー
をしていたアニューシュカ・グローチェがバック・ヴォーカルとギターを担当している。
女性をメンバーに入れたかった理由が「ギリアン・ギルバートがいるからニュー・オーダー
は写真でいい感じに見える」というのはテリー一流のジョークだろうが、
三人のまとまりもよく素晴らしい作品に仕上がっている。明るくポップで、60年代風な曲が
並んでおり、とても親しみが持てる。スペシャルズ時代、「ギャングスターズ」のモノクロの
PVで無表情に歌うテリーとは別人のように表情豊かなヴォーカルも聞き物。
ザ・ビートやウドゥントップス、ヘアカット100等を手がけたボブ・サージェントと、
カラー・フィールド等を手がけたジェレミー・グリーンが半分ずつプロデュースを担当(90年)。
- VEGAS
テリーが元ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートと組んだユニット、ヴェガス
唯一の作品(92年)。オーケストレーションで徐々に盛り上がる
オープニングの「ポゼスト」、打ち込みによるクールなレゲエ感覚の曲が心地よい
「ウォーク・イントゥ・ザ・ウィンド」など名曲揃い。「シーズ・オールライト」や
「トラブル・ウィズ・ラヴァーズ」などヴォーカルとメロディー・ラインをともに
生かした曲作りも見事。「シー」のしっとりしたヴォーカルも聴きもの。
- HOME / TERRY HALL
ソロとしてのスタートを切ったテリーの、彼の人脈総動員による「パパに捧げた」作品(94年)。
プロデュースはイアン・ブロウディ。その他ギターに元ブルーベルズ、アズテック・カメラ、
スミスのグレイグ・キャノン、ドラムに元アイシクル・ワークス、ラーズ、ワールド・パーティ
のクリス・シャーロック、さらに曲作りにはアンディ・パートリッジにニック・ヘイワードが
参加するなど、UK好きにはエビぞるようなメンツである。2曲だけボブ・クリアマウンテンが
ミックスしている。オープニング・ナンバーは評価の分かれるところだが、
注目はアンディー・パートリッジとの共作2曲。特に「ムーン・オン・ユア・ドレス」はアンディ節炸裂の名曲。
そしてお約束のカヴァーはビーチ・ボーイズの「神のみぞ知る」とハーブ・アルバートの
「ジス・ガイ」。日本盤にはボーナス・トラックが5曲収録。
- LAUGH / TERRY HALL
アルバム・タイトルとジャケ写真が何とも言えない3年ぶりの2ndソロ(97年)。
イアン・ブロウディの名前は見えないが、
ベースにライトニング・シーズのマーティン・キャンベルが参加している。全10曲
(日本盤は12曲)のうち、グレイグ・キャノンとの共作が半分を占めていることから分かるように、
グレイグとのパートナーシップも良好で、それは曲作りのみならずサウンド面にも感じられる。
その他スティーヴン・ダフィーやブラーのデーモン・アルバーンと共作した曲も収録。
そのデーモンとの共作曲「ルーム・フル・オブ・ナッシング」はジンタ風リズムの曲で、
意外な感じ。カヴァーはトッド・ラングレンの「アイ・ソー・ザ・ライト」と
ジョン・レノンの「労働者階級のヒーロー」。
- 『FOOL'S MATE』85年10月号(No.49)カラー・フィールド・インタビュー
テリー・ホール「僕らの強烈なコントラストが生み出す音楽が、レコード会社−これ自体も馬鹿げた商売だが−
との協力で、デュラン・デュランをチャートから叩き出すことになるんだ。」