Fra Lippo Lippi

 フラ・リッポ・リッピという奇妙なグループ名は、イギリスの詩人ロバート・ブローニングがイタリア=ルネサンス期の画家に捧げた詩のタイトルからとったということである。その画家というのがフラ・フィリッポ・リッピ Fra Fillipo Lippi(1406〜1469)で、かのボッティチェリの師でもあった。名前についているFraは聖職者・修道士であることを示す(同時代の画家にフラ・アンジェリコという画僧もいる)が、フィリッポ・リッピは大変な破戒僧であった。フィレンツェの公文書館には、今でもフィリッポ・リッピが聖職者でありながら、妻帯し子までなしているとの告発状が残っている。もっとも破戒僧と言っても、M.G.ルイスのゴシック小説『マンク』の主人公と違って、暗い人物ではないが。
 イタリア=ルネサンスの中心地であり、富豪メディチ家が君臨するフィレンツェで活躍したフィリッポ・リッピの作品には、聖母子像を題材としたものが多い。しかし同じく聖母子像を描いたラファエロの作品と比較すると、聖母の風貌と衣装は世俗的で、子どもの顔は大人っぽい。天使に至っては、まるで人間の子どものように豊かな表情をしている。フィリッポ・リッピが聖母のモデルとしたのは、彼が修道院から誘惑して妻としたルクレツィアだったとされる。二人が結婚?生活を始めたのは1456年、フィリッポ・リッピ50歳、ルクレツィアは24歳であった。その後前述のような告発を受け、1461年頃司祭の罷免されるが、コジモ・デ・メディチ(彼はフィリッポ・リッピのパトロンでもあった)のとりなしで、ローマ教皇より還俗と結婚を認められたという。その後もフィリッポ・リッピはルクレツィアをモデルに多くの女性画を残し、63歳で幸福な一生を終えた。二人の子フィリッピーノは、父の弟子ボッティチェリの工房に入り、父とは違って堅実な画家として大成した。フィリッピーノは、極めて母思いだったと伝えられる。 
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 さてバンドの方であるが、ルネ・クリストファーセン(Vo, B, G, Key)と モートン・ショバーグ(Ds, Key)の2人が結成したバンドがその母体である。 バンドのスタート時には、先の2人にビョルン・ソークネス(G)を加えた3人組で、 1981年に活動を開始した。 この頃の曲は、アタタックからリリースされた『Fix Planet』というオムニバスに 収録されているとのこと。間もなくビョルンが脱退し、 彼らは2人組でノルウェーのインディ・レーベルであるユニトンから 1stアルバム『IN SILENCE』をリリ−スする。 その後2nd『SMALL MERCIES』(83年)では、 ヴォーカルにペール・オースティン・ソレンセンが参加し3人組となる。 『SMALL MERCIES』まではダークで内省的な、「北欧のジョイ・ディヴィジョン」 とでも呼べそうなサウンドだったが、 シングル「Say Something」を契機に大変身、 ジャズの雰囲気をもたたえたメロウなエレポップ/ギター・ポップ・バンドと化した。 メジャ−のヴァージンからリリースされた3rdアルバム『Song』は、 キュアーを手がけたデイヴ・アレンのプロデュース。 なお、『Song』からバンドはルネとペールの2人組になった。 さらに4th『LIGHT AND SHADE』では、プロデューサーにスティーリー・ダンの ウォルター・ベッカーを起用、TOTOのジェフ・ポーカロをはじめ米国の 腕利きセッション・ミュージシャンが参加するなど、 ポップ化を一層突き詰めた作品となった。 『LIGHT AND SHADE』を発表した87年には、世界音楽祭に出演のため来日もしている。 その後ヴァージンを離れ、今も細々と?活動しているが、 このグループ、なぜかフィリピンでやたら人気があるらしく、 ebayで出品されているものを幾つか買ったが、全部フィリピンの方が売り主だった。 その一人に尋ねたところ、やはり高い人気があるとのこと。


SMALL MERCIES
 83年にリリースされた2ndアルバム。 北欧の冬を思わせる、ジャケットそのままの静謐な世界が展開される。 高校時代、ラジオ日本の「全英トップ20」で紹介されたこの作品をきっかけに、 私はフラ・リッポ・リッピを聴くようになった。
Side A
 1.Some Things Never Change
 2.A Small Mercy
 3.Barrier
 4.Sense Of Doubt
Side B
 1.The Treasure
 2.Slow Sway
 3.Now And Forever
 4.French Painter Dead


SONG
 メジャーのヴァージンに移籍してリリースされた3rdアルバム(86年)。 前作までのマイナー路線から一転、メロウで耳あたりの良いポップなつくりとなった。 「Shouldn't Have To Be Like That」「Every Time I See You 」 という彼らの代表作が含まれている。 フランス盤CDはかなりレアで、時々Yahoo!のオークションやebayに出品されるが、 5000円以上の出費は覚悟しなければならない。
  1. Come Summer
  2. Shouldn´t Have To Be Like That
  3. Even Tall Trees Bend
  4. Just Like Me
  5. Leaving
  6. Regrets
  7. Everytime I See You (not on the Easter release)
  8. Crash Of Light
  9. The Distance Between Us
  10.Coming Home


LIGHT AND SHADE  (VJD-32001)
 前作の路線をさらに発展させ、ポップさが一層進んだ、87年の作品。 洗練された上質のAORである。ドライブしながら聴くには絶好の作品であろう。
  1. Angel
  2. Freedom
  3. Don´t Take Away That Light
  4. Beauty And Madness
  5. Home
  6. Light And Shade
  7. Some People
  8. Crazy Wisdom
  9. Stardust Motel
  10.Indifference


THE COLOUR ALBUM  / ロンリー・ハーバー  (BVCP-1)
 「ロンリー・ハーバー」がフジテレビ系花王ファミリースペシャル、 「許せよ妻たち」の主題歌に使われた。
  1. 雨の日もあれば
   (A Little Rain Must Fall)
  2. Mother Little Soldier
  3. Under The Same Sun
  4. You Bring Me Joy
  5. ロンリー・ハーバー
   (Love Is A Lonely Harbour)
  6. Count On Me
  7. ABC
  8. 子どもの頃に
   (Childhood Days)
  9. Into The Blue




DREAMS / 夢で抱きしめて  (PSCW-5023)
 日本盤はジャケと曲順が異なる。

  1. Thief In Paradise
  2. 安息の日々
   (Living In A Crazy World)
  3. Naive
  4. Not Invited
  5. Heart Of The Matter


  6. 恋はせつなく・・・
   (Stitches And Burns)
  7. One World
  8. 二人のワンダフル・デイ
   (Wonderful Day)
  9. 夢で抱きしめて
   (Dreams)



The Best Of Fra Lippo Lippi  (PSCW-5023)
 93年にリリースされたベスト盤。 1〜6、8〜9はニュー・ヴァージョンで、7が新曲。 日本盤はジャケットと曲目がオリジナルと異なるようだ。e-BOOK OFFで780円。

  1. 傷だらけの心
   (Shouldn´t Have To Be Like That)
  2. Crazy Wisdon
  3. Light And Shade
  4. Beauty And Madness
  5. Love Is A Lonely Harbour
  6. Mothers Little Soldier
  7. Everybody Everywhere
  8. Even Tall Trees Bend
  9. Coming Home
  10. 恋はせつなく
   (Stiches And Burns)
  11. Thief In Paradise
  12. 夢で抱きしめて
    (Dreams)



The Best Of Fra Lippo Lippi 85 - 95   (CNR 1282)
 95年にリリースされたベスト盤。93年リリースのベストとあまり変わらないが、曲数多い分こちらの方が「買い」か。 93年盤未収の2は新曲、12はニュー・ヴァージョン。  
  1. Everybody Everywhere
  2. If You Were In My Shoes
  3. Shouldn´t Have To Be Like That
  4. Crazy Wisdom
  5. Light And Shade
  6. Beauty And Madness
  7. Naive
  8. Love Is A Lonely Harbour
  9. Even Tall Trees Bend
  10. Coming Home
  11. Thief In Paradise
  12. Leaving
  13. Mothers Little Soldier
  14. Dreams


Original Hits Collection  (CNR 1282)
 上のベスト『85-95』とリリース元(CNR/ARCADE)と番号(CNR1282)は同じなのに、 ジャケと内容はまったく違うという不思議なCD。 こちらはニュー・ヴァージョンではなく、全曲オリジナルで収録。 ebayで10.99ドルで落札(総支払い17.99ドル) 
  1. Come Summer
  2. Shouldn´t Have To Be Like That
  3. Just Lile Me
  4. Regrets
  5. Everytime I See You
  6. The Distance Between Us
  7. Angel
  8. Freedom
  9. Beauty And Madness
  10. Light And Shade
  11. Some People
  12. Mothers Little Soldier
  13. Love Is A Lonely Harbour
  14. Thief In Paradise
  15. Naive
  16. Stiches And Burns
  17. Fade Away (Live)


Stiches & Burns  (No number)
 ebayで15.50ドルで落札(総支払い22.50ドル)したレア・トラックのコンピレーション。 ケースには「SAMPLE ONLY」というステッカーが貼ってあるが、、 レーベル名、番号等のクレジットがなく、ブートレッグだと思われる。  
  1. The Distance Between Us (Spiral Mix)
  2. Everytime I See You (Indie Mix)
  3. Light And Shade (Remix)Just Lile Me
  4. Come Summer (12" Extended Version)
  5. Regrets (Live)
  6. Beauty And Madness (Spiral Mix)
  7. Shouldn´t Have To Be Like That
    (Re-Recorded Version)
  8. Mothers Little Soldier (12" Extended Mix)
  9. Thief In Paradise (Album Version)
  10. Come Summer (Live)
  11. Angel
  12. Some People
  13. Crazy Wisdom
  14. Love Is A Lonely Harbour
  15. Stiches And Burns
  16. Fade Away (Live)



Everybody Everywhere  (CNR 814-5)
 95年リリースのプロモ盤。ebayで28.49ドルで落札(総支払い35.49ドル)。     1. Album Mix
  2. Dance Mix
  3. Jazz Mix
  4. Space Mix