GENE LOVES JEZEBEL の周辺
GENE LOVES JEZEBEL
マイケルとジェイのアシュトン双子兄弟を中心とする
ジーン・ラヴズ・ジザベルは、SITUATION2から82年にシングル「Shaving My Neck」
でデビューした。1stシングルリリース時のメンバーには、後にオール・アバウト・イヴを結成する
ジュリアンヌ・リーガンがベースとバッキング・ヴォーカルで参加している。83年には1stアルバム
『PROMISE』、85年には2ndにして最高傑作『IMMIGRANT』(邦題『過ちの美学』)
をリリースした。86年の3rdアルバムからBEGGERS BANQUETに昇格、ポップ路線を歩み始めた。
この路線は87年の『THE HOUSE OF DOLLS』でも一層進められたが、
その後アシュトン兄弟が不仲となり、90年の『KISS OF LIFE』はマイケル抜きでレコーディングされた。
97年にはマイケルがバンドに戻り、現在も活動している。
オフィシャル・サイトはこちら。
〈参考記事〉
『Fool's Mate』No.58(1986) GLJ インタビュー
『Fool's Mate』No.65(1987) GLJ インタビュー
- PROMISE
83年にリリースされた1stアルバム。アメリカではメジャーのGEFEENからリリースされたが、SITUATION2盤
のCDには3曲のボーナス・トラックが収録されているとのこと(私が持っているのはGEFFEN盤)。
マガジン、カルト、アズテック・カメラ等を手がけたジョン・ブランドのプロデュース。
荒削りであるが、ノイジーなギターに妖艶なヴォーカルがからみつく独特の世界が確立された作品。
「Influenza」など後半の曲(アナログではB面)に感じられる静的な浮遊感も素晴らしい。
- IMMIGRANT
85年に発表された2ndアルバム。硬質なギターとエコーがつくりだす
音空間は唯一無比。曲自体の出来も前作から格段の進歩を見せており、
文句無く彼らの最高傑作である。発売当時の『フールズメイト』における、瀧見
氏によるいささか感情的なコメントも十分理解できる格好良さ。プロデュースはシンプル・マインズ
やXTC、フォールなどを手がけたジョン・レッキー。
シングルカットされた「COW」(右)のExtended Mixも素晴らしい。日本でも発売されたが、
邦題が『過ちの美学』。意味不明。
- DISCOVER
86年発表の3rdアルバム。元ジェネレーションXのジェームス・スティーヴンソン
がギターとキーボードで加わった。この作品からBEGGERS BANQUETからのリリース
となっている。4ADからベガバンに昇格したBAUHAUSが思い出される。
初回プレスには『GLAD TO BE ALIVE』(BEGA73)がオマケとしてついていたが、
これまたBAUHAUSのようだ。先行シングルの
「DESIRE」まではSITUATION TWOからのリリースだが、
この曲のみマイケルのプロデュースとなっている。
他はフォリナー等を手がけたゲイリー・リオンズのプロデュース。
第二弾シングルは「SWEETEST THING」で、
前作『IMMIGRANT』の中袋に書いてあった言葉「THE SWEETEST THINGS」から発展したタイトルだろう。
ただし音的にはポップさが増し、翳りのある妖しさが薄れたのは残念。
以後彼らはアメリカ志向を強めることになる。
- DESIRE(Dance Mix)
彼らのジャケ写真の中では、一番カッコいい写真。
- DESIRE(7" Single)
7インチのジャケ写真も、劣らずカッコいい。Yahoo!オークションで250円。
- THE HOUSE OF DOOLS
87年に発表された彼らの4作目。賛否両論を呼んだ前作『ディスカヴァー』の
ポップ路線をより進めているが、これには前作より加入した
ジェームス・スティーヴンソンの影響が大きいように思われる。
ロンドンで録音されたトラックはピーター・ウォルシュ
(シンプル・マインズ等を手がける)、LAで録音されたトラックは
ジミー・アイオバイン(U2、プリテンダーズ、ダイアー・ストレイツ等を手がける)
がそれぞれプロデュース。「Motion Of Love (Jezebel Mix)」は
日本盤CDにボーナス・トラックとして収録されている。
- KISS OF LIFE
90年リリースの5thアルバム。マイケルがグループからの脱退を表明し、マイケル抜きでレコーデングされた。
ミッションの1stをプロデュースしたティム・パーマー(他にデヴィッド・ボウイ、ハウス・オヴ・ラヴ、
ロバート・プラント等も手がけた)。
「I Die For You」といったバラートなど、新生面を切り開こうという意欲は認めるが、
アメリカ市場を意識し過ぎており、勢い余って力足らずの感は否めない。
- DESIRE 〜GREATEST HITS REMIXED〜
98年リリースのベスト盤。収録曲はすべてリミックスされているが、原曲のほうがいいと思えるリミックスも
多い。興味深かったのはミッションのウェイン・ハッセイがミックスした「HEARTACHE - MISSION UK MIX」と
元バウハウスのケヴィン・ハスキンスがミックスした「20 KILLER HURTS」。前者はミッションを彷彿とさせる重厚な
リミックスでなかなかよいが、後者はハウスっぽいミックスであまり面白いとは言えない。
eBayで2.56ドル(総支払い7.96ドル)。
ALL ABOUT EVE
一時ジーン・ラヴズ・ジザベルでベースを弾いていたジュリアンヌ・リーガンが、
元Xーマル・ドイッチェランドのメンバーとのグループThe Swarmの後に
結成したのがオール・アバウト・イヴ。
彼女が雑誌『ZIG ZAG』の記者としてGLJにインタビューしたのが、
バンドに参加するきっかけだったようだ。
奇妙なグループ名は、キム・カーンズの全米No.1ヒットで知られるベティ・デイヴィス
が主演した映画(1950年)からとられたらしい。オフィシャル・サイトはこちら。
- D for Desire (12"Single)
85年にインディーのエデンからリリースされた1stシングル。
音的には初期のコクトー・トゥインズのフォロワーにすぎず、
とりたてて素晴らしいというものではない。ジャケットのデザインも23ENVELOPEである。
- IN THE CLOUD (12"Single)
1stアルバムの先行シングルとして87年にリリースされた。
この曲は86年にもエデンからリリースされているらしい。
エデン盤を持ってないので、リミックスかどうかは不明。
彼女らの作品の中で、最もよいジャケット・デザインだと思う。
1stシングル同様表ジャケットに歌詞が掲載されている。
- ALL ABOUT EVE
元ヤードバーズのポール・サミュエル=スミスをプロデューサーに迎えてリリースされた
1stアルバム(88年)。クラシカルな曲からトラッドをアレンジした曲まで
バラエティに富んだ内容。
ジュリアンヌのヴォーカルの魅力を全面に出した仕上がりで、
当時は「癒し系」として聴いた人が多かったように思う。
ジュリアンヌばかりに注目が集まりがちだが、
ティム・ブリッチェノのギターもなかなかよいですぞ。
- SCARET AND OTHER STORIES
前作に続きポー ル・サミュエル=スミスのプロデュースで、
ますますルネッサンスに似てきた2ndアルバム(89年)。
前作まで関わっていたウェイン・ハッセイ(ミッション)の影が薄れたせいか、
全体的に明るい印象を受ける。特に90年代になって再結成した時のルネッサンス3代目の
ヴォーカリスト、ステファニー・アドリントンと
ジュリアンヌには同じ雰囲気(ケイト・ブッシュ的)が感じられる。
ステファニーにはあきらかにケイト・ブッシュの影響が感じられるし、
ジュリアンヌはケイトへのリスペクトを述べており、
プロデュースを依頼したこともあるらしい。
THE MISSION
シスターズ・オヴ・マーシーは3つに分裂したが、
そのうち最も成功したのがこのミッション。元シスターズのウェイン・ハッセイ
(彼は以前デッド・オア・アライヴにも参加していた)を筆頭に、
同じく元シスターズのグレイグ・アダムズ(ベース)、
元レッド・ローリー・イエロー・ローリーのミック・ブラウン(ドラムス)、
元アーテリーのサイモン・ヒンクラー(ギター)という豪華(?)なメンバー。
87年にリリースされたオール・アバウト・イヴの3rdシングル「アワ・サマー」
では、ウェイン・ハッセイとサイモン・ヒンクラーがプロデュ−スを担当し、
当時ドラマー不在だったことからミック・ブラウンがサポート・メンバーとして参加している。
ミッションとオール・アバウト・イヴのこのような関係は、
レッド・ツェッペリンの「限りなき戦い」にフェアポート・コンヴェンションのサンディ・デニー
が参加したことを思い起こさせる。
〈参考記事〉
『Fool's Mate』No.62(1986) ミッション インタビュー
『Fool's Mate』No.79(1988) ミッション インタビュー
- SURPANTS KISS (7"Single)
ミッションのデビュー・シングル(85年)。ウェイン・ハッセイの深みがあるヴォーカルと、
ワイルドでタイトなバックの演奏は、ブリティッシュ・ロックの王道を継承する曲調である。
デビュー間もないミッションは、ザ・カルトのツアーでオープニング・アクトを務めていたが、
ポジパンから正統派ブリティッシュ・ロックへの進化?という点では、
カルトとこのミッションはよく似ている。
- GOD OWN MEDICINE
ミッションの1stアルバム(87年)。邦題は『青い審判』(意味不明)。
スケールの大きさを感じさせる音空間と憂いを含んだダイナミックなヴォーカル、
そして暗さの中に感じられる力強さは、70年代のプログレ〜ハードロック全盛期における
ブリティッシュ・ロックを彷彿とさせる。
「黒」のイメージはシスターズと共通するが、このドラマティックさはまったく別世界。
ブリティッシュ・ロックの神髄をゴシック、ダーク・サイケの暗さで包んだ作品。
- CHILDREMN
プロデューサーに元ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズを迎えた
2ndアルバム。1stの路線を継承しつつ、突き抜けた明るさを感じさせる。
マンドリンを使ったアレンジといい曲調といい、もはや完全にレッド・ツェッペリンである。
「Black Mountain Mist」(邦題は「愛の抱擁」)というタイトルは、皮肉でしょうか?
THE SISTERS OF MERCY
アルドリュー・エルドリッチを中心としたシスターズ・オヴ・マーシーは、
1stアルバム『マーシーの合い言葉』(85年)によって「ゴシックの帝王」と称されるが、
その成功の陰には、デッド・オア・アライヴから加入したウェイン・ハッセイの
功績が大きい。しかしその後、内紛からバンドは分裂、当時来日の予定もあったが
中止された。一時はシスターズ・オヴ・マーシーから分裂した、
シスターフッドを名乗るバンドが二つあるという異常事態もあったが、
結局アンドリュー・エルドリッチを中心とするシスターズ・オヴ・マーシー、
ウェイン・ハッセイを中心としたミッション、ゴースト・ダンスの三つに分裂した。
〈参考記事〉
『Fool's Mate』No.53(1986) シスターズ・オヴ・マーシー インタビュー
『Fool's Mate』No.62(1986) シスターズ・オヴ・マーシー その後
- FIRST AND LAST AND ALWAYS
シスターズ・オヴ・マーシーの1stアルバム。冷たく無機質な演奏をバックに、
地の底から響いてくるような重く暗いヴォーカルは独自の世界を作りだしている。
とはいえ、おどろおどろしいというわけではなく、音的にはドアーズに近い。
LINK
いずれもオフィシャルではないですが、充実したサイトです。