ホジキン−ハックスリー理論

 イギリスの生理学者ホジキン(A.L.Hodgkin)とハックスリー(A.F.Huxley)が、ヤリイカの巨大神経細胞軸索を用いた研究をもとに定式化した神経興奮に関する基礎理論(Journal of Physiology 117(1952)500-ほか)で、彼らは、この業績により1963年にノーベル賞(生理学医学賞)を受賞した。ニューロンにおける神経興奮を近似的に等価な電気回路モデルを使って記述することを目的としており、現象を大幅に単純化しているが、パラメータがあるしきい値を超えたときに連続的な発振が起きるなど、系の本質的な振舞いを再現することができる。

 ホジキン−ハックスリー理論では、ナトリウムおよびカリウム・イオンが膜上に存在するイオン・チャネルを通って移動するプロセスを通じて膜電位が変化する。基本的な方程式は、次の形で表される:
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各イオン・チャネルの開閉の度合いが膜電位によって変化するため、上の方程式は、解析的な扱いが困難な非線形なものになる。近似的な解析やコンピュータ・シミュレーションによって、膜電位がしきい値を越えると、自励振動が始まることが知られている。

 ホジキン−ハックスリー理論の詳細は、多くの神経生理学の教科書に記載されているので、詳しくはそれを参考にされたい。例えば、次の著作を見よ。

松本元著 『神経興奮の現象と実体』(丸善)


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©Nobuo YOSHIDA
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