科学と技術の諸相2020/08/30 更新
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★★新著の予告★★

 この秋、『高校物理再入門』というタイトルの著書を刊行予定です。高校で勉強する(似非)物理が、どのように真の物理学とつながっているかを解説する内容です。期待せずにお待ちください。(2020年07月28日)

★★気になるニュース★★

Excel「お節介機能」のせいで遺伝子名を変更(20/08/30)


 マイクロソフト製表計算ソフトExcelに搭載されたオートコレクト機能のせいで遺伝子の論文にエラーが多発したため、ついに科学者側が折れて遺伝子名を変更することになった。
 このエラーは、主に遺伝子の略称を日付に変換するというもの。例えば、ヒトのタンパク質Septin2をコードする遺伝子「SEPT2」は「2-Sep(9月2日)」に、Membrane associated ring-CH-type finger 1の遺伝子「MARCH1」は「1-Mar(3月1日)」に勝手に変えられてしまう。こうした誤変換は2004年に最初に指摘されており、それ以降、件数は増加の一途をたどっているとのこと。マーク・ジーマンの調査(2016)によると、学術論文3597件のうち、704件でExcelによる遺伝子名エラーが発生していた。遺伝子のデータを入手するために「SEPT2」のような略号で検索をかけた場合、誤った結果を得ることになりかねない。
 オートコレクト機能はマニュアルで解除可能だが、デフォルトでオンになっているため、多くの科学者がそのまま使用しており、誤訂正の多発につながったようだ。結局、ヒトゲノム命名法委員会は、今年8月3日にデータの扱いや検索に影響を与える略号を変更することを決定、これにより、「SEPT2」は「SEPTIN2」、「MARCH1」は「MARCHF1」と表記されることになった。今後略号を決める場合も、「ソフトウェアがミスを犯さないように配慮すべし」というガイドラインが示された。
 今回問題となった日付のケースは、これまで地域によって略し方が異なり混乱の元になっていた。「11/12/13」は、アメリカでは2013年11月12日、イギリスでは2013年12月11日になる。日本人がよく使う「13-12-11」は、国際的には通用しない。マイクロソフトが日付を強制的に変更する仕様にした意図は、わからなくもない。
 ただし、アプリが自動的な訂正を行う際には、必ず守るべき大原則がある。それは、訂正した箇所を明示し、人間がそれは誤った訂正だと判断したときには、元に戻せるようにすることである。論文中に遺伝子の略号と日付が混在していて、それらが全て「2-Sep」に変換されてしまった場合、簡単な操作で遺伝子か日付のいずれかに正しく戻せなければならない。アプリによっては、オートコレクトが上書きとなっており、誤訂正の訂正が不可能な場合もあるので、注意が必要となる。

【補記】筆者(吉田)も、各種アプリに搭載されたオートコレクト機能に悩まされてきた。多くのワープロには、行頭の数字を連番に変更する機能があるが、うっかりこれをオンにしたまま執筆していたとき、「第×章を参照」という文言が行頭に来たため、章番号が勝手に変わっていたことがある(元に戻せなかったため、どの章か改めて検索しなければならなかった)。
 日本語入力システムでは、AI学習のせいで奇妙なかな漢字変換が生じることがある。宇宙論の記事で「てんたい」がいきなり「転貸」と変換されたときには、びっくりして何を書こうとしていたか忘れてしまった(直前の文章に経済と関連する用語が含まれていたらしい)。最近では、アプリの使用を開始する段階で、メニュー-オプションを隅から隅まで調べ、オートコレクトとかアシストといった機能(特に、AIなどという怪しげなものを持ち出す場合)はほぼ全てオフにしている。
(→過去の「気になるニュース」
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★★著書のお知らせ★★

下記の通り、時間に関する著書が1月15日に刊行されました。

時間はどこから来て、なぜ流れるのか? 「時間はどこから来て、なぜ流れるのか?
   最新物理学が解く時空・宇宙・意識の「謎」
   (ブルーバックス)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価1000円(税別)
新書判/240ページ
発売日 : 2020/01/15
【出版社からの内容紹介】
科学が捉えた「時間の本質」――時間は過去から未来へ流れて《いない》!?
時間の正体は、宇宙の起源につながっている。
時間とは何か? 時は本当に過去から未来へ流れているのか?
「時間が経つ」とはどういう現象なのか?
先人たちが思弁を巡らせてきた疑問の扉を、いま、物理学はついに開きつつある。
相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫る。

◇本書「はじめに」の内容は、「あのニュートンですら「時の流れ」にふわっとした解釈をした理由」(講談社・ブルーバックスのサイト)に掲載されています。
◇書籍ダイジェストサービスSERENDIPに、本書の要約「【新書】現代物理学で「時間は流れていない」のはなぜか」が掲載されました(全文読むには、会員登録が必要です)。
他の著書の紹介

★★吉田の近況★★


★★Q & A★★

質問 細菌は人間と共生して役にも立っていますが、 ウィルスも人間と共生して役に立っているのでしょうか?【その他】
質問 『時間はどこから来て、なぜ流れるのか?』を読ませていただきましたが、短い「まとまりを持つ意識」ではなく、「一生の全ての時間の意識」を一斉に感じられてもおかしくないのでは、と思いました。このことに何か論理的あるいは物理的な説明がつけられないでしょうか。また、時間が流れる感じが物質に内在するものではなく、外部から動かされるものという説は全くありえないのでしょうか。【その他】
質問 もし慣性質量と重力質量が違ったら、どのようなことが起こりますか?【現代物理】
質問 人間は、同じ星に住んでいるため環境問題を共有してしまいますが、 将来他の惑星に進出するようになっても、何か宇宙規模の環境問題に悩まされるようになるのでしょうか。【環境問題】
質問 速さは光速が上限と聞きましたが、回転に上限はあるのでしょうか。大きさがなければ、少なくとも光速の制限にはひっかからない気がしますが。【現代物理】

【告知】2019年12月をもって、Q&Aコーナーで利用してきたメールデコードのCGIが提供中止になったため、当ホームページ内部から質問を受け付けられなくなりました。そこで、代わりにQ&Aの一部を掲載するブログを開設し、そのコメント機能を介して質問できるようにしました。以下のリンクからブログにアクセスしてください。
 なお、ブログの仕様により、トップページからはコメントできないので、個々の質問/回答のページでのコメントとして質問をお送りください。すぐに表示はせず、いったん吉田が質問を受け取り回答を作成してから、新たな質問/回答として掲載します(様子を見て、方式を変更するかもしれません)。
 また、「気になるニュース」を独立させたブログも開設しました。内容は、当ホームページと同じです。
ブログ「科学と技術の諸相 −Q&A−」
ブログ「科学と技術の諸相 −気になるニュース−」
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この世界についての仮説
(同じ著者による独立したページ)

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