科学と技術の諸相2018/06/30 更新
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ただいま、別の仕事が忙しく、4月からホームページの更新が滞っています。更新を再開するまで、もう少しお持ちください。(2018年06月30日)

★★新 著 の 紹 介★★

科学はなぜわかりにくいのか 科学はなぜわかりにくいのか
   現代科学の方法論を理解する (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 224ページ
発売日: 2018/4/14
【出版社からの内容紹介】
科学とのつきあい方がようやくわかる!
たまたま耳にした最新の科学ニュースについて、説明を聞いても全然わかった気がしない…。
そもそも科学はどうしてこんなにわかりにくいのだろう…。
そんな素朴な疑問に本書がずばり答えます。

【特徴】
 「科学とは、完成された知の体系ではなく、一つの方法論だ」という観点から、科学の本質に迫ろうとする著作です。科学はどんなときに誤りを犯すのか。また、さまざまな誤りを犯してきたにもかかわらず、科学者たちが科学に対する信頼を失わないのはなぜか。こうした点について、具体的な事例に基づいて考察します。

★★気になるニュース★★

ホーキング博士、死去(18/03/15)

 一般相対論に関する画期的な業績で知られるスティーブン・ホーキング博士が、3月14日に死去した。享年76歳。大学院生時代に難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症、余命数年と宣告された後もたゆまず研究を続け、「車椅子の天才」として名高かった。
 ホーキングの最大の業績は、「ブラックホールが蒸発する」というホーキング放射の理論だろう。それ以前から、ペンローズとともに導いた特異点定理などによって、この分野における第一人者と目されていた。だが、特異点定理は、一般相対論という基礎理論を前提とし、緻密な数学的考察を積み重ねていけば、演繹的に導出可能である。数学の天才ならば、ホーキングでなくても発見できただろう。これに対して、ホーキング放射の理論は、誰も想像し得なかった現象を、理論物理学の極致とも言える手法を駆使して導いたもので、ホーキング以外に考案できる人間がいるか疑わしい。
 この研究を始めたきっかけは、ブラックホールの表面積(事象の地平面の面積)が一方向的に増大し続けるという(ホーキングが発見した)性質が、熱力学におけるエントロピー増大則と同じものではないかというベッケンスタインの指摘である。ホーキングがすぐに気がついたように、ブラックホールがエントロピーを持つならば、それと対の物理量である温度を定義することが必要である。ところが、熱力学の定理によれば、有限の温度を持つ物体は、必ず熱放射を行う。ブラックホールは光すら放出しないとされるので、常識的に考えれば絶対零度のはずであり、エントロピーも持たないと結論できる(並の物理学者なら、ここで考えるのを止める)。
 ホーキングは、ブラックホールが全く放射しないのは確かなのか、改めて熟考した。そこで参考になったのが、回転するブラックホールからエネルギーを取り出す方法としてペンローズが提案したペンローズ過程である。この過程では、エルゴ領域で物体が2つに分裂して一方がブラックホールに落ち込んだ場合、他方がエネルギーを奪って飛び去ることができる。そこでホーキングは、事象の地平面近くで粒子・反粒子の対生成が起きて一方だけが遠方に飛び去るならば、ブラックホールからエネルギーが放出されるのではないかと考えた。ゆがんだ時空の内部で対生成が起きる過程を厳密に扱う理論は、当時も今も存在しない(かなりの才能のある物理学者でも、ここで諦める)。だが、ホーキングは、諦めることなく、半古典的な手法をベースに超絶的な数学のテクニックを駆使して粒子・反粒子の波動関数を求め、最終的に、ブラックホールからエネルギーが放出される可能性があることを示した。
 ホーキング放射の理論は、いまだ完全な理論が存在しない領域で、広範な物理学の知識と卓越した数学の才能を組み合わせることによって、見出されたのである。20世紀の理論物理学でこれに比肩し得る業績は、ディラックによる陽電子の理論など、数えるほどしかない。
 もっとも、ホーキング放射が実際に起きるかどうか、観測による裏付けがないせいもあって、ホーキングは、ノーベル物理学賞を受賞できなかった。実は、宇宙論は昔からノーベル賞とは縁遠く、膨張宇宙論を提唱したフリードマンとルメートル、ハッブルの法則を発見したハッブル、ビッグバン理論の原型を作ったガモフ、ブラックホールの形成過程を明らかにしたオッペンハイマーをはじめ、エディントン、シュヴァルツシルト、ツヴィッキー、ディッケ、ピーブルス、グース(最後の二人は存命中)といった著名な天文学者・宇宙論研究者は、いずれもノーベル賞をもらっていない。
(→過去の「気になるニュース」

★★Q & A★★

質問 人間の発明は、同じ仕組みの物が既に自然の中にある場合がほとんどのような気がします。これぞ人間オリジナルの技術だというものは何があるでしょうか。【その他】
質問 現在、紀年法はキリストの生誕年を基準にして、時刻はイギリスを基準にして定義したものが普及していますが、地理的、文化的に最も中立な定義というと、どのようなものが考えられるでしょうか?【その他】
Q&Aコーナーでは、科学技術関連の質問に対して、筆者に可能な範囲で解答しています。 質問のある人は、「質問用フォーム」のページから送信してください。
(→Q&A目次
(→質問用フォーム

★★セミナー報告★★

 6月15日にスルガ銀行d-laboで行われたセミナーのレポートが、次のページに掲載されましたのでご報告します。
スルガ銀行イベントレポートのページ
 東京近郊で同様のセミナーをご希望の場合は、メールでお問い合わせください(ここをクリックすると、メールソフトが立ち上がります)。聴講するのが中学・高校生の場合は、無料で講演いたします。

★★著 書 の 紹 介★★

量子論はなぜわかりにくいのか 量子論はなぜわかりにくいのか
   「粒子と波動の二重性」の謎を解く (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 208ページ
発売日: 2017/4/13
【特徴】
 現行の量子論がひどくわかりにくいのは、物理現象を具体的にイメージすることを禁じるハイゼンベルク流の方法論が、広く採用されているからです。しかし、この方法論が絶対的だとは限りません。本書では、「閉じ込められた波が定在波を形成することで量子が生じる」というシュレディンガー流の描像を採用し、量子論的な現象についての具体的なイメージを作り上げることを目指します。

★★新 著 の 紹 介★★

宇宙に「終わり」はあるのか 「宇宙に「終わり」はあるのか
   最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで
   (ブルーバックス)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価980円(税別)
新書判/288ページ
発売日 : 2017/02/14
【出版社からの内容紹介】
今から138億年前、宇宙はビッグバンで生まれた。実は「138億年」の時の流れは、宇宙にとってはほんの一瞬だ。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」に及ぶ、想像を絶する未来を有する。そんな遠大な未来に、宇宙は「終わり」を迎えるのか? 答えは本書にある。宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立つ。
【特徴】
 宇宙全史を通観する試みです。138億年前、「整然としたビッグバン」から始まったこの宇宙は、誕生直後の短い間、拡散と凝集のせめぎ合いの中で複雑な構造が形成され生命の発生に至ったものの、次第に構造が崩れていきます。やがて全ての恒星が燃え尽き、暗闇の中で長時間が過ぎるうちに、銀河システムは崩壊し、ブラックホールと漂流天体だけの世界になります。さらに、人間の想像力を越えるような時間が経過すると、物質が消滅しブラックホールも蒸発して、ついには、何も起きない状態−−宇宙の終焉が訪れます。

★★著 書 の 紹 介★★

完全独習相対性理論 「完全独習相対性理論 (KS物理専門書)」
(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価3,600円(税別)
ソフトカバー/279ページ
発売日 : 2016/4/7
【出版社からの内容紹介】
重力とは何か?時空はなぜ歪むのか?高校物理レベルの知識だけを前提として読めるように、気鋭の著者が工夫をこらして解説した。特殊相対性理論から一般相対性理論まで、この壮大な知の体系を一冊で学びつくす独習書。

【特徴】
soryusi.jpg 「素粒子論はなぜわかりにくいのか」

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価1,659円(本体1,580円)
四六判/208ページ
発売日 : 2013/12/05
ISBNコード : 978-4-7741-6131-0
【出版社からの内容紹介】
ようやくあなたの素粒子に対するイメージが具体的になる!

【特徴】
shoei.gif 「明解 量子宇宙論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価 3,990円(税込)(←高くて本当にすみません)
発売日 : 2013/03/30
ISBNコード : 978-4-06-153285-4
【出版社からの内容紹介】
宇宙の謎に迫る現代の物理学。最新理論が予言する壮大な宇宙モデルは、どこまで正しいのか? どのような観測で検証できるのか? 急速に発展を続ける量子宇宙論を、最低限の予備知識をもとに、わかりやすく説き明かす。

【特徴】
tosho4.gif 「明解 量子重力理論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社(講談社サイエンティフィク)
定価 3,150 円(税込)(←高くてすみません)
発売日 : 2011/07/25
ISBNコード : 978-4-06-153275-5
【出版社からの内容紹介】
なぜ重力の量子化が困難なのか? 量子重力理論は,何を解決しようとしているのか? ループ量子重力理論とは,超ひも理論とは,どのような理論なのか? 学部学生程度の物理学から出発し,量子重力理論という最先端へ読者をいざなう.専門書を読む前の,はじめの一歩に最適な入門書.

【特徴】
スキャナー画像 「思考の飛躍 アインシュタインの頭脳

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2010/05/25
ISBNコード : 978-4-10-603660-6
【出版社からの内容紹介】
光量子論、ブラウン運動、特殊相対論、一般相対論……。20世紀の初頭にアインシュタインはなぜ、かくも革命的な理論を次々と構築できたのか。そして後年、量子力学を執拗に批判し、統一場の理論を夢見つづけたのはなぜか。光と重力と四次元を解き明かし、物理学の世界を一変させた天才の頭脳。その発想法と思考術の秘密に迫る。

【特徴】
書籍スキャナー画像 「日本人とナノエレクトロニクス 世界をリードする半導体技術のすべて
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価 1,554 円(税込) (←少し高いという声もありますが)
発売日 : 2009/12
ISBNコード : 978-4-7741-4038-4
【内容紹介】
◇本書のことが、「日経サイエンス」の「森山和道の読書日記」(2010年3月号p.122)で紹介されています。
今度はスキャナーを使いました 「光の場、電子の海 量子場理論への道
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,260 円(税込)
発売日 : 2008/10/25
ISBN-10 : 4106036223
【内容紹介】
わざわざ自分でデジカメ撮影した画像 「宇宙に果てはあるか」

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2007/01/25
JAN/ISBNコード : 4106035766
【出版社からの内容紹介】
始まりは? 大きさは? ブラックホールとは? アインシュタインからホーキングまで、宇宙をめぐる12の謎に挑んだ科学者たちの思考のプロセスをたどる。

【特徴】
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この世界についての仮説
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