科学と技術の諸相2018/09/22 更新
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★★Q & A★★

質問 音声を早送りすると音が高くなるのに、動画を早送りしても色が青くならないのはなぜでしょうか。逆に、早送りしても音が高くならない録音方法や、早送りすると色が青くなる録画方法もあるのでしょうか。【古典物理】
質問 温暖化が進むということは、寒い地域や国に移住した方が良いのでしょうか。【環境問題】
Q&Aコーナーでは、科学技術関連の質問に対して、筆者に可能な範囲で解答しています。 質問のある人は、「質問用フォーム」のページから送信してください。
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★★気になるニュース★★

北海道、地震でブラックアウト(18/09/09)

 9月6日未明に北海道・胆振地方で発生した地震により、道内のほぼ全ての発電所が一斉に停止、295万戸で停電する「ブラックアウト」が起きた。太平洋戦争の混乱が収拾されて以降、大規模なブラックアウトは初めてである。
 今回の地震(マグニチュード6.7)は、内陸部の活断層で発生した地震(内陸地殻内地震、いわゆる直下型地震)だが、震源の深さが37kmとかなり深く、しかも、深い割に地表での揺れが大きかったという特徴がある。ちなみに、今年6月に起きた大阪北部地震の震源は深さ13km、2016年の熊本地震は深さ12kmで、地殻内地震の多くは深さ30km以内で起きる。北海道では、道央の南北方向に伸びる活断層が知られているが、今回の震源は、これらとは別の未知の断層。揺れが大きくなったのは、火山灰を多く含む軟弱な地盤のせいで、短周期の震動が増幅された結果らしい。
 この規模の地震で、東日本大震災でも見られなかったブラックアウトが起きたことは、電力や防災の関係者を驚かせた。原因は、少数の発電所に頼る供給体制の不備。震度6強から7の揺れに見舞われた厚真町には、3機の石炭火力発電機を有し総出力165万kWに達する苫東厚真(とまとうあつま)発電所があり、激しい揺れを検知したため緊急停止した。北海道の電力需要は平均310万kWであり、その半分に相当する電力供給が突然断たれた訳である。
 電気は貯めることができないため、需要と供給を常に一致させなければならない。供給が急減すると稼働中の他の発電機が過負荷状態になり、周波数が低下する。周波数が既定値以下になると、停電を特定の範囲に局限する目的で変電所の系統遮断が起きるが、今回は、供給の低下があまりに急激だったため、連鎖的に変電所・発電所が次々と送電をストップし、その結果、北海道全域が停電してしまった。電力需要の小さい深夜なので停止中の発電機も多く、直ちに発電量を増すことができないという事情もあった。
 北海道には総出力207万kWの泊原発があるが、福島第一原発事故を受けて停止中。新設が計画されていた石狩湾新港LNG火力発電所は、今回の震災に間に合わなかった(間に合っていたとしても、LNG火力では出力の急増が難しかったろうという指摘もある)。北海道で電力不足に陥った際の備えとして、本州から60万kW(さらに30万kW増強する予定)の電力を送る北本連系線も用意されていた。しかし、事態があまりに急激に進展したせいか、対応できなかったという。
 電力の供給停止は、社会生活に与える影響がきわめて大きく、何としても避けたい事態である。少数の大規模発電所に頼らず中小の発電施設を分散させ、いざというときには相互に融通し合う体制を整えることが必要だろう。
【補記】この地震に関して、政府の地震調査委員会は、当初、道央にある既知の断層帯とは無関係という見解を発表した。しかし、その後、震源の断層が長さ15kmもあり、深さ15kmの地点まで伸びていることが判明したため、当初の説明を変更し、「石狩低地東縁断層帯」の一部がずれた可能性が否定できないとの見方を示した(18/09/17)。
(→過去の「気になるニュース」

★★ブックキュレーションのお知らせ★★

ハイブリッド型総合書店honto」のブックツリー・コーナーに、推薦書を5冊(自著が1冊混じっています)挙げておきました。よろしければ、参考にしてください。

★★セミナー報告★★

 2017年6月15日にスルガ銀行d-laboで行われたセミナーのレポートが、次のページに掲載されているのでご報告します。
スルガ銀行イベントレポートのページ
 東京近郊で同様のセミナーをご希望の場合は、メールでお問い合わせください(ここをクリックすると、メールソフトが立ち上がります)。聴講するのが中学・高校生の場合は、無料で講演いたします。

★★著 書 の 紹 介★★

科学はなぜわかりにくいのか 科学はなぜわかりにくいのか
   現代科学の方法論を理解する (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 224ページ
発売日: 2018/4/14
【出版社からの内容紹介】
科学とのつきあい方がようやくわかる!
たまたま耳にした最新の科学ニュースについて、説明を聞いても全然わかった気がしない…。
そもそも科学はどうしてこんなにわかりにくいのだろう…。
そんな素朴な疑問に本書がずばり答えます。

【特徴】
 「科学とは、完成された知の体系ではなく、一つの方法論だ」という観点から、科学の本質に迫ろうとする著作です。科学はどんなときに誤りを犯すのか。また、さまざまな誤りを犯してきたにもかかわらず、科学者たちが科学に対する信頼を失わないのはなぜか。こうした点について、具体的な事例に基づいて考察します。
量子論はなぜわかりにくいのか 量子論はなぜわかりにくいのか
   「粒子と波動の二重性」の謎を解く (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 208ページ
発売日: 2017/4/13
【特徴】
 現行の量子論がひどくわかりにくいのは、物理現象を具体的にイメージすることを禁じるハイゼンベルク流の方法論が、広く採用されているからです。しかし、この方法論が絶対的だとは限りません。本書では、「閉じ込められた波が定在波を形成することで量子が生じる」というシュレディンガー流の描像を採用し、量子論的な現象についての具体的なイメージを作り上げることを目指します。
宇宙に「終わり」はあるのか 「宇宙に「終わり」はあるのか
   最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで
   (ブルーバックス)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価980円(税別)
新書判/288ページ
発売日 : 2017/02/14
【出版社からの内容紹介】
今から138億年前、宇宙はビッグバンで生まれた。実は「138億年」の時の流れは、宇宙にとってはほんの一瞬だ。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」に及ぶ、想像を絶する未来を有する。そんな遠大な未来に、宇宙は「終わり」を迎えるのか? 答えは本書にある。宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立つ。
【特徴】
 宇宙全史を通観する試みです。138億年前、「整然としたビッグバン」から始まったこの宇宙は、誕生直後の短い間、拡散と凝集のせめぎ合いの中で複雑な構造が形成され生命の発生に至ったものの、次第に構造が崩れていきます。やがて全ての恒星が燃え尽き、暗闇の中で長時間が過ぎるうちに、銀河システムは崩壊し、ブラックホールと漂流天体だけの世界になります。さらに、人間の想像力を越えるような時間が経過すると、物質が消滅しブラックホールも蒸発して、ついには、何も起きない状態−−宇宙の終焉が訪れます。
完全独習相対性理論 「完全独習相対性理論 (KS物理専門書)」
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吉 田 伸 夫 著
講談社
定価3,600円(税別)
ソフトカバー/279ページ
発売日 : 2016/4/7
【出版社からの内容紹介】
重力とは何か?時空はなぜ歪むのか?高校物理レベルの知識だけを前提として読めるように、気鋭の著者が工夫をこらして解説した。特殊相対性理論から一般相対性理論まで、この壮大な知の体系を一冊で学びつくす独習書。

【特徴】
soryusi.jpg 「素粒子論はなぜわかりにくいのか」

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価1,659円(本体1,580円)
四六判/208ページ
発売日 : 2013/12/05
ISBNコード : 978-4-7741-6131-0
【出版社からの内容紹介】
ようやくあなたの素粒子に対するイメージが具体的になる!

【特徴】
shoei.gif 「明解 量子宇宙論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価 3,990円(税込)(←高くて本当にすみません)
発売日 : 2013/03/30
ISBNコード : 978-4-06-153285-4
【出版社からの内容紹介】
宇宙の謎に迫る現代の物理学。最新理論が予言する壮大な宇宙モデルは、どこまで正しいのか? どのような観測で検証できるのか? 急速に発展を続ける量子宇宙論を、最低限の予備知識をもとに、わかりやすく説き明かす。

【特徴】
tosho4.gif 「明解 量子重力理論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社(講談社サイエンティフィク)
定価 3,150 円(税込)
発売日 : 2011/07/25
ISBNコード : 978-4-06-153275-5
【出版社からの内容紹介】
なぜ重力の量子化が困難なのか? 量子重力理論は,何を解決しようとしているのか? ループ量子重力理論とは,超ひも理論とは,どのような理論なのか? 学部学生程度の物理学から出発し,量子重力理論という最先端へ読者をいざなう.専門書を読む前の,はじめの一歩に最適な入門書.

【特徴】
スキャナー画像 「思考の飛躍 アインシュタインの頭脳

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2010/05/25
ISBNコード : 978-4-10-603660-6
【出版社からの内容紹介】
光量子論、ブラウン運動、特殊相対論、一般相対論……。20世紀の初頭にアインシュタインはなぜ、かくも革命的な理論を次々と構築できたのか。そして後年、量子力学を執拗に批判し、統一場の理論を夢見つづけたのはなぜか。光と重力と四次元を解き明かし、物理学の世界を一変させた天才の頭脳。その発想法と思考術の秘密に迫る。

【特徴】
書籍スキャナー画像 「日本人とナノエレクトロニクス 世界をリードする半導体技術のすべて
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価 1,554 円(税込) (←少し高いという声もありますが)
発売日 : 2009/12
ISBNコード : 978-4-7741-4038-4
【内容紹介】
◇本書のことが、「日経サイエンス」の「森山和道の読書日記」(2010年3月号p.122)で紹介されています。
今度はスキャナーを使いました 「光の場、電子の海 量子場理論への道
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,260 円(税込)
発売日 : 2008/10/25
ISBN-10 : 4106036223
【内容紹介】
わざわざ自分でデジカメ撮影した画像 「宇宙に果てはあるか」

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2007/01/25
JAN/ISBNコード : 4106035766
【出版社からの内容紹介】
始まりは? 大きさは? ブラックホールとは? アインシュタインからホーキングまで、宇宙をめぐる12の謎に挑んだ科学者たちの思考のプロセスをたどる。

【特徴】
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