科学と技術の諸相2018/11/11 更新
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★★気になるニュース★★

みちびき4機体制の運用開始(18/11/04)

 11月1日、日本版GPSの柱となる衛星「みちびき」4機によるサービスが始まった。
 GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)とは、GPS衛星からの信号を受信することによって位置を測定するシステム。信号には、衛星に搭載された原子時計による時刻と、軌道計算で求められる位置の情報が含まれる。受信地点での正確な時刻がわかれば、発信時刻との差に光速を掛けることで各衛星までの距離が求まるので、原理的には、3つの衛星からの信号が受信できれば、衛星の位置を基にした3点測位によって受信地点の位置が計算できる。ただし、ポータブル受信機の場合、小型のクォーツ時計しか備えておらず、時刻の誤差が大きいので、実際には、4つの衛星からの信号を受信し、正確な時刻と3次元空間座標という4つの未知数を求めることになる。
 GPSは、もともと砂漠などにおける作戦行動のために、アメリカ軍によって開発された。1993年から旅客機の位置測定などアメリカ以外の非軍事分野で利用できるようになったものの、衛星からの信号が暗号化され利用が制限されるなど、使いにくい面があった。このため、各国で自前の衛星を打ち上げ、アメリカのGPSを代替ないし補完する動きが見られる。ロシア、中国、EU、インドでは、数年前から多数の(ロシアの24機からインドの7機までの)衛星による測位システムを運用中。
 日本の場合、技術実証のためのみちびき初号機は、中国、EUと同時期となる2010年に打ち上げたものの、2〜4号機は2017年になって打ち上げられ、今年ようやく4機体制が整った。将来的には、7機体制を目指す。目標は、GPSの代替ではなく、あくまで補完に徹する。
 みちびきは、準天頂衛星システムと呼ばれる。高層ビル街や山間部では高度の低い衛星からの信号を捉えにくく、アメリカのGPS衛星だけでは、測位に必要な4機が見えないことがある。このため、少なくとも1機が日本上空に位置するような複数の衛星を用意し、GPSを補完する必要があった。ただし、地上から常に同じ方位に見える静止衛星は、赤道上空にしか飛ばすことができない。そこで、みちびきの軌道として、地球の自転と同じ周期で回りながら南北方向に振動する、傾斜静止軌道が採用された。地図上で見ると、赤道をはさんで、日本からニューギニアを経て、オーストラリア南方までの上空を8の字を描いて往復する。このとき、北半球で高度を上げると(ケプラーの法則に従って)速度が遅くなり、日本上空での滞在時間が長い準天頂軌道となる。みちびき4機のうち、3機はそれぞれ他を追いかけるような準天頂軌道、1機が静止軌道を描く。
 補強情報を活用すれば数センチ単位での測位が可能なみちびきのシステムを使うと、自動運転車やドローンのナビゲーション、農作業や土木工事の遠隔操縦などが可能になると言われる。使い方次第で、日本の産業を活性化させるキーテクノロジーとなるかもしれない。
(→過去の「気になるニュース」

★★Q & A★★

質問 宇宙全体の波動関数というものはあるのでしょうか? あるとしたら、それを観測したらどうなるのでしょうか? 【現代物理】
質問 音声を早送りすると音が高くなるのに、動画を早送りしても色が青くならないのはなぜでしょうか。逆に、早送りしても音が高くならない録音方法や、早送りすると色が青くなる録画方法もあるのでしょうか。【古典物理】
Q&Aコーナーでは、科学技術関連の質問に対して、筆者に可能な範囲で解答しています。 質問のある人は、「質問用フォーム」のページから送信してください。
(→Q&A目次
(→質問用フォーム

★★ブックキュレーションのお知らせ★★

ハイブリッド型総合書店honto」のブックツリー・コーナーに、推薦書を5冊(自著が1冊混じっています)挙げておきました。よろしければ、参考にしてください。

★★セミナー報告★★

 2017年6月15日にスルガ銀行d-laboで行われたセミナーのレポートが、次のページに掲載されているのでご報告します。
スルガ銀行イベントレポートのページ
 東京近郊で同様のセミナーをご希望の場合は、メールでお問い合わせください(ここをクリックすると、メールソフトが立ち上がります)。聴講するのが中学・高校生の場合は、無料で講演いたします。

★★著 書 の 紹 介★★

科学はなぜわかりにくいのか 科学はなぜわかりにくいのか
   現代科学の方法論を理解する (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 224ページ
発売日: 2018/4/14
【出版社からの内容紹介】
科学とのつきあい方がようやくわかる!
たまたま耳にした最新の科学ニュースについて、説明を聞いても全然わかった気がしない…。
そもそも科学はどうしてこんなにわかりにくいのだろう…。
そんな素朴な疑問に本書がずばり答えます。

【特徴】
 「科学とは、完成された知の体系ではなく、一つの方法論だ」という観点から、科学の本質に迫ろうとする著作です。科学はどんなときに誤りを犯すのか。また、さまざまな誤りを犯してきたにもかかわらず、科学者たちが科学に対する信頼を失わないのはなぜか。こうした点について、具体的な事例に基づいて考察します。
量子論はなぜわかりにくいのか 量子論はなぜわかりにくいのか
   「粒子と波動の二重性」の謎を解く (知の扉)

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吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 208ページ
発売日: 2017/4/13
【特徴】
 現行の量子論がひどくわかりにくいのは、物理現象を具体的にイメージすることを禁じるハイゼンベルク流の方法論が、広く採用されているからです。しかし、この方法論が絶対的だとは限りません。本書では、「閉じ込められた波が定在波を形成することで量子が生じる」というシュレディンガー流の描像を採用し、量子論的な現象についての具体的なイメージを作り上げることを目指します。
宇宙に「終わり」はあるのか 「宇宙に「終わり」はあるのか
   最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで
   (ブルーバックス)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価980円(税別)
新書判/288ページ
発売日 : 2017/02/14
【出版社からの内容紹介】
今から138億年前、宇宙はビッグバンで生まれた。実は「138億年」の時の流れは、宇宙にとってはほんの一瞬だ。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」に及ぶ、想像を絶する未来を有する。そんな遠大な未来に、宇宙は「終わり」を迎えるのか? 答えは本書にある。宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立つ。
【特徴】
 宇宙全史を通観する試みです。138億年前、「整然としたビッグバン」から始まったこの宇宙は、誕生直後の短い間、拡散と凝集のせめぎ合いの中で複雑な構造が形成され生命の発生に至ったものの、次第に構造が崩れていきます。やがて全ての恒星が燃え尽き、暗闇の中で長時間が過ぎるうちに、銀河システムは崩壊し、ブラックホールと漂流天体だけの世界になります。さらに、人間の想像力を越えるような時間が経過すると、物質が消滅しブラックホールも蒸発して、ついには、何も起きない状態−−宇宙の終焉が訪れます。
完全独習相対性理論 「完全独習相対性理論 (KS物理専門書)」
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吉 田 伸 夫 著
講談社
定価3,600円(税別)
ソフトカバー/279ページ
発売日 : 2016/4/7
【出版社からの内容紹介】
重力とは何か?時空はなぜ歪むのか?高校物理レベルの知識だけを前提として読めるように、気鋭の著者が工夫をこらして解説した。特殊相対性理論から一般相対性理論まで、この壮大な知の体系を一冊で学びつくす独習書。

【特徴】
soryusi.jpg 「素粒子論はなぜわかりにくいのか」

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価1,659円(本体1,580円)
四六判/208ページ
発売日 : 2013/12/05
ISBNコード : 978-4-7741-6131-0
【出版社からの内容紹介】
ようやくあなたの素粒子に対するイメージが具体的になる!

【特徴】
shoei.gif 「明解 量子宇宙論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価 3,990円(税込)(←高くて本当にすみません)
発売日 : 2013/03/30
ISBNコード : 978-4-06-153285-4
【出版社からの内容紹介】
宇宙の謎に迫る現代の物理学。最新理論が予言する壮大な宇宙モデルは、どこまで正しいのか? どのような観測で検証できるのか? 急速に発展を続ける量子宇宙論を、最低限の予備知識をもとに、わかりやすく説き明かす。

【特徴】
tosho4.gif 「明解 量子重力理論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社(講談社サイエンティフィク)
定価 3,150 円(税込)
発売日 : 2011/07/25
ISBNコード : 978-4-06-153275-5
【出版社からの内容紹介】
なぜ重力の量子化が困難なのか? 量子重力理論は,何を解決しようとしているのか? ループ量子重力理論とは,超ひも理論とは,どのような理論なのか? 学部学生程度の物理学から出発し,量子重力理論という最先端へ読者をいざなう.専門書を読む前の,はじめの一歩に最適な入門書.

【特徴】
スキャナー画像 「思考の飛躍 アインシュタインの頭脳

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2010/05/25
ISBNコード : 978-4-10-603660-6
【出版社からの内容紹介】
光量子論、ブラウン運動、特殊相対論、一般相対論……。20世紀の初頭にアインシュタインはなぜ、かくも革命的な理論を次々と構築できたのか。そして後年、量子力学を執拗に批判し、統一場の理論を夢見つづけたのはなぜか。光と重力と四次元を解き明かし、物理学の世界を一変させた天才の頭脳。その発想法と思考術の秘密に迫る。

【特徴】
書籍スキャナー画像 「日本人とナノエレクトロニクス 世界をリードする半導体技術のすべて
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価 1,554 円(税込) (←少し高いという声もありますが)
発売日 : 2009/12
ISBNコード : 978-4-7741-4038-4
【内容紹介】
◇本書のことが、「日経サイエンス」の「森山和道の読書日記」(2010年3月号p.122)で紹介されています。
今度はスキャナーを使いました 「光の場、電子の海 量子場理論への道
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,260 円(税込)
発売日 : 2008/10/25
ISBN-10 : 4106036223
【内容紹介】
わざわざ自分でデジカメ撮影した画像 「宇宙に果てはあるか」

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2007/01/25
JAN/ISBNコード : 4106035766
【出版社からの内容紹介】
始まりは? 大きさは? ブラックホールとは? アインシュタインからホーキングまで、宇宙をめぐる12の謎に挑んだ科学者たちの思考のプロセスをたどる。

【特徴】
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