科学と技術の諸相2017/07/30 更新【更新履歴】
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★★セミナー報告★★

 6月15日にスルガ銀行d-laboで行われたセミナーのレポートが、次のページに掲載されましたのでご報告します。
スルガ銀行イベントレポートのページ

★★気になるニュース★★

欧州でガソリン車禁止の流れ(17/07/30)

 フランスのユロ・エコロジー相は、今月6日、地球温暖化対策の一環として、2040年までにガソリン車およびディーゼル車の国内販売を禁止すると発表した。一方、これと呼応するかのように、25日にイギリス政府も同様の政策を実施すると発表したが、こちらは、窒素酸化物などによる大気汚染対策が主たる目的(フランスが8割近い電力を原発でまかなっており、化石燃料を使わず充電ができるのに対して、イギリスでは、ガソリン・ディーゼル車をやめても二酸化炭素の総排出量はあまり変わらない)。他にも、オランダ、ノルウェーなどが、ガソリン・ディーゼル車を禁止する方針を明らかにしている。ヨーロッパを中心に、ガソリン・ディーゼル車から電気自動車への移行が急速に進む可能性が見えてきた。ただし、ドイツは、国内産業における自動車メーカーの比率が大きいため、フランスの後を追うことは難しいだろう。
 世紀の変わり目頃までは、環境負荷の小さいエコカーの代表として、ハイブリッド車と(汚染物質の排出を抑制した)改良型ディーゼル車がもてはやされ、その先の次世代自動車としては、燃料電池車が本命だと言われていた。電気自動車は、重量の大きな鉛蓄電池を搭載しなければならず、1回の充電による航続距離も短いため、実用性に乏しかった。しかし、ディーゼル車は、VWなどによる排ガス不正問題が露呈して人気を失い、燃料自動車も、水素ステーションの整備が大きな障害となって導入が進まない。これに対して、電気自動車は、リチウムイオン電池が改良されて大容量・長寿命の製品が登場したことにより、00年代終わり頃から普及し始める(電源の改良は、現代における技術革新の影の主役で、携帯電話がシャツの胸ポケットに収まり、ドローンが街中を飛び回るようになったのは、電源の小型軽量化のおかげである)。さらに、AIによる自動運転の実現が容易なこともあって、現在では、電気自動車が次世代車の主役となることが確実視されている。
 現在、新車販売に占める電気自動車の割合は1%にも満たない。電気自動車の普及には、コストの低下と航続距離の延伸が課題となる。電池の改良によるコスト低下と大容量化は、すでに頭打ち状態なので、今後は、車体の軽量化に活路を見いだすべきであろう。
 エンジンは内部で可燃ガスを爆発的に燃焼させる内燃機関であり、充分に頑丈であること必要。その結果、厚い金属で囲まれ重くなったエンジンは両輪の真ん中付近に置かざるを得ず、これを支えるシャーシーとトルクを伝える車軸も、重く頑丈な素材で作るしかない。しかし、電気自動車ならば、車輪ごとに軽量のモーターを取り付けることが可能で、シャーシーは大幅に軽量化できる。将来的には、車輪に対して磁気でボディを浮上させて、ボディ側に取り付けたリニアモーターで駆動することも考えられる(内部に人間が乗る巨大な一輪車のような、SF的な車が実用化されるかもしれない)。AI制御で多重衝突を回避できるようになれば、エアバッグのような軽量の緩衝材だけで安全が保てるので、ボディはブラスチックで充分だろう。こうすれば、自動車全体の重量を数百キロ以下に減らせるので、航続距離を伸ばすことができるはずである。
(→過去の「気になるニュース」

★★Q & A★★

質問 地球の南極にはちょうど大陸があり、北極は逆に陸地が避けるような形で海が広がっているように見えます。偶然ではない気がしているのですが、このような配置になった必然的な理由はあるのでしょうか?【その他】
質問 重水素による核融合反応はわかりますが、太陽などの恒星でも、やはり重水素の核融合反応が起きているのでしょうか? 通常の陽子1個の水素では、核融合反応は起きないのですか? また水素から始まる核融合サイクルでは、中性子はどこからくるのでしょうか? 水素だけでは陽子しかありません。重水素が大量にあるのでしょうか?【現代物理】
Q&Aコーナーでは、科学技術関連の質問に対して、筆者に可能な範囲で解答しています。 質問のある人は、「質問用フォーム」のページから送信してください。
(→Q&A目次
(→質問用フォーム

★★新 著 の 紹 介★★

量子論はなぜわかりにくいのか 量子論はなぜわかりにくいのか
   「粒子と波動の二重性」の謎を解く (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 208ページ
発売日: 2017/4/13
【特徴】
 現行の量子論がひどくわかりにくいのは、物理現象を具体的にイメージすることを禁じるハイゼンベルク流の方法論が、広く採用されているからです。しかし、この方法論が絶対的だとは限りません。本書では、「閉じ込められた波が定在波を形成することで量子が生じる」というシュレディンガー流の描像を採用し、量子論的な現象についての具体的なイメージを作り上げることを目指します。

★★新 著 の 紹 介★★

宇宙に「終わり」はあるのか 「宇宙に「終わり」はあるのか
   最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで
   (ブルーバックス)

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吉 田 伸 夫 著
講談社
定価980円(税別)
新書判/288ページ
発売日 : 2017/02/14
【出版社からの内容紹介】
今から138億年前、宇宙はビッグバンで生まれた。実は「138億年」の時の流れは、宇宙にとってはほんの一瞬だ。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」に及ぶ、想像を絶する未来を有する。そんな遠大な未来に、宇宙は「終わり」を迎えるのか? 答えは本書にある。宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立つ。
【特徴】
 宇宙全史を通観する試みです。138億年前、「整然としたビッグバン」から始まったこの宇宙は、誕生直後の短い間、拡散と凝集のせめぎ合いの中で複雑な構造が形成され生命の発生に至ったものの、次第に構造が崩れていきます。やがて全ての恒星が燃え尽き、暗闇の中で長時間が過ぎるうちに、銀河システムは崩壊し、ブラックホールと漂流天体だけの世界になります。さらに、人間の想像力を越えるような時間が経過すると、物質が消滅しブラックホールも蒸発して、ついには、何も起きない状態−−宇宙の終焉が訪れます。

★★著 書 の 紹 介★★

完全独習相対性理論 「完全独習相対性理論 (KS物理専門書)」
(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価3,600円(税別)
ソフトカバー/279ページ
発売日 : 2016/4/7
【出版社からの内容紹介】
重力とは何か?時空はなぜ歪むのか?高校物理レベルの知識だけを前提として読めるように、気鋭の著者が工夫をこらして解説した。特殊相対性理論から一般相対性理論まで、この壮大な知の体系を一冊で学びつくす独習書。

【特徴】
soryusi.jpg 「素粒子論はなぜわかりにくいのか」

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価1,659円(本体1,580円)
四六判/208ページ
発売日 : 2013/12/05
ISBNコード : 978-4-7741-6131-0
【出版社からの内容紹介】
ようやくあなたの素粒子に対するイメージが具体的になる!

【特徴】
shoei.gif 「明解 量子宇宙論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価 3,990円(税込)(←高くて本当にすみません)
発売日 : 2013/03/30
ISBNコード : 978-4-06-153285-4
【出版社からの内容紹介】
宇宙の謎に迫る現代の物理学。最新理論が予言する壮大な宇宙モデルは、どこまで正しいのか? どのような観測で検証できるのか? 急速に発展を続ける量子宇宙論を、最低限の予備知識をもとに、わかりやすく説き明かす。

【特徴】
tosho4.gif 「明解 量子重力理論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社(講談社サイエンティフィク)
定価 3,150 円(税込)(←高くてすみません)
発売日 : 2011/07/25
ISBNコード : 978-4-06-153275-5
【出版社からの内容紹介】
なぜ重力の量子化が困難なのか? 量子重力理論は,何を解決しようとしているのか? ループ量子重力理論とは,超ひも理論とは,どのような理論なのか? 学部学生程度の物理学から出発し,量子重力理論という最先端へ読者をいざなう.専門書を読む前の,はじめの一歩に最適な入門書.

【特徴】
スキャナー画像 「思考の飛躍 アインシュタインの頭脳

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2010/05/25
ISBNコード : 978-4-10-603660-6
【出版社からの内容紹介】
光量子論、ブラウン運動、特殊相対論、一般相対論……。20世紀の初頭にアインシュタインはなぜ、かくも革命的な理論を次々と構築できたのか。そして後年、量子力学を執拗に批判し、統一場の理論を夢見つづけたのはなぜか。光と重力と四次元を解き明かし、物理学の世界を一変させた天才の頭脳。その発想法と思考術の秘密に迫る。

【特徴】
書籍スキャナー画像 「日本人とナノエレクトロニクス 世界をリードする半導体技術のすべて
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価 1,554 円(税込) (←少し高いという声もありますが)
発売日 : 2009/12
ISBNコード : 978-4-7741-4038-4
【内容紹介】
◇本書のことが、「日経サイエンス」の「森山和道の読書日記」(2010年3月号p.122)で紹介されています。
今度はスキャナーを使いました 「光の場、電子の海 量子場理論への道
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,260 円(税込)
発売日 : 2008/10/25
ISBN-10 : 4106036223
【内容紹介】
わざわざ自分でデジカメ撮影した画像 「宇宙に果てはあるか」

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2007/01/25
JAN/ISBNコード : 4106035766
【出版社からの内容紹介】
始まりは? 大きさは? ブラックホールとは? アインシュタインからホーキングまで、宇宙をめぐる12の謎に挑んだ科学者たちの思考のプロセスをたどる。

【特徴】
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