科学と技術の諸相2019/01/13 更新
トップ講義ノート論文Q&A科学の回廊索引おまけ

Google
WWW を検索 このサイト内を検索
separate.gif
【注意】本サイトは、プロバイダーの都合で「常時SSL化」に対応しておらず通信が暗号化されていません。このため、ブラウザで閲覧する際、「保護されていません」「安全ではありません」などの表示が出ることがあります。ページ内の情報を読むだけならば問題はありませんが、「Q&Aコーナー」のフォームで入力する場合などは、通信の途中で盗み読みされる危険性がありますので、個人情報を記入しないようにしてください。

★★気になるニュース★★

著作権70年に延長。青空文庫は?(19/01/13)

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)の関連法施行に伴い、2018年12月30日から、著作権の有効期間が欧米並みに延長された。一般の著作物は従来の「著作者の死後50年」から「死後70年」に、映画や実演は公開翌年等の起算点後70年に改訂される。また、これまで著作権者の告訴が必要な親告罪だった著作権侵害罪は、「侵害者が自己の利益を得る、または、著作権者の利益を害する目的を有していた」などいくつかの要件を満たす場合、告訴がなくても起訴できる非親告罪に変更された。コピー防止機能などを回避する技術を提供した場合も、刑事罰の対象となる(同種の規定は以前からあったが、適用範囲が拡大された)。
 著作権法の改訂が必要になったのは、インターネットやデジタルコピーなどの新技術の開発に伴って、これまでの法律ではカバーしきれない状況が生じたから。特に、映画の場合、DVD/BRや動画配信が広まり、公開後50年以上経っても商品価値を持つ作品が数多くあるため、製作会社などから保護期間延長を望む声が強かった。その一方で、「出願後20年」しかない特許などに比べると、保護期間があまりに長いことに批判的な意見も少なくない。作家が若い頃に執筆した文学作品などでは、公表後100年以上も著作権が有効であり続けるケースが出てくる。人気作品ならばともかく、文学の大多数は時間とともに失われる運命なので、紙媒体などが残っているうちにデジタル技術で保存すべきだと考えられるが、著作権侵害に問われる懸念があると、コピーに二の足を踏むことも考えられる。
 コミックマーケットで扱われる同人誌のように、デッドコピー(丸写し)ではなく創作性があり、著作権者の利益を害しない場合は、非親告罪でも起訴されることはなく、これまで通り販売できるだろう。その一方で、著作権が切れた文学作品をパブリックドメイン(公共財)としてネットで公開してきた青空文庫などの活動は、直接的な影響を受ける。期間延長で今年著作権切れにならなかった作家には、『赤毛のアン』の翻訳者・村岡花子、『勝海舟』(同名の大河ドラマの原作)を書いた小説家・子母沢寛、小津安二郎作品で有名な脚本家・野田高梧らがいる。
 著作権法第1条には、この法律が「文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする」とある。この目的を実現するためには、利用制限を強化するばかりでなく、図書館のような非営利機関がデジタル・アーカイブを作成することを認めるなど、著作物が死蔵され消滅することのないやり方を進めることが重要だろう。
(→過去の「気になるニュース」

★★Q & A★★

質問 現在、AIやロボットの発達によって、SF作家アシモフのロボットシリーズの「アシモフのロボット工学三原則」が現実の場で語られる事が多くなりました。しかし、もともとこの三原則は、アシモフのロボットシリーズの担当者だったキャンベルが原型を作り、アシモフと一緒に協議を重ねていた結果をアシモフが自分の小説に採用したものです。最近、宇宙膨張の法則名を、ルメートルの名を加えた「ハッブル・ルメートルの法則」に修正しようとしている事が話題になっていますが、それと同じように、キャンベルの功績も考慮して、これらは「アシモフ・キャンベルのロボット工学三原則」と呼ばれるべきだと思います。吉田氏はどうお考えになりますか。【その他】
質問 一般向け雑誌で、高次空間のなかを漂う「膜宇宙」という考えを読んだことがあります。近接する膜宇宙どうしは重力だけで相互作用するとか。ダークマターが及ぼすと考えられている重力は、実は近くの膜宇宙からのものだった、というようなことはないでしょうか?【現代物理】
質問 吉田さんの著書に度々量子場の波動関数Ψ(ψ(t,x))が登場しますが、いまいちイメージが湧きません。フォック空間の状態ベクトルとは別のものなのでしょうか。【現代物理】
Q&Aコーナーでは、科学技術関連の質問に対して、筆者に可能な範囲で解答しています。 質問のある人は、「質問用フォーム」のページから送信してください。
(→Q&A目次
(→質問用フォーム

★★ブックキュレーションのお知らせ★★

ハイブリッド型総合書店honto」のブックツリー・コーナーに、推薦書を5冊(自著が1冊混じっています)挙げておきました。よろしければ、参考にしてください。

★★セミナー報告★★

 2017年6月15日にスルガ銀行d-laboで行われたセミナーのレポートが、次のページに掲載されているのでご報告します。
スルガ銀行イベントレポートのページ
 東京近郊で同様のセミナーをご希望の場合は、メールでお問い合わせください(ここをクリックすると、メールソフトが立ち上がります)。聴講するのが中学・高校生の場合は、無料で講演いたします。

★★著 書 の 紹 介★★

科学はなぜわかりにくいのか 科学はなぜわかりにくいのか
   現代科学の方法論を理解する (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 224ページ
発売日: 2018/4/14
【出版社からの内容紹介】
科学とのつきあい方がようやくわかる!
たまたま耳にした最新の科学ニュースについて、説明を聞いても全然わかった気がしない…。
そもそも科学はどうしてこんなにわかりにくいのだろう…。
そんな素朴な疑問に本書がずばり答えます。

【特徴】
 「科学とは、完成された知の体系ではなく、一つの方法論だ」という観点から、科学の本質に迫ろうとする著作です。科学はどんなときに誤りを犯すのか。また、さまざまな誤りを犯してきたにもかかわらず、科学者たちが科学に対する信頼を失わないのはなぜか。こうした点について、具体的な事例に基づいて考察します。
量子論はなぜわかりにくいのか 量子論はなぜわかりにくいのか
   「粒子と波動の二重性」の謎を解く (知の扉)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
1,706円
単行本(ソフトカバー): 208ページ
発売日: 2017/4/13
【特徴】
 現行の量子論がひどくわかりにくいのは、物理現象を具体的にイメージすることを禁じるハイゼンベルク流の方法論が、広く採用されているからです。しかし、この方法論が絶対的だとは限りません。本書では、「閉じ込められた波が定在波を形成することで量子が生じる」というシュレディンガー流の描像を採用し、量子論的な現象についての具体的なイメージを作り上げることを目指します。
宇宙に「終わり」はあるのか 「宇宙に「終わり」はあるのか
   最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで
   (ブルーバックス)

(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価980円(税別)
新書判/288ページ
発売日 : 2017/02/14
【出版社からの内容紹介】
今から138億年前、宇宙はビッグバンで生まれた。実は「138億年」の時の流れは、宇宙にとってはほんの一瞬だ。宇宙は、人類誕生までの138億年を序盤のごく一部として含み、この先少なくとも「10の100乗年」に及ぶ、想像を絶する未来を有する。そんな遠大な未来に、宇宙は「終わり」を迎えるのか? 答えは本書にある。宇宙に流れる「10の100乗年」の時間を眺め、人類の時間感覚とは全く異なる壮大な視点に立つ。
【特徴】
 宇宙全史を通観する試みです。138億年前、「整然としたビッグバン」から始まったこの宇宙は、誕生直後の短い間、拡散と凝集のせめぎ合いの中で複雑な構造が形成され生命の発生に至ったものの、次第に構造が崩れていきます。やがて全ての恒星が燃え尽き、暗闇の中で長時間が過ぎるうちに、銀河システムは崩壊し、ブラックホールと漂流天体だけの世界になります。さらに、人間の想像力を越えるような時間が経過すると、物質が消滅しブラックホールも蒸発して、ついには、何も起きない状態−−宇宙の終焉が訪れます。
完全独習相対性理論 「完全独習相対性理論 (KS物理専門書)」
(→Amazonの該当ページへ

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価3,600円(税別)
ソフトカバー/279ページ
発売日 : 2016/4/7
【出版社からの内容紹介】
重力とは何か?時空はなぜ歪むのか?高校物理レベルの知識だけを前提として読めるように、気鋭の著者が工夫をこらして解説した。特殊相対性理論から一般相対性理論まで、この壮大な知の体系を一冊で学びつくす独習書。

【特徴】
soryusi.jpg 「素粒子論はなぜわかりにくいのか」

吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価1,659円(本体1,580円)
四六判/208ページ
発売日 : 2013/12/05
ISBNコード : 978-4-7741-6131-0
【出版社からの内容紹介】
ようやくあなたの素粒子に対するイメージが具体的になる!

【特徴】
shoei.gif 「明解 量子宇宙論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社
定価 3,990円(税込)(←高くて本当にすみません)
発売日 : 2013/03/30
ISBNコード : 978-4-06-153285-4
【出版社からの内容紹介】
宇宙の謎に迫る現代の物理学。最新理論が予言する壮大な宇宙モデルは、どこまで正しいのか? どのような観測で検証できるのか? 急速に発展を続ける量子宇宙論を、最低限の予備知識をもとに、わかりやすく説き明かす。

【特徴】
tosho4.gif 「明解 量子重力理論入門」

吉 田 伸 夫 著
講談社(講談社サイエンティフィク)
定価 3,150 円(税込)
発売日 : 2011/07/25
ISBNコード : 978-4-06-153275-5
【出版社からの内容紹介】
なぜ重力の量子化が困難なのか? 量子重力理論は,何を解決しようとしているのか? ループ量子重力理論とは,超ひも理論とは,どのような理論なのか? 学部学生程度の物理学から出発し,量子重力理論という最先端へ読者をいざなう.専門書を読む前の,はじめの一歩に最適な入門書.

【特徴】
スキャナー画像 「思考の飛躍 アインシュタインの頭脳

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2010/05/25
ISBNコード : 978-4-10-603660-6
【出版社からの内容紹介】
光量子論、ブラウン運動、特殊相対論、一般相対論……。20世紀の初頭にアインシュタインはなぜ、かくも革命的な理論を次々と構築できたのか。そして後年、量子力学を執拗に批判し、統一場の理論を夢見つづけたのはなぜか。光と重力と四次元を解き明かし、物理学の世界を一変させた天才の頭脳。その発想法と思考術の秘密に迫る。

【特徴】
書籍スキャナー画像 「日本人とナノエレクトロニクス 世界をリードする半導体技術のすべて
吉 田 伸 夫 著
技術評論社
定価 1,554 円(税込) (←少し高いという声もありますが)
発売日 : 2009/12
ISBNコード : 978-4-7741-4038-4
【内容紹介】
◇本書のことが、「日経サイエンス」の「森山和道の読書日記」(2010年3月号p.122)で紹介されています。
今度はスキャナーを使いました 「光の場、電子の海 量子場理論への道
吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,260 円(税込)
発売日 : 2008/10/25
ISBN-10 : 4106036223
【内容紹介】
わざわざ自分でデジカメ撮影した画像 「宇宙に果てはあるか」

吉 田 伸 夫 著
新潮社(新潮選書)
定価 1,155 円(税込)
発売日 : 2007/01/25
JAN/ISBNコード : 4106035766
【出版社からの内容紹介】
始まりは? 大きさは? ブラックホールとは? アインシュタインからホーキングまで、宇宙をめぐる12の謎に挑んだ科学者たちの思考のプロセスをたどる。

【特徴】
separate.gif
このページについて
◆「閲読上の注意」と「制作者からの告知」は内容が古くなったので削除しました
◎ このページへのリンクは自由ですが、できるだけトップページ (index.htm) にリンクを張って下さい。
◎ ご意見・ご質問は、 yoshida@js5.so-net.ne.jp  までメールをお願いします。

separate.gif
この世界についての仮説
(同じ著者による独立したページ)

©Nobuo YOSHIDA