鍋石さん( 長与町岡郷佐敷川内)

 昔,岡郷の毘沙門神社のふもとに,七兵衛とサヨという働き者の夫婦が住んでいました。急な坂道が続く山々を開墾しては大豆やいもなどを作って,暮らしをたてていました。
 ある日,神社の御神木をあやまって切り倒してしまいました。その晩から七兵衛は体中がかゆくてたまらず,熱が出て三日三晩寝込んでしまいました。「ハゼの木のたたりじゃなかろうか」と思い「似たような木を祀れば治るかもしれん」と大ハゼの木を捜し廻りとうとう見つけ出しました。その木の横に鍋の様な大きな石があり,真ん中のくぼみには水がいっぱいたまっており,その水で,かゆい体を洗い清めたところ,あっという間になおってしまいました。お礼に七色菓子と豆腐をお供えして鍋のような大石とハゼの木をお祭りしたということです。
 今でも,真夏でも枯れることなくその水が皮膚病によく効くと言い伝えられ,五島や平戸・大村・長崎からはもとより全国からもお参りされております。治ったお礼には七色菓子(ビスケット等)と豆腐12丁(12に切ったものでもよい)をお供えする人の姿が見られます。  (長与町むかし話より)