石灰藻化石の露頭
               場所:七釜鍾乳洞より北東へ造成中の新道路沿い
                  地層:西彼杵層群蛎浦層上部
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 七釜鍾乳洞は,石灰藻化石を多く含む石灰質の部
分にできたものである。

 石灰岩地域にはカレンフェルド,ドリ−ネなどのカルスト地形が見られ,地下の鍾乳洞には鍾乳石や石筍がある。これは雨水や地下水中に含まれているCO2 がとけて炭酸(HCO)になり,この炭酸が石灰岩を溶解するためである。地下水はCOを多く含むので溶解作用が大きい。石灰岩の不純物は溶け残って残留粘土になる。この残留粘土が赤いのは水酸化鉄を含むためである。

sekkaisou02.jpg (165786 バイト)  この切り取り崖は,最下部にれき岩(1m弱),次に砂岩(1mぐらい),そして上まで石灰藻化石が層状になっている。
 れき岩をつくるれきは,セキエイ,緑色片岩,黒色片岩がほとんどで,西彼杵半島を構成する長崎変成岩類が起源である。
sekkaisou03.jpg (165496 バイト)  れきを核として,表面に石灰藻が幾重にも重なって成長している様子を観察できます。
 
sekkaisou04.jpg (174429 バイト)  石灰藻という名称は生態学的名称で,分類学的名称ではない。
 藻類には緑藻・褐藻・紅藻の3つがあり,石灰藻は緑藻・紅藻に含まれ,褐藻の中にはない。
 この七釜の石灰藻化石には,紅藻のサンゴモ科サビ科イシモ(Lithothamnium)が多いのではないかといわれています。正確には,薄片をつくり,顕微鏡で観察しなければわかりません。
 紅藻の中のサンゴモ科は,水深40〜60m,塩分濃度27〜30%のきれいな海に生息している。
 
sekkaisou05.jpg (155419 バイト)  石灰藻とサンゴは共通の生態条件をもっており,普通両者は共存する。七釜の石灰藻石灰岩のように,サンゴを混ぜないで一つのものが集まっている例は他にない。大変特殊な環境下にできたのではないかと考えられる。学術的に非常に価値がある。ぜひ,この露頭を保存して欲しいです。