長崎市茂木町の植物化石層(長崎市茂木町片岡,昭和54年7月27日県指定)
 長崎火山活動の初期の頃(約550万年前)に,噴火で出た軽石や火山灰にまじって,湖底に流されてきた植物の葉などが固まってできた地層です。
 日本の新生代の植物化石の最初の記録となって国際的にも有名です。昭和54年7月27日に県の天然記念物に指定されました。
 私が中学生の頃(30年前)は,この付近は海岸でした。今は,埋め立てられ住宅街になっています。当時は,この崖の左側部分から多くの植物化石を採集しました。
 長崎火山活動の初期に,火山灰や軽石などを多量に放出しました。この時期に小さな湖ができ,この中に植物の葉などが流れてきてたい積してできました。  当時は,崖の地層からブナなどの葉の化石を採集できましたが,現在は県の天然記念物に指定されていて,ここからの採集はできません。
 明治12年(1879年)に,ユ−ラシア大陸沿岸の航海を終え,長崎に入港したスウェ−デンの探検隊長ノルデンショルドが,ここから大量の化石を持ち帰りました。
 茂木で採集された植物化石は,当時の古植物の世界的権威であった化石学者ナトホルストによって研究され,論文にして発表されました。
 これがわが国の新生代の植物化石の最初の記録となりました。
 上の写真の植物化石層の延長部分です。地層が横に広がっていることがわかります。この崖の白色の部分(凝灰岩・泥岩)にも,植物の葉の化石が含まれます。金網の下に落ちている泥岩は採集できますが,崖をたたくことは危険なためできません。
 また,対岸の北浦町の海岸にも,この植物化石層の上位にくる凝灰岩層があり,植物化石を含んでいます。
 茂木植物化石層に多く含まれるブナの葉の化石です。
 ブナは温帯の山地に生え,高さ約30mになります。この他には,おもに被子植物の葉の化石が含まれていて,31科40属52種の植物が確認されています。