新ラジオ用語辞典


真空管ラジオ修復に出てくる用語を解説します。多少の間違いはご容赦!

<あ行>

 *アース
  接地線のこと。地中へ金属板等を埋めて接続する。
 *安定抵抗管
  放送局型弟123号受信機などで、電源電圧が変動しても、ヒーターに流れる電流を一定にする働きをする、電球の様なフィラメントだけの真空管。(B−37、B−49など)
 *エミ減
  エミッション減少の略で、真空管の熱電子放出が寿命により低下した状態を表す。
 *エリミネーター
  昭和初期に、それまでの電池式のラジオに代わって、電源を電灯線から取れる様になった交流式ラジオの総称。
 *オート・トランス
  電源トランスなどで、1次巻線を2次巻線の一部として使ってある、単巻きトランスの事。トランスレスラジオと同じく、シャーシーに手を触れると感電の危険性がある。
 *オール・ウエーブ・ラジオ(受信機)
  短波放送が解禁された頃、短波放送も受信できるラジオの総称。

<か行>

 *カセドラル型(ラジオ)
  ラジオの形が、てっぺんが丸い形の縦型ラジオ。昭和10年頃に流行った形で、現在は貴重で大変人気がある。
 *カソード
  真空管の陰極。ヒーターで熱せられて、熱電子を放出する電極。
 *カップリング・コンデンサー
  結合コンデンサー参照。
 *ガリ
  音量調整のボリュームなどが、接触不良で回すとスピーカーからガリガリいう音が出る状態。
 *局部発振
  スーパー・ヘテロダイン受信機などで、周波数を変換する為に、ラジオ内部で発振させる仕組み。一般的に受信周波数+中間周波数で発振している。
 *空中線
  アンテナのこと。放送局の電波を捕らえる空中に張る線のこと。
 *グリッド
  真空管で、カソードとプレートの間にある、格子状の電極で、電子の流れを制御する電極。
 *検波
  受信した電波を音声電流に復調すること。
 *検波管
  上記検波の働きをする真空管。グリット検波やプレート検波などがある。(6AV6,6Z−DH3Aなど)
 *結合コンデンサー
  カップリング・コンデンサーとも言われ、次の増幅段へ交流信号のみを伝える働きのコンデンサー。
 *ケミコン
  ケミカル・コンデンサーの略。電解コンデンサーのこと。比較的大容量で電源の平滑回路などに使われる。極性が有るので注意!下手すると爆発する!
 *高一(ラジオ)
  高周波増幅段が1段あるラジオのこと。
 *鉱石検波器
  ある種類の鉱石の性質を用いて、検波に使用するもの。
 *高周波
  一般にラジオの電波などの、周波数の高い電波。
 *高周波増幅管
  上記高周波(電波)を増幅する働きの真空管。(6BA6,UZ−6D6、12Z−V1など)
 *コントロール・グリッド
  制御グリッドとも言う。電子の流れをコントロールする電極で、一般的に増幅する信号の入り口。

<さ行>

 *再生検波
  高周波電流を、音声を取り出せる低周波電流に検波する段階で、その一部を増幅の入力側に戻して、更に増幅する事で、利得を稼ぐ検波方法で、日本では戦前のラジオでよく使われた。
 *再生バリコン
  上記再生検波で、増幅段に戻す量を可変させるバリコンのこと。豆コンとも言う。再生調整に使われる。
 *サプレッサー・グリッド
  抑制グリッドとも言われ、プレートからはじき出された二次電子をとらえる働きをする電極で、一般的にいちばんプレートに近いグリッド電極。
 *シールド
  遮蔽(しゃへい)板の事で、電気や磁気の影響から、真空管や信号線を守る働きをする物。
 *遮蔽(しゃへい)グリッド
  スクリーン・グリッド参照。
 *周波数変換管
  5球スーパー受信機などで、受信した電波を一度中間周波数に変える働きの真空管。(6BE6,6W−C5など)
 *真空管
  電球の様な、真空のガラスの容器の中に、ヒーター・カソード・グリッド・プレートなどの電極を設置し、熱電子の流れを制御する事で、増幅作用を得る部品。
 *ストレート・ラジオ(受信機)
  周波数変換しないで、受信した周波数をそのまま検波&増幅するラジオ。戦前の並三・並四・高一ラジオなどがそれにあたる。
 *スクリーン・グリッド
  遮蔽グリッドとも言われ、コントロールグリッドとプレートの間に入れられ、電子の通過を助ける働きのグリッド電極。
 *スーパー・ヘテロダイン(受信機)
  受信した電波の周波数を、一度中間周波数と言われる周波数に変換してから、増幅・検波を行う方式のラジオで、一般的に感度や分離が良い。これに対し、周波数を変換しないラジオはストレート・ラジオと呼ばれる。
 *制御グリッド
  コントロール・グリッド参照。
 *整流管
  2極管で、交流を直流に変える働きをする真空管。(6X4,5M−K9,KX−80,KX−12Fなど)
 *セレン整流器
  半導体が出始めた頃、セレンを用いた整流素子で、3バンドトランスレスラジオなどに整流管の代わりとして使われた。

<た行>

 *チョークコイル
  交流成分を通りにくくし、直流成分のみを良く通過させる事を目的にした、巻線(コイル)のこと。
 *中間周波数
  スーパー・ヘテロダイン受信機などで、受信した周波数を一度変換する周波数の事で、一般的に455KHzである。(戦前では463KHz他もあった。)IFとも言う。
 *中間周波数増幅管
  上記中間周波数を増幅する働きの真空管。(6BA6,UZ−6D6など)
 *直熱管
  カソードが無く、フィラメントから直接熱電子を放出する真空管。(KX−12F,UX−12A、UY−47B、UX−26など)
 *低周波
  一般的に可聴周波数帯域の事で、20Hz〜20KHzの周波数。音声電流とも言う。
 *低周波増幅管
  上記周波数帯を増幅する働きの真空管。(6AV6,6Z−DH3A、UY−76など)
 *電力増幅管
  出力管とも言う。低周波電流を、スピーカーを鳴らすだけの電力に増幅する働きの真空管。(6AR5,UZ−42,6Z−P1など)
 *トランス・レス(ラジオ)
  高価で重たい電源トランスを省略したラジオ。戦時中は省資源の目的で製造された放送局型弟123号受信機などが有名。戦後はmT管ラジオで一般的。

<な行>

 *ナス管
  T管とも呼ばれ、真空管の初期に、電球(ナス)の形をした真空管で、一般的に品番は3桁の数字。(UY−227,UX−226,UX−112A,KX−112Bなど)
 *並三(ラジオ)
  並の3本の真空管を用いたラジオの総称。高周波増幅段はなく、すべて低周波増幅のストレート受信機で、戦前のラジオの代表である。
 *並四(ラジオ)
  並の4本の真空管を用いたラジオの総称。高周波増幅段はなく、すべて低周波増幅のストレート受信機で、戦前のラジオの代表である。

<は行>

 *バイアス(電圧)
  真空管の動作などを効率良くするために印可する直流電圧。
 *パディング・コンデンサー
  スーパー・ヘテロダイン受信機などで、局部発振周波数を調整するための、トリマ・コンデンサー(可変容量)の事。
 *パーマネント・スピーカー
  永久磁石を用いて、励磁コイルを用いなくても使用出来るスピーカーの事で、現在のダイナミックスピーカーの先祖。
 *バリコン
  バリアブル・コンデンサーの略で、同調回路等に用いる、受信周波数を合わせて同調を取る可変容量コンデンサーの事。
 *ヒーター
  傍熱管で、カソードを暖めて、熱電子を放出させる為の電極。
 *フィラメント
  直熱管で、自身で発熱し、直接熱電子を放出する電極。
 *フィールド・コイル
  スピーカーで、励磁して電磁石を作る為のコイル。
 *フィールド・ダイナミック・スピーカー
  上記フィールド・コイルによって電磁石を作って音を出す古いタイプのスピーカー。昔は強力な永久磁石を作るのが難しかったので、この方式だった。
 *プレート
  真空管の陽極で、熱電子を受け取り、増幅された信号を取り出す一番外側の電極。
 *ペーパー・コンデンサー
  誘電体に紙を用いたコンデンサーで、紙が吸湿して絶縁不良が起こり易いので、必ず交換しましょう!
 *ペトロード
  4極管の事であるが、問題があってあまり使われなかった。
 *ペントード
  5極管の事で、性能が良く、発売当時は画期的真空管であった。
 *傍熱管(ぼうねつかん)
  ヒーターにより、カソードを熱する事で、熱電子を放出させる真空管。(6BA6,6AR5,5M−K9,KX−80Kなど)

<ま行>

 *マイカ・コンデンサー
  誘電体に雲母を用いたコンデンサーで、比較的小容量である。
 *マグネチックスピーカー
  戦前のラジオなどに良く使われたスピーカーで、構造が簡単で、感度がいいが、コイルが切れている物が多い。現在では使われていない。音はあまり良くなく、独特な音である。
 *マジックアイ
  同調指示管ともよばれ、ラジオの同調の最良点を示す、緑に光るインジケーター。寿命が短く、現在新品は大変貴重で高価。
 *ミゼット型(ラジオ)
  ラジオの形が、縦長型で四角い形のラジオ。昭和10年頃に流行った形で人気がある。

<や行>

 *抑制グリッド
  サプレッサー・グリッド参照。

<ら行>

 *ラッパ型スピーカー
  昭和初期の受信機に用いられた、朝顔型のラッパが付いたスピーカー。
 *レス機(ラジオ)
  トランス・レス受信機のこと。
 *レフレックス・ラジオ
  初期の受信機で、1本の真空管を高周波増幅と低周波増幅の2度使用して、増幅率を稼ぐ回路方式であるが、発振し易く不安定なので現在はあまり用いられない。

<わ行>

  (なし)

<アルファベット>

 *A電源
  ヒーターを点火するための電源のこと。
 *AFC
  Audio Frequency Chokの略で、電源の平滑回路などに用いられる。
 *AFT
  Audio Frequency Transformerの略で、段間トランス・低周波トランスなどとも呼ばれ、低周波信号を次の増幅段に伝達する役割をもつ。
 *AVC
  Automatic Volume Controllの略で、戦前のストレート受信機などは、入ってくる電波の強さによって音量も変わったが、5球スーパーなどではこの回路のおかげで電波の強さで音量が変化しない。
 *AVC電圧
  初段のIFTのF端子とGND間の電圧で、通常は負の電圧です。入ってくる電波の強さによって音量が変わらない様にIF段のゲインをコントロールする電圧で、この電圧によってマジックアイの陰の閉じ方が変化します。
 *B電源
  プレート回路に供給する電源の事で、高圧電源である。
 *C電源
  グリッド回路に供給する負のバイアス電源の事で、電池式ラジオで用いられた。
 *GT管
  ST管を進化させた物であるが、日本ではあまり普及せずにすぐにmT管へと進化した。
 *IF
  Intermediate Frequencyの略で、中間周波数の事。
 *IFT
  Intermediate Frequency Transformerの略で、スーパー・ヘテロダイン受信機で中間周波数を次段へ伝達させる高周波トランスのこと。
 *mT管
  最も新しい小型の真空管で、現在でも新品も多く、比較的安価である。
 *PT
  Power Transformerの略で、電源トランスのこと。
 *RFC
  Radio Frequency Chokの略で、高周波電流の通過を妨げる働きを持ち、再生検波回路などに用いられた小型のコイル。
 *ST管
  戦前から戦後直後の真空管で、ダルマ型で大きな真空管である。現在でも人気が高く入手も可能であるが、戦前の真空管は貴重で高価である。

ラジオの歴史は、ラジオ歴史館を参照ください。