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一般に広く普及している砂濾過などでは、通常下向流濾過が採用されていますが、この場合砂粒は、図1のように濾層上部の径の細かいもの(淡黒色部)から、連続的に濾層下部の径の大きいもの(黒色部)へと
変化し成層しています。
このため水中の懸濁物は濾層表面で濾過される(表面濾過、表層濾過)ことになります。しかし、理想的にはこの逆の大きい濾材粒層から下に向かって細かい濾材粒へと濾層が形成される逆粒度構成が望ましいわけです。
理由は、大きい懸濁物から小さい懸濁物へと理想的な形で濾過が行われれ、 しかも濾層表面ばかりではなく濾層内部でも濾過が行われるからです。したがって、濾過時間が長くなり濾過の効率がよくなります。このような濾過を、表面濾過に対し体積濾過(深層濾過)と称します。また、ディプスフィルトレーション(depth filtration)と英語名でそのまま使われることもあります。
しかし、実際には比重の関係から同一濾材で逆粒度構成はできないので、比重の異なる濾材を利用して粒径の大きいものから小さいも
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上向流濾過:
単濾層を下層部から上層部へと通水する方法です。濾層は下層から上層に向かって成層されているわけですから、上向流濾過は体積濾過になるわけです。この方法では流速が大きくな
るにつれ濾材が浮き上がって濾層が膨張し濾過の精度が落ちますから、これを防ぐための機構を上層部に置くなどして対応しています。しかし、機構が複雑になるため複層濾過に比較しあまり普及していません。
直接濾過法:
直接濾過法は、それまでの急速濾過システムにおける凝集沈殿技術中心の傾向とは逆に、凝集沈殿池の簡略化、あるいは条件によってはそれを省いてしまうこと
を目的にしているので、当時としては画期的な方法でした。
この方法は、凝集剤を濾過装置の前に注入し微細フロック(マイクロフロック)化した後すぐに濾過する方法で、濾層中の攪拌凝集作用により懸濁物を濾過するようにしたもので
す。また、マイクロフロック法とも称されます。濁度が低く凝集沈殿装置を省きたいときなどに利用され、複層濾過と組合わせて用いられのが普通です。
[2] 濾過の高速化
昭和40年代は複層濾過や直接濾過の出現で濾過時間が大幅に増加したばかりでなく、工業用水を中心に濾過速度を早くする試みも多くなり、現在、複層濾過で10〜15m/hなどは普通の速度となっています。また、上水道で
も二層濾過(アンスラサイト-砂)では10m/h以下は標準的な速度です。
さて最近、アメリカの水道ではアンスラサイトによる※深層濾過が普及しています。
1970年代のアメリカの水道では、下記のような重力式の標準的な二層濾過が最も一般的でした。
このアンスラサイト深層濾過には、単層の場合と下部に砂層を置く場合とがありますが、砂層がある場合は一種の二層濾過といえるでしょう。アンスラサイト深層濾過は、通常、
直接濾過を適用する場合が多いようです。
濾過速度は15m/hが一応の標準ですが、それより速いものもあり32.5m/hの場合もあると報告されています。このように深層濾過は二層濾過に比較し濾過速度が速いばかりでなく、処理水質も遜色なく濾過継続時間が長いので好評を博し
普及するようになりました。
さらに将来粒状活性炭(GAC)処理が必要になった場合、アンスラサイトをGACに置き換えることが容易であると言うことも大きな利点の一つになっています。(03.3.15)
※参考 S.Kawamura.Optimisation of basic water-treatment
processes--design and operation:sedimentation and filtration.Aqua Vol.45,
No.3,1996.