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すでに【17】電気を通さない純水を電解するなどで述べたとおり、イオン交換樹脂には、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂があります。陽イオン交換樹脂には酸型(H型)と塩型(Na型)があり、陰イオン交換樹脂には塩基型(OH型)と塩型(Cl型)があ
ります。
これらのイオン交換樹脂は母体が水に不溶の固体粒状の高分子重合体であり、水中で電離して、それぞれ酸、アルカリやその塩としての性質を示します。
また、湿潤状態のとき電気をよく通すことから、
固体高分子電解質(Solid Polymer Electrolyte:SPE)とも言われています。
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イオン交換樹脂は、それが酸性基を持つか塩基性基を持つかによって陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とに分けられます。また、陽イオン交換樹脂は強酸性型と弱酸性型に、陰イオン交換樹脂は強塩基性型と弱塩基性型に分けられます。強塩基性イオン交換樹脂は、さらにT型
(U型よりも塩基度がやや高い)とU型に分けられます。また、T型はU型より化学的に安定であり、交換吸着する力(イオンの選択性)が強いと言う特徴があります。T型を最強塩基性陰イオン交換樹脂と言うこともあります。
したがって、
酸性度の強いH型強酸性陽イオン交換樹脂は、水に溶けない固体粒状の強い酸であると言えますし、OH型の陰イオン交換樹脂は水に溶けない
固体粒状のアルカリであるとも言えます。
[1]イオン交換樹脂母体の構造
ここでイオン交換樹脂の母体の構造について簡単に触れておきます。
イオン交換樹脂の球形粒子は、樹脂母体の表面或いは内部に、母体に固定している無数のイオン交換基(固定イオン)を持ち、交換される可動性のイオン
(対立イオン)とイオン結合をしています。
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代表的なスチレン系のイオン交換樹脂を例にとってイオン交換樹脂の構造を見てみましょう。
左の式に示すように、スチレンとジビニルベンゼンを混合して共重合させると、スチレンが重合したポリスチレンの長鎖分子間にジビニルベンゼンが橋を架けた状態になり
ます。
この構造は平面的なものではなく、上下左右のポリスチレンの長鎖分子間にジビニルベンゼンの橋が架かった三次元的な網目構造を持つものであり、これが樹脂母体の骨格をなしています。
更に、これに濃硫酸を作用させスルフォン化することによりスチレン系陽イオン交換樹脂が出来ます。
水はこの網目を通って自由にイオン交換樹脂の内部に到達することがきます。
※.ジビニルベンゼンの橋の数が多くなればなるほど、密度の高い網目状の立体構造になります。
ジビニルベンゼンのような役割を果たすものを架橋剤と言い、架橋剤の混合割合、すなわち橋の架かる割合を架橋度と呼びます。
[2]イオン交換の三つの基本
さて、イオン交換樹脂が水中のイオンを吸着除去する能力はどのくらいあるのでしょうか。この問題に入る前にイオン交換の三つの基本に
ついて、まず述べることにします。
@.イオン交換樹脂で水中のイオンを吸着除去したとき、吸着されたイオンの代わりにそれまで樹脂中に存在した同符号の別のイオンが必ず樹脂から出てきます。
イオン交換樹脂が陽イオンA+を吸着した場合は、それまで樹脂に吸着されていた陽イオンB+が樹脂から離れて出てきます。
イオンが樹脂から離れて出てくることをイオンの脱着といいます。AがもしA2+なら2B+が脱着します。
A.イオン交換樹脂がイオンを交換吸着する強さ(イオンの選択性)には、低濃度(一般の天然水や水道水程度の濃度)、常温では次のような順序があります。
強酸性陽イオン交換樹脂……Ca2+>Cu2+>Zn2+>Mg2+>K+>NH4+>Na+>
H+
強塩基性陰イオン交換樹脂……S042->I->N03->CrO42-
>Br->Cl->OH->F-
強酸性陽イオン交換樹脂におけるイオンの選択性はイオンの原子価が高いものほど強く、同じ原子価なら原子番号が大きいものほど強くなります。
B.交換吸着する強さの順を逆転させるには、順位の低いものの高濃度の溶液を使用します。
通常、5〜10%程度の濃度の溶液を使用します。能力の無くなった樹脂を再活性化させる、いわゆる『再生』にはこの手順を利用します。(04.11.12)