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■羽田に対抗 巻き返し図る成田空港

 羽田空港の国際定期便が32年ぶりに復活してから1年。年間発着枠の30万回拡大にこぎ着けた成田空港で巻き返しの動きが強まっている。格安航空会社を誘致して手薄なアジアの近距離路線網を強化する考えで、地元は羽田に奪われた客を取り戻そうと動いている。

 「旭川市と成田市は隣町になります」
 10月17日、北海道旭川市内のホテルにて。成田市観光協会などが旭川の観光協会などを招いた会合で、滝沢尚二会長はこう強調した。
 スカイマークが10月30日から就航させる成田-旭川便は1時間40分ほどかかるが、運賃は来年1月4日搭乗分までの期間限定ながら最安値で980円。冬場に空港周辺に20ヶ所程度あるゴルフ場でプレーしてもらい、客室の合計が7700を超える周辺のホテルに泊まってもらうというものだ。
 さらに、「東京ディズニーリゾートまで車で40分」、「成田スカイアクセスを利用すれば都心まで36分」などと強調。羽田を利用した場合と比べ、利便性で遜色がないと説明した。
羽田国際化前のホテルの主な利用客は、中国や台湾からの団体旅行客だった。
 国際化後、日本航空や全日本空輸が成田-台湾間を計5便から3便に減らし、羽田-台湾間は新規に計4便運航を始めたことなどから人の流れが変わった。
 都内のホテルが 2008年のリーマン・ショック以降、相次いで値下げしているため、かつて4千円ほどあった成田との宿泊料の差が縮小していることも団体客を羽田に流れやすくしている。旭川の会合に参加した成田のホテル関係者は「台湾に限定すると客数が4割減った」とぼやく。

 だが、押され気味に見えた成田は意外と健闘している。
2日から4日までベルリンで開かれた、世界の航空会社と空港会社が一堂に会す「ルーツ会議」では、「すぐに就航したい」と成田への就航に意欲を示す航空会社が相次いだ。
 「格安航空会社(LCC)を含め30社程度と話し合ったが、過去2回の会議を質が違い、具体的な話し合いが多かった」と、成田国際空港会社(NAA)は手応えを感じている。
 東アジアのハブ(拠点)空港として引き合いに出される仁川空港(韓国)と比べ、成田の北米便は倍以上だが、中国便は半分。発着枠に制約があった成田では中型機や大型機の使用が余儀なくされ、就航先は遠距離の主要都市中心だった。
 発着枠が拡大され、小型機を使った近距離路線も充実できる。NAAは成田に就航する可能性がある近距離線の都市は中国を中心に20以上あるとみている。
 外国航空会社のなかには羽田線を休止し、成田線を維持する動きも出ている。エア・カナダは羽田-バンクーバー線を当初予想より需要が下回るとして無期延期に。アメリカン航空やデルタ航空も、9月から一部運休している。
当初世界17都市と結ばれるとした羽田は14都市に減り、93都市の成田との差が広がった。
 成田に軸足を置く外国の主要航空会社は1日10〜30便程度運航しているが、国際線発着枠が6万回の羽田では1日1、2便しか就航できない。航空評論家の杉浦一機氏は「国土交通省は羽田の国際線枠を金の卵のように考えていたが、乗り継ぎが便利で枠が多い成田の強みを海外は意外に高く評価していた」とみている。

【2011.10.27 朝日新聞掲載】

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