ホームページへもどる

最強メイド

〜『マダムとミスター』のパロディ〜


written by リンムー de メイメイ

2000-06-18





「メリッサで〜す」
「ロージーで〜す」
「バーバラで〜す」
「「「わたしたち、ジョンストン邸でメイドやってま〜す。よろしくねー」」」


「……って、ねえ、いいの? かってに名乗っちゃって」
「仕方ないわよ。ここでかってに名乗らないと、わたしたち、永遠に名無しのゴンベーよ」
「そうよねー」
「しみじみと思うわ。わたしたち、確かに三人でメイドやってるのよねって。ときどき、誰かが欠けてるような気がすることあるし」
「そういうことを突っ込むのは失礼なんじゃない?」
「それもそうね」


「さて、今日はジョンストン邸でのメイドの仕事について、語り合いたいと思います」
「そうは言ってもうちって成り上がりだから。格式がなくて、楽といえば楽よね」
「まあ、グラハムさんがちょっと堅いけど」
「有能だから、許す」
「いい人だし」
「そういえば、ロージーは前、すっごい由緒正しいお屋敷にいたことがあるんでしょ?」
「いたわね」
「うちとくらべてどう?」
「それはもちろん、ジョンストン家が絶対楽しいっ!」
「まあ、言い切ったわねっ!」
「前はそうでもなかったけど、やっぱり奥様よ」
「「そうね!」」
「わたし、よそから引き抜きがあっても、あの奥様がいる限り、(こぶしを固めて)ここから出ないわっっ!!!」
「わたしも!」
「もちろんわたしも!」
「今度はどんな奥様のしくじりが見られるかと思うと――」
「「「もう、毎日が楽しくってっ」」」
「あははは……。……あ、誤解しないでね。わたしたち、奥様のこと、とっても好きなんだからね」
「そうそう」
「ときどき、尊敬することあるわ」
「度胸のよさとか?」
「あと、タフで前向きで、……」
「喧嘩が強くて潔い。っていったら、まるで男の人を誉めてるみたいね」
「さっきの失敗を次にはもうきれいさっぱり忘れられるところとか(笑)」
「確かにうらやましいわ」
「でも、案外本人はちゃんと憶えてるのかもよ。奥様って、律儀なとこあるじゃない」
「そうねー」
「律儀といえば、グラハムさんの右に出る人に、わたしは会ったことがないわ」
「グラハムさんは律儀よねー」
「毎日銀食器磨かないと夜眠れないって言うし」
「それで夜中に、1ま〜い、2ま〜い、って数えてる?」
「奥様がこっそり質に入れたりしたら大変だろうなー」
「(小声で)そういうこと、奥様に吹き込んじゃダメよ。あの人は思うだけじゃなくて実行する人なんだから」
「(口を押さえ)あ、そうね。気をつけるわ」
「でも、そうなったらそうなったで一騒動。と思うと、吹き込んでみたいって誘惑を……」
「……感じるわね……」
「でも、奥様だったら、豪快に銀食器全部一気に質屋行きじゃない?」
「あ、そうだわ。グラハムさん、数えるまでもないか」
「ところでさー、あんたたち、聞いた?」
「何を?」
「(とっても小さな声で)奥様とグラハムさんの仲」
「……え?」
「(さらに小声で)だから、あの二人、とっても仲がいいじゃない」
「いいけど……」
「法律上は親子だし」
「そうじゃなくて」
「……って、……」
「んー、わたし、そういう妖しい関係はないように思うけど。もしそうだったら、周りにばれないように気を使って、それでカンづかれるものよ」
「奥様って、隠し事苦手ってタイプみたいだし」
「……コック長が見たんだって」
「……」
「……」
「……」
「……ま、まさか……」
「本当」
「見間違いじゃない?」
「じゃあ、朝早く、いったい誰がグラハムさんの部屋から出てきたって言うのよ」
「……」
「……」
「……」
「「「(互いの顔を見やり)わたしじゃないわよ」」」
「残るは――」
「奥様かー」
「……」
「「「(立ち上がり)本人に直接訊いちゃお!」」」

 美味しい紅茶はそのまま冷めてしまった。
 楽しいジョンストン邸の午後でした。

【終わり】        





宇陀さま、16000HITおめでとうございます!
といいながら、昔書いたもので申し訳ありません。でも、これと引き替え(?)に、宇陀さんも「uda35版『最強メイド物語』」と、遠藤キャラクター総出演の「徳川埋蔵金を探せ」を書いてくださるとのことなので、ちらほらと化粧直しいたしました上、大喜びでお送りさせていただきました。



パロディ小説「最強メイド」