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2月5日に発売になりました新刊『心の家路』のページです。

『マダムとミスター』の第5巻以来、10ヶ月ぶりの遠藤先生の新刊です。

「さすがは遠藤先生」と、うなりたくなるような、泣きたくなるような5編が詰まっています。

中でも、表題になった「心の家路」は、間違いなくベスト5に入る名作だと思っています。

それでは、おこがましいですが、私の感想を書きます。
「家族ごっこ2(セカンド)」
 遠藤コミックの真骨頂、テレビドラマに出来そうな家族ストーリーです。
 主人公の一人、流(りゅう)が最初は、新しい家族にとまどいながら、流れに身を任せるように生きていたのが、後半から変わります。流が実の父親に向かって言った言葉は彼が主体的に生きていこうとする決意の現れと言えるでしょう。
 高大(たかひろ)は、19歳とは思えないほど大人です。「先生に呼び出されるのがうれしくて」耳にピアスをつけていたという子供っぽい心理からは想像がつきません。人の死が彼を成長させたんでしょう。
 海(うみ)ちゃんは、遠藤マンガの基本キャラクターの一人です。ちょっと生意気な口をきく幼稚園児は「グッナイ・ハニー」のシャーリーをより現実に近づけた感じのキャラです。

 

「1/2(にぶんのいち)ヒーロー」
 正直に言って、「あれ、これは、どこかで・・・」というようなシーンが多いのが第一印象でした。「違う!」と叫ぶところとか、花嫁が窓から飛び出そうとするところとか。
 双子の登場というところで思わず成田美名子先生の「CIPHER」を思い出してしまった。
 それよりも国立と花園の二人が荘子の事を真剣に心配しているのが妙にうれしかった。ラスト近くの「お嬢さん、本当にいいんですか?」「相手の男、つまんなそうな奴ですぜ」には、「おおっ」と心惹かれました。それとも、本当に相手の男がチョーダサイ(死語)奴とだったか。

 

「7月」
 夢は口にしたとたん、二者択一を迫ります。あきらめるか、努力するか。その中途半端な状況で揺れ動いているのがこのお話です。
 この物語は主人公二人とも努力して成功しているからいいのですが、片方が挫折していたりすると、なんだか救いようのないお話になってしまいます。
 「やさしくしてよ」と繰り返すのは、あの「エヴァ」(姫の方じゃない)の影響のような気がします。

 

「グッピー」
 二時間サスペンスドラマを遠藤風にアレンジした作品、なんていうと低く見ているようなことになってしまいますが、それを先回りしたようなギャグが遠藤ワールドに引き込んでくれます。
 主人公は大人っぽくなったのですが、中学校のことをまだ引きずっているのは遠藤ワールドゆえでしょう。一人で家にいるとき鍵を開けられそうになってパニックに陥っていた彼女が、犯人と対決したときには冷静に対処できていたのは、これも主人公の成長の現れでしょう。

 

「心の家路」
 これにはまいりました。正直言って、作品の人気投票をやり直した方がいいのかもしれないと思うほど感動した。
 最後の静かな1ページを読んだとき、じんと胸にこみ上げてくるものがありました。
 あと、主人公が麻薬で捕まった友人に「もしわたしに手を貸してほしい事があれば力になるよ」と言えるのは、アメリカ人ならでは、とも思ったが、この主人公も前よりは成長したと言うところでしょう。
 しかし、アメリカのヘアメイクってそんなにゲイが多いのかなあ。

 

まとめ
 全体を通してみると、主人公が作品の中で成長しているのがわかる。これは現代のマンガの特徴なのかもしれないが、この作品は短い中で主人公が無理なく成長しているのがよくわかる。
 そうしてストーリーに重点をおいたためだろうか、ギャグのキレが弱い。というかギャグが少ない。
 その成果は、感動となって自分の胸に押し寄せてくれるのだから、買って損はしない一冊です。

 それでは、あなたも、『心の家路』に関してたまりにたまったものを次のページで吐き出してください。次のページは、(『心の家路』に)「ひとこと言いたい」です。
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