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1月7日に発売になりました最新刊『ヘヴン』のページです。

『狼には気をつけて』の第1巻以来、2か月をおいての遠藤先生の新刊です。

「遠藤先生 新境地開拓」と、考えさせられる5編が詰まっています。ここで「おや」と思われた方もいるでしょう。目次には3編しか載っていないのですが、今回は雑誌に掲載せれた経緯もふまえて、「ヘヴン」は3部作と考え、5編とカウントしました。

遠藤先生の新しい世界にみなさんものめり込んで下さい。

それでは、おこがましいですが、私の感想を書きます。
「ヘヴン」(全体を通して)
 遠藤先生の新境地と感じる部分はテーマがこれまでと全く違うと言うことです。
 これまで、遠藤先生の描く世界は、人と人が結びついていこうとする、キャラクターが前向きに進んでいこうとする世界でした。
 たとえ技術が進歩した世界であっても、「月に火星人がいた」のように「(新しい)夢を見よう」と訴えかけていました。
 「ヘヴン」は遠藤先生の作品群の中で、はじめて「終末論」が語られた世界であり、そこがこれまでの作品とは一線を画しているのだと思います。
 「終末論」に関しては多くは触れませんが、映画で言うなら「マッドマックス」とか、マンガで言うなら「北斗の拳」など、世界観は通じるものがあります。同じ白泉社系で言うなら、樹なつみ先生の「OZ(オズ)」の世界観が近いものと思われます。
 「いつまで暴力と悪意はついてまわるのか」「いずれ世界は破滅する」「人間をやっていると辛いことばかりだ」
 こうしたセリフが遠藤ワールドで重みを増すのは、世界が一度危ない状況に近づいたという設定があるからです。それを裏付けるように、主人公マットは姉ホリーの前以外では一度も笑顔を見せません。
 「ヘヴン」はいままで遠藤先生が描いてきた作品に対する遠藤先生自身の問いかけ、もしくは挑戦なのかもしれません。

 

「ヘヴン 1」
 天国にいきたい、なんて書くと、「なにかあったのか」と心配される方もいらっしゃるでしょうが、ルーク(というアンドロイド)の製作者はそれを願っていました。マットがルークに向かって言ったように、「人間は人間を殺さない」ということを製作者の「彼」は判っていたのだと思います。
 判っていながら、ルークを作ってしまった「彼」は神にすがることしか思いつかなかったのかもしれません。
 マットに投げかけられた質問の答えはこのお話では用意されていませんでした。
 わたしも、その「答え」は書くことができません。最後まで人と人のつながりを信じるしかない、というのが、わたしの「見解」です。

 

「ヘヴン 2」
 「世界を滅ぼしたい」あるいは「世界が滅びる」と考えるのは、普通の人から見れば「異常」のレッテルを貼られることでしょう。
 中佐のセリフの「これからあなた達は知る事になる」というのは、普通のふりをして科学をもてあそんだ「異常」な大人たちに向けられたものです。
 そのセリフが次は形を変えてマットに向けられます。
 マットが最後に「中佐は大丈夫です」と言うセリフと、ホリーの「そんなことにはならないわ」というセリフが重なって、少しだけ救われた気がします。

 

「ヘヴン 3」
 ホリーとグレナンが同じ事を言っています。
「世界はすばらしいわ」「あの青空を見られただけでよかった」
 どちらも、死期が迫っているときに言われたものでした。
 「ヘヴン2」では立って歩いていたホリーが、このお話では最後までベッドの上でした。
 ホリーのセリフにグレナンのセリフが重なって、マットが涙するのは自然な成り行きと感じてしまいました。
 しかし、「ヘヴン」がこれで完結とは思いません。遠藤先生は解答を用意されているのかもしれませんし、問題提起をしただけで、解答は私たちが見つけなければいけないのかもしれません。
 次の遠藤先生の作品に期待しましょう。

 

「ストリート」
 「ヘヴン」よりも前に描かれた作品なので、いつもの遠藤ワールドが広がっています。(ちょっと安心)
 主人公、佳名が自分の言葉で一所懸命に立ち向かっていく姿に、すがすがしさを覚えます。
 しかし、「マダムとミスター」の5巻以降、ところどころに「現実」が忍び寄ってきています。
 最後には、商店街のみんなが一致団結して幕は下りるのですが、戸田直紀専務の「殉教者みたいだな。だけど無理だよ。あきらめなさい」というセリフが引っかかります。このあたりに、ヘヴンへ続くテーマが隠されていたのではないかと、思いました。

 

金物屋のルークくん
 遠藤先生は、ギャグを忘れた訳じゃないんだよ。ストーリーの都合上省いただけなんだよ。と言いたくなるような4コママンガが4本載ってます。
「テレビは明るい部屋で・・・」に、大爆笑してしまいました。
「すごく違うけどわかって」に対して一言。
 任天堂と書かれた帽子をかぶっているんですから、わかりますって。(って、つっこみをいれたーい!)

 それでは、あなたも、『ヘヴン』に関して感じたことを次のページで書き出してください。次のページは、「『ヘヴン』にひとこと」です。
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