蔵王
最終更新日 2011年4月19日
蔵王観光協会
KKR蔵王白銀荘
(1) 2010年6月30日(水)〜7月2日(金)
蔵王へ
6月30日から7月2日に、蔵王に行ってきました。KKR(公務員共済)白銀荘の高山植物観賞トレッキングプランに参加しました。
30日、空路で仙台へ。激しい雨、マツダ・レンタカーで真っ赤なデミオを借り蔵王温泉へ。この車、ナビやETCはついているのにラジオなし、こんなレンタカーははじめてだなあっとちょっと腹が立つ(ナビとAudioがセットだったようです。)。途中、山形市野草園による。大雨で入園者はTN&TNだけ、嬉しい反面、晴れていれば素晴らしいところなのにと悔しい。白銀荘の温泉は硫黄の臭いがする昔懐かしい温泉でした。食事は懐石風で飾り付けが楽しく美味しかった。朝食は漬け物がバイキング、これも楽しい。
1日、晴れ間が・・・、歓喜! 朝、例によって早起きなので「鴫の谷地沼(しぎのやちぬま)」を散策、ここでカケスの幼鳥に出逢い感激。9時にバスで出発、蔵王坊平高原−馬の背(お釜)−駒草平を散策し、コマクサとハクサンチドリを堪能、案内者のハクサンドリは雑草のように生えているという説明を実感、至る所にハクサンチドリが。なんという贅沢なツアーでしょう。2時半には宿に戻る。何となくまだ歩き足りないので盃湖の周辺を散策、ここでイチヤクソウの群生(まだ蕾)があり、その周りを見回すとクモキリソウが!
2日、大阪に戻る日なのですが前日の物足りなさを解消するため、エコーラインを通って蔵王越えで仙台空港へ。シロバナハクサンチドリ、ツマトリソウ、マイヅルソウ、サンカヨウ・・・・、そして最後に是非みたいと願っていたベニバナイチヤクソウ、初見です。やった!そのあとエコーラインはガスがかかり黄色の中央線を頼りに下山。
充実感のある2泊3日の旅でした。
今回のうれしかった出逢いトップ10です。
ベニバナイチヤクソウ

カケスの幼鳥

蔵王、お釜

ハクサンチドリ

シロバナハクサンチドリ

クモキリソウ

ミヤマオダマキ

サンカヨウ

コマクサ

ウラジロヨウラク

蔵王へ2
ツマトリソウ

ザオウアザミ

ミヤマヤナギ(ミネヤナギ)

マイヅルソウ

アカモノ(イワハゼ)

イワカガミ

マルバシモツケ

ガンコウラン

タカネザクラ(ミネザクラ)

コケモモ

山形市野草園など
6月30日 山形蔵王ICをでて山形市野草園を目指す。山形市の市街地を抜けるとすぐ山岳道路。ヤマボウシやマタタビ、イワガラミなどの最盛期。生憎の大雨で野草園の入場者は私たちだけ。森林、草原、池、湿地、ロックガーデンが配置された広々した敷地。蔓性のマタタビのトンネルがあり、花も満開。晴れていればもっとゆっくりしたいなと思いました。
ヤナギラン

オゼコウホネ

クガイソウ

ミヤマウグイスカグラ

トビシマカンゾウ

キンコウカ

「鴫の谷地沼(しぎのやちぬま)」
ヤグルマソウ

エゾアジサイ


右手にお釜、左の山は蔵王最高峰の熊野岳(1840m)

偽高山帯
最近、小泉武栄著の「日本の山はなぜ美しい」、「日本の山と高山植物」、「山の自然学」の三冊を暇があれば眺めている。地質−地形−高山植物の関係が理解出来るかもしれないという期待からである。今回の蔵王行きでは、結局、花に目を奪われ地形、地質をまったく忘れていた。しかし、今頃になって、どうだったかなと写真を見ながら妄想に耽っている。
高度約1500mで森林限界がはっきり分かった。針葉樹林帯は少ししかなかった。その上はまさに東北の山の偽高山帯であり、高山植物のお花畑が出現した。偽高山帯の成因は日本海に起因する冬の多雪と、冬期の日本列島の上空で合流するジェット気流による強風である。1月の上空(3000m?)の平均風速は秒速21mであり、前線が通過するときには秒速50mにも達する。→それがどうして?TNなりの意訳をすれば、偽高山帯ではびこるはずのハイマツを多雪と強風が阻止するために、高山植物が生きていける空き地が確保されていて、そこが偽高山帯になっている。そのメカニズムの説明は長くなりそうだが次のようなものである。常緑のハイマツは夏も冬も同じ形をしているが、冬場の凍結による細胞破壊を防ぐため、冬場は細胞内の水分をできるだけ減少させている。そうなると葉も枝も弾力性が乏しくなり物理的な破壊に極端に弱くなる。冬場、稜線部では強風に加えて、雪片が次々に衝突してくるため、雪の表面から顔を出したハイマツの枝葉は、削り取られてなくなってしまう。一方、稜線の東側や北側では、吹き溜まった雪が遅くまで残って残雪や雪渓をつくる。雪の下では光合成が出来ないので雪解けが遅れると、ハイマツは枯れてしまう。こうして強風地や残雪周辺ではハイマツが生育できないため、土地が空いて高山植物群落が分布することが可能になるのである。

蔵王から見えた飯豊山、まだ雪が・・・

ハイマツの花と実

ハイマツがが高山帯や偽高山帯で広く分布できるのはホシガラスのおかげ
ホシガラスは熟したハイマツの球果をくちばしでもぎとり、見晴らしのよい岩の上に運んで、そこでつついて食べるという。これがハイマツの種子の散布になっているらしい。
ハイマツの育たないところに高山植物が生育
というのは、そうかなと分かったような気になる。
しかし、針葉樹林帯がどうしてハイマツの下のこんな低いところでとどまっているのか?→小泉さんは、日本では岩塊斜面が針葉樹林の上昇を阻止しているという。そうなら蔵王では火山活動による溶岩層がこれに当たるのかな??→TNにはまだすっきりとはしない問題点。最新の学会での定説というのを「山の自然学」の解説をそのまま引用すると、『氷期の乾燥した気候のもと、東北日本の山地ではトウヒやヒメバラモミなどといったトウヒ属の樹木が繁栄していた。しかしこれらの樹木は後氷期の多雪化によって衰退し、その結果、針葉樹林はいったんほぼ滅亡してしまった。その後、4000年まえにいたって針葉樹林はシラビソなどモミ属の樹木を中心に復活している。しかし、日本海側多雪山地ではこれがなかなかうまくゆかず、多雪化した気候に適応したオオシラビソが拡大し得た山地でのみ針葉樹林が成立した。しかしオオシラビソが拡大できなかったところは針葉樹林が欠如したままで残り、そこが偽高山帯になった。』
高山荒原植物群落−コマクサ
小泉さんの本からTNが受けたイメージは砂礫地を好むだったが、蔵王で見たコマクサはTNのイメージよりもずっと粒径の大きい岩礫地を好むようであった。砂礫地に咲くものも下の写真のようにより大きな岩礫のそばにそっと咲くのが多い。


風衝矮低木群落−ガンコウランなど

残雪周辺には
高茎広葉草原、雪田植物群落、湿性草原があらわれる。

地質の違いによって植生が異なるというのは観察できなかった。蔵王は安山岩質の火山岩類ばかりなのでしかたがない。
気になったのは「お釜」の水は酸性が強く(pH3.5)生物は棲んでいないこと、さらに蔵王温泉は強酸性の硫黄泉、蔵王沢は酸性水を流し続け、蔵王火山の地下には広く硫化変質帯があり、丸山沢底には100℃をこえる硫気孔がいくつもあること。稜線一帯にはツアーの目印につけたリボンの色がお釜周辺でピンクから赤紫に変色したぐらい強い酸性の気体が漂っている。これは植生に何の影響もないはずがないのだが....?
花に目を奪われ他のことはまったく観察できていないので妄想としか言いようがないがいろいろ面白いことがありました。