春の城
投稿者:TN&TN
投稿日:2019年 2月11日(月)15時21分37秒
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雪がまい寒い。
2月10日は父の命日で、久しぶりに妹と一緒に墓参りした。2月は父の他に、義兄・前田利賢や高校以来の親友だった中西哲夫・小川卓三など身近な人達が多く亡くなっていて故人を偲ぶことが多い。
偶々、図書館で石牟礼道子の「完本 春の城」を見つけ借り出した。確か石牟礼も?と調べると、やはり昨年(2018年)2月10日に90歳で亡くなっていた。そして昨年の2月には
○「椿の海の記」石牟礼道子、河出書房新社、日本文学全集24 5〜246頁、2015年
○「水はみどろの宮」石牟礼道子、河出書房新社、日本文学全集24 247〜407頁、2015年
等を読んでいる。
「完本 春の城」、石牟礼 道子、藤原書店
四六上製 912ページ、刊行日: 2017/07、定価: 4,968円
半世紀をかけて完成した大河小説の完全版。畢生の大作!
天草生まれの著者が、十数年かけた徹底した取材調査ののち完成させた、天草・島原の乱を描いた最高傑作「春の城」。取材紀行文「草の道」、多彩な執筆陣による解説、地図、年表、登場人物紹介、系図、関係図を附した完全版!
[解説]田中優子・赤坂真理・町田康・鈴木一策
[対談]鶴見和子+石牟礼道子
(http://fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1551)
900頁を超える本、内容の濃い石牟礼の本、読み終わるのに10日もかかりました。取材紀行文、解説、対談が「春の城」の理解を助けてくれるのですが、私は「春の城」だけをじっくり何回も読みたいと思います。
(石牟礼独特の)詩のような方言で成り立つ登場人物の世界にすぐに引きずり込まれます。
ほとんどが百姓や漁師である三万七千の一揆勢で十二万もの徳川幕府の正規征討軍を相手に戦った「天草・島原の乱」とはいったいなんだったのかを、石牟礼の独特の感性で描ききっている。
殺したり殺されたり、自死も選ぶ人間って? 信仰とは? 民衆をここまで追い込む「権力」とは? いろいろ考え込まされる。
「天草・島原の乱」のことを書きたいと石牟礼が思ったのは、水俣病患者の苦境を訴えるために原因企業のチッソ本社前に座り込みをした時だという。チッソ幹部に水銀を飲ませるなら、自分も飲もう。そう死を覚悟したときの不思議と静謐な気持ちが、絶対に勝ち目のない一揆を起こさざるをえなかった人々に思いを寄せることとなったという。
この感覚を理解するのは今の私にはまだ難しい。
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