2004/12/23

「ひとりごと」

 

 「しばしば日記」は簡単な記録みたいなものです.高い頻度での更新はないと思いますが,住友雄資の「ひとりごと」を記しておきます.ここに書いてあることは,あくまでも住友個人がその時々で感じたことや思ったことの「ひとりごと」を勝手に記したものですから,その旨ご了解ください.


2004/12/23 Thu

 入来篤史(2004)『研究者人生双六講義』岩波書店を読む.大学院博士課程の院生向きに書かれたもので,研究者として堂々と生きるための心構えや原著論文の執筆方法などが記されている (でも,内容からみても,学部生でも読んでおいて悪い本ではないと思ったし,わかりやすく書かれているので,学部生でも十分読みこなせると思う).著者は神経生理学専攻の歯学博士であるので,自然科学系の研究者としてのありようや論文執筆・投稿法が記されていて,社会科学系といわれる社会福祉学も大いに学ばないといけない点がたくさんある.教科書を執筆するのは,研究者として大成してからという指摘には耳が痛い.また研究者有段資格として,まず「与えられたテーマを実験して結果を出せること」という初段から,「自分のテーマをみつけ仮説を立てられること」→「自分の名前で研究費を獲得できること」→「独創的な研究を着想遂行できること」→「研究領域で不可欠な人材となること」→「研究領域を代表して組織を率いること」→「独自の研究領域を提案し予算枠を獲得できること」→「国家の科学技術基本政策を策定遂行できること」という八段までの研究者人生双六を提案していることから考えることがいっぱいある.もちろん異論がある研究者もいるだろう.若干の違和感をもちつつも,この「あがり」のない双六を,研究者人生で何をもって自己実現したかとかいうように,志を高く持ちながら成長していく研究者でいたいなあと思ったものである.小一時間で読める程度の薄さの本だが,改めて研究者とは何かをいろいろと考える素材となった.

 

2004/12/9 Thu

 新たに研究に関する文献を見つけた.それは日本科学者会議編(2004)『GUIDEBOOK 研究の方法』リベルタ出版である.タイトルどおり,大学院修士課程でよい修士論文を書くためには,研究方法論を身につけることの重要性が記されている.「体験的研究方法論」という若い研究者の文章もあって,その苦労がわかる構成になっている.そんなに厚い本ではな い.

 

2004/10/20 Fri

 下記(2004/9/30)にかかわって,次の文献が役に立つのかなと思い,紹介する.

 それは小森陽一監修(2003)『研究する意味』東京図書である.タイトルにもあるように,11名の研究者がそれぞれの専門分野での研究する意味を述べたり,語ったりしている.これを読むと,私なんかは単純なので,頑張ろうとつい思ってしまう. 本書では社会福祉学そのものの研究者は執筆していないが,大学院生(それを目指す人も含む)に限らず,若い学生にも読んでもらいたいものだと思う.

 

2004/9/30 Thu

 「しばしば日記」の2004/9/20にも記しているが,今年度,初めて大学院修士課程の入試にかかわった.そこで感じたことを記してみたい.

 まず,受験する際には,ぜひ学部の延長戦ではないことを承知しておいて欲しい.なぜなら,修士課程では30単位を取得すれば,修士を得られるのではなく,きちんと修士論文を執筆するということなのだ.ただやりたいことを学ぶというだけではなく,修士論文をどう執筆するかについて,2〜3年間での具体的目標 や研究対象・内容・方法を設定するほうがよいだろう.

 そこで大事なのは,研究計画書の執筆である. 社会福祉学での話に限定してだが,久田則夫編(2003)『社会福祉の研究入門』中央法規が初歩段階でのよい参考文献になる.これを一読した方がよい. これに追加して,さらに深めようというなら,近接領域では,たとえば,井上・平山・金子編(1999)『看護における研究 第2版』日本看護協会出版会がいいかな.この二つの文献を読めば,およそ研究をおこなうことの基本的枠組も見えてくるし,修士課程の入試にチャレンジする意味もわかると思う.

 なお,論文執筆の方法については,斉藤孝(1988)『増補 学術論文の技法』 日本エディタースクール出版部がいいかな. これに加えて,初学者にはちょっと難しいかもしれないが,伊丹敬之(2001)『創造的論文の書き方』有斐閣がお薦め. 

 ただ,大学院に進学するには,事前に師事したい教員に相談するというのが無難だろう.著書や論文などではわからないその教員の個性などもみえてくるし,その教員の指導で修士論文を執筆していくのであるから ,そちらをお薦めする.上記で紹介した本などを読んで,大学院での研究計画を多少とも頭の中に描いた上で,出願前に相談し,チャンレンジすることをお薦めする.

 こんなことを感じたり,考えたりした.ちなみに,本学大学院の入試は,2005年2月にもう一度ある.