第十四回鬼平ゆかりの地巡りツアー その壱



○御茶ノ水駅集合〜○明治大学刑事博物館〜○山の上ホテル〜●地下鉄春日駅集合〜●源覚寺〜●伝通院〜●小石川後楽園〜●かねやす〜●本郷「萬盛庵」〜●赤門(旧加賀屋敷御守殿門)〜●湯島天神〜


平成14年11月16日の土曜日。8月末の屋形船以来の見廻りは,本郷〜小石川方面でございます。
すっかり晴れ上がったとはとても言えない曇り空ではありましたが,雨が降らなければ充分おっけー。仙台から出てきた与力には「さすがに東京は暖かいのぉ」と思われる気温だったのですが,お江戸の皆さんには寒い一日だったようでございます。
今回は,またまた二段階集合方式にて,午前中に「オプショナルツアー」を実施しました。オプションは「明治大学刑事博物館」の見学です。江戸時代からの捕り物具や捕り物資料,拷問具などが展示されているとのことで,火盗改メ密偵の興味にも火が点きます。というわけで博物館見学の方々は午前11時にJR御茶ノ水駅に第一次集合。
オプションにお集まり頂いたのは,与力たきざわに加え,本所のご隠居さん,飛び込みのおはるさん,浮き雲のおかんさん,伊佐寅さん,おたまさん,釣新・鈴木さん二名様,下野の木偶の坊さん,神楽純さん,入間川のしげさん,おちょうさん,成田屋お夏さん,つよやさん,仙台堀のおろくさん。ちょっと遅れましたがじゅうべいさんも駆けつけて下さいました。
例によって,年齢・性別・服装もバラバラな一団。煙草吸いの与力は「立ち煙草禁止条例」施行下の千代田区で嫌煙者からの壮絶な攻撃を浴びつつ(笑)最初の目的地に向かいます。


御茶ノ水駅から靖国通りに向かって歩きますと,右手に見えるは天空に向かってそびえ立つ明治大学リバティータワー。その手前にある「明治大学創立100周年記念大学会館」というところに今回のオプショナルツアーの目的地「刑事博物館」があります。
誰が呼んだか(おちょうさんかな?)当サイトでの通称は「拷問博物館」あるいは「拷博」(笑)以下「拷博」と省略させて頂きましょう。大学会館の入口で警備員さんに団体見学申請書を示して建物の中へ。エレベータで3階に上がりますと,左手が拷博です。
看板には「道具で知る江戸の捕りもの・拷問・刑罰の世界」と書かれています。期待に胸ふくらむ(笑)




明治大学刑事博物館所蔵

というわけで早速展示室内へ。
まず入って目に付くのが捕り物具。いきなり突棒・刺股・袖搦といった道具が目に飛び込んで来ます。展示室中央には捕り手の形をした板と一緒に展示されてまして,なかなかの凝りよう。
火付盗賊改メの捕り方も,こんな道具をめいめい手にして捕り物に出掛けていくのでしょうか。背景にはわっかを首にかけられて捕まえられる「いかにも悪そうな」お兄さんの絵が飾られています。




明治大学刑事博物館所蔵


その手前にはレプリカの十手が置かれているのですが,誰でも自由に手にとってみることが出来ます。重さを実感!思い切り頭を叩かれたら頭蓋骨割れると思います。十手の類は他にも展示品多数。色んな形がありますので,なかなか楽しめます。
中には木製の十手っていうのもありました。カギの部分だけは金属製ですが,本体はいかにも堅そうな木製。他には何かの角で作ったのでしょうか,呼び子笛も飾られていました。
・・・って言いながら右に目を転じますと・・・。



有名な「石抱き責め」をくらう黒いお人形さん。ちゃんと膝の下にはそろばん板が。両手を後ろに縛られて石を一枚乗せられた彼はいつから,そしていつまでこのまま責め続けられるのでしょうか。
隣に展示された絵では4枚もの石が乗せられて,相当ツライ表情。この黒いお人形さんは表情一つ変えずに耐えております。素晴らしい。


明治大学刑事博物館所蔵



明治大学刑事博物館所蔵

石抱き責めに耐えるお人形さんの裏側には何ていうのでしょう,大きな箱から首だけ出してノコギリで挽かれるという拷問具が。首の太さにぽっかり空けられた穴が恐ろしい。
更にその隣にはさらし首を置く台。首を置くところにずれたり風で飛ばされたりしないように大きな釘が出てまして,ここに首を刺す・・・と。
その台の後ろに控えているのは×印に交差された棒を持つ柱。真ん中あたりにちょこっと出ている板に「また」を乗せて両手両足を開いて縛られるわけですか・・・「磔の刑に処す!」という声が聞こえてきそうです。おぉ恐ろしい。密偵の中からも「痛そうだよぅ,コワイよぅ」という声が・・・(笑)




明治大学刑事博物館所蔵

ぐるりと回ると今度はギロチン。もちろんレプリカですが,刃の錆び具合といいリアルなことではありませんか。
有名な「ニュルンベルクの鉄の処女」まで展示されています。この恐ろしい微笑みをたたえた内側には太くて長い針がびっしりつまっています。この中に人を入れて両側から閉じていくと・・・ううむ,眠れなくなりそうです。


明治大学刑事博物館所蔵



明治大学刑事博物館所蔵


「徳川幕府刑事図譜」なる資料も展示されています。左側は磔。もー血みどろでございます。あいたたたたたたたた・・・。右は火あぶりですね,執行が終わった後のようで,罪人は既に真っ黒に炭化しちゃってます。
この博物館,資料類や過去の研究成果なども展示されているのですが,本当に興味深いところです。これだけ系統立てて捕り物・拷問などの刑事史を展示しているところって,なかなか無いのではないでしょうか。研究者の熱意が伝わります。これが無料で見学出来るのですから有り難いことですね。



展示室の奥には「鬼平」に関する記述も見られましたし,鬼平関連の展示も(ちょっとだけですが)ありました。毎日「アミューズ」や「歴史読本」で長谷川平蔵を取り上げた際の特集等が展示されてます。なぜか「鬼平糖」なるかりんとうも展示。実は一度食べたことがあるのですが,まぁ・・・好みかなぁ。大岡越前コーナーもアリ。
なお写真の掲載に関しては明治大学刑事博物館様より明博収第473-3号にて正規に掲載許可証を頂いたものです。当たり前ですが(笑)間違っても無断転載等しませんようお願い致します。


明治大学刑事博物館所蔵



photo by 伊佐寅さん

さて,見学を終えて外に出たのが12時前。な〜んとも妙な気分で(笑)大学の外に出ました。
当初は神保町まで歩いて地下鉄で正式集合地点まで向かう予定でしたが,思いの外に時間があまってしまった。とりあえず「水道橋まで歩こうか」とのことで,せっかくですのでリバティタワーと大学会館との間にある登り坂になった細い道,この先にある「山の上ホテル」の前を通ってみることにしました。



ここは多くの文人に愛されたホテルとして有名ですが,勿論池波正太郎先生も幾度となくご利用になったことはご存じの通り。先生のエッセイにも度々登場する「池波正太郎ゆかりの地」でございます。美しい本館ロビーには池波先生の描かれた絵も飾られているそうです。
細道を登り切ると右手に新館,正面に本館が現れます。しっとりと落ち着いた空間です。
「山の上ホテル」の建物は日本生活協会が昭和12年に建てたモノ。戦後米軍に接収されますが,返還後の昭和29年に現在のようなホテルになったわけですね。ここには池波先生のエッセイにもよく登場する天麩羅屋さんがあるのですが,当時の調理主任・近藤さんが独立してからのお味はいかなるものなのか,一度位は訪れてみたいものでございますね。


photo by 伊佐寅さん


一行は山の上ホテルの裏手をぐるりと回って神田界隈へ。
途中教会の前を通りかかると偶然にも結婚式が行われておりまして,幸せそうな新郎・新婦に拍手する密偵一同。そんなこんなで水道橋まで来たのですが,これでも時間があまってしまった・・・さっそく管理者失格の与力でございますが,とりあえず「お腹が空いた」という声も聞こえるようでしたので,一旦解散して,各自集合場所に集まって頂くことに。ホントに段取りが悪くて反省でございます。
各々小隊にわかれて茶屋で休憩したり,文京区役所の新庁舎展望台に登ったりで時間を潰して頂きました。ちなみに与力は新庁舎展望台コースにお供させて頂いたのですが,なにせ「高所恐怖症」でして・・・恥ずかしながら景色を楽しむ間もなく,すごすごと一人1階に戻ったのでございました。



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