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平成16年の黄金週間に帰省のついでで飛騨高山に行って来ました。あたしの実家は富山市の南寄りにありますので,自家用駕籠で片道2時間弱。余裕の日帰り圏内なのでございます。 |
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平成16年5月3日。当日は少々小雨が降ったりやんだりというお天気。富山の実家を出る頃には風も強かったものの,高山に着く頃には風も無く,とりあえず雨も傘が不要な程度で,まずはホッと。高山市到着は午前10時前だったのですが,既に中心部の駐車場は殆ど満車。かろうじて市役所に併設された立体駐車場に駕籠を停め,宮川沿いの朝市から,高山自慢の古い町並みなどを歩きました。 久々にゆっくりと高山市街を歩いた感想は「やはり何とも美しい町だなぁ」という一言に尽きますです。数年前にも訪れているのですが,何ら変わることなくステキな風情でございました。観光客が多くてざわざわしているところが玉に瑕ですが,余計な音楽が鳴っているわけでもなく,ゴミ一つ落ちていないのは気持ちよいものでございます。 |
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で,古い町並みをぶらぶら歩いていると,左手にある格子戸も美しい建物に「手風琴」という看板が。 「よい匂いのする一夜」の中で,池波先生は飛騨古川に泊まったのち,高山市を訪れています。高山市内では「歩き疲れて,私たちは,ひっそりとした喫茶店に入った。『手風琴』という店で,中年の女のひとが,うまいコーヒーをいれてくれた。」(引用)と書いてらっしゃいます。実は事前の下調べでは観光ガイドにも何も載っていなかったので「もうなくなったのかな」と思っていたのですが,たまたま歩いていて発見できたのはラッキー。 丁度一休みしたいタイミングでしたので,中に入ってコーヒーとチョコレートクレープを注文。美味しかったです♪ お店の建物は古い民家を改造したものでしょうか,店内は重厚な梁に囲まれて土間や畳敷きの小上がりなんかがそのまま残されている感じです。池波先生が座ったであろうカウンターではなく,畳の部屋に通されたのですが,靴を脱いであぐらをかきながら食べるクレープというのもなかなか(笑)接客も感じが良く,そんなに混んでもいませんで,好印象のお店でした。 |
![]() この地方でいう「みたらし団子」というのは,甘くない醤油味。醤油の焦げた香ばしい香りがたまりません。 |
さて,先生達は「手風琴」を出るときに「駅へ行く途中で,ほら,宮川のほとりでお婆さんが屋台を出していたみたらし団子を一本,食べて行こうか」(引用)と書いてらっしゃいます。で,たしかに宮川の鍛治橋をわったところに,それらしき屋台を発見。 このお店,ガイドブックにも載っている有名店(?)のようで,観光客の方がひっきりなし。もちろんあたしも一本食べたのですが・・・まぁ,たしかに美味しいは美味しい。ただ,正直「急いでたくさん作っているから」なのか,ちょっと期待はずれという感じもしました。 実は,同じ宮川の近くでのれんもロクに出していない小さな屋台を見つけまして,そこではお婆さんが一本一本丁寧にじっくり団子を焼いてまして,こちらも一本頂いてみると,ずっと美味しかった。 もちろん味覚は個人の好みではありますが,少なくともお婆さんの感じといい丁寧な焼き加減といい,無名屋台の方が美味しいと,あたしは思いましたです。 |
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さて,ちょいとばかり話が逸れますが・・・高山市内を一通り歩きまして,お昼ご飯。本当は別のお店を狙っていたのですが,暖簾を潜ったときの店員さんの応対が「むっ」とするものでしたので,つい別のお店へ(笑) たまたま見つけた洋食屋さんに入りまして,注文したのが「飛騨牛のステーキ丼」というもの。コレが絶品でございました。少々お高いのですが,白い皿にご飯を盛って,その上にタマネギを敷いて,飛騨牛のステーキが乗っかっているのです。コレが口の中で溶けるように柔らかくご飯と一緒に食べるとまた・・・って,スイマセン,このお店は「よい匂いのする一夜」に出てくるワケでなく,たまたま入ったらあまりに美味しかったもので(笑) ちなみに奥は「飛騨牛のビーフカツレツ」を頼んだのですが,一口貰ったらコレがまた美味しかったのでございました。ソースは味噌ベースで,甘辛い感じ。ビールに合いそうでしたが,なにせあたしは自家用駕籠にて・・・(泣) |
![]() 「丼」とはいえないかも・・・ |
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お昼ご飯を食べてから自家用駕籠に乗って富山方面へ。30分もかからずに飛騨古川に入ります。 流行の町村合併で「飛騨市」なんて名前になったようですが,やっぱり飛騨古川は飛騨古川です。こぢんまりとした町なのですが,こちらも高山に負けない風情を誇ってまして,観光客が少ない分,こちらの方が気持ちいいかもしれません。某国営放送の朝ドラ「さくら」のモデルになった和蝋燭のお店もあったりします。 さて,町の中心部に入る前に,ちょっと寄り道。高山方面からですと国道41号線を通るのですが,途中で古川中心部方面に右折。更に入り組んだ細道を左に入りますと,まもなく小さな橋を渡ります。で,自家用駕籠の中からきょろきょろ見回していた橋の手前で左手に発見!「蕪水亭」というお宿でございます。 |
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池波先生は「よい匂いのする一夜」の中で「蕪水亭は,宮川と荒城川の,ちょうど合流地点にあり,川をへだててながめると,まるで中洲の突端に位置しているように見える。」(引用)と書いてらっしゃいますが,正にそんな感じでございます。ちなみに写真手前が荒城川。宮川も見えるのですが,写真に収められなかったっす(汗) |
![]() 蕪水亭の入口は道路からやや奥に入ったところ。 |
池波先生は蕪水亭の印象を「高山より一駅先の飛騨古川へ行き『蕪水亭』という旅館へ泊めてもらった。(中略)私は,この宿の家庭的なもてなしと朴葉味噌がすっかり気に入ってしまった。」(引用)と書かれています。イヤ,勿論もっとじっくりその良さを書いてらっしゃいますが(笑)そのあたりは本を読んで頂くとして・・・正直なところ,予約も無くあたしのような若造がぶらりと入れないような敷居の高さを感じるお宿でございますが(笑)観光客も殆ど来ないような静かなところで,にも関わらず周囲は風情のある民家が続き,川に面してさぞや落ち着けるお宿なのではないかと思います。 なにせ道からちょっと奥まったところにありますし,ちょっと敷居が高かったものですから今回は中には入らず「今度は予約して泊まりたい」と思いつつも再び自家用駕籠に戻って市内中心部へ。出来たばかりの「飛騨市」の看板も初々しい市役所の駐車場に駕籠を停め,古川の町を歩いてみることにしました。 |
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もともとそんなに知名度の高くない飛騨古川ですが,町並みは高山市にも負けず劣らず風情に溢れていまして,町全体から「この町並みをきちんと残そう」という心意気が感じられますしゴミや煙草の吸殻も全く見つけられない,本当にキレイな町。某国営放送「さくら」で有名になった和蝋燭のお店には観光客の人だかりが出来ていましたが,高山市に比べるとずっと落ちついて歩けます。 で,「よい匂いのする一夜」では「蕪水亭」に関する記述に続いて,古川の町について「このあたりは,白壁造りの土蔵や,むかしのままの家がたちならんでいて,ちかごろ,古川ではこのあたりを『白壁土蔵街』などと名づけ,観光の名所にしようとしているらしい。」(引用)と書かれているのですが,その白壁土蔵街というのが,右写真でございます。 たしかにいい雰囲気だと思います。この風景が数区画続いておりまして,小川には鯉が悠々と泳いでおりました。町の思惑通り(笑)すっかり「観光の名所」になってますが,本当にキレイな通りなんですから,当然といえば当然です。 ここに建ち並ぶ白壁の土蔵は全て裏側でして,写真から見て一本右の通りが,その表側になっています。昔ながらの造り酒屋や,古くからの商店や,あるいは民家などが並びます。そちらの風情は高山市の「古い町並み」によく似ていますが,高山のように「軒並み土産物屋か飲食店」ということもなく,その意味では「古川の方がいい」という話を聞くのも頷けますね。 古川では二軒残る造り酒屋で純米吟醸を入手し,駐車場近くで売っていた揚げたてコロッケと飛騨牛串焼きに舌鼓。すっかり満足して家路についたのでありました。今回は日帰りでしたが,いつか「蕪水亭」に一泊しつつ,のんびりと飛騨を楽しんでみたいものだと思います。 |
![]() 絶対に「着物が似合う」と思います。 |
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