危機乗り越えて自然保護モデルに

〜渡り鳥たちのオアシス 藤前干潟〜


鈴木良雄




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 2007年12月30日の『産経新聞』が藤前干潟をとりあげています。かなりのスペースをさいて、です。「藤前干潟をとり巻く環境」と題したカラーのイラストや「藤前干潟を守る会」の辻淳夫理事長の写真も載っています。


■市民の長年の努力で埋め立てを免れた貴重なオアシス

 リード文はこうです。
    《国内有数のシギやチドリ類の飛来地として知られる藤前干潟(名古屋市港区)。陸と海との境界が織りなすオアシスには、渡り鳥の餌となる生き物も数多く生息している。台風被害による治水工事や高度成長期の港湾、コンビナート建設を免れ、自然を愛する市民の長年の努力で埋め立て計画も免れた貴重なオアシスは、国際的に貴重な湖沼や湿地を守るためのラムサール条約に登録され、自然保護モデルとして注目を集める。しかし一方では、生態系を脅かす新たな問題も浮上している。》


■ぎりぎりのところで、生き物たちが藤前干潟を救った

 いまも開発(第二湾岸道路や人工干潟造成)の危機にさらされている三番瀬の猫実川河口域は、藤前干潟と環境条件がよく似ているといわれています。どちらもアナジャコがたくさん生息しています。

 同紙は、「危機救った生き物」との小見出しをつけて、こうも記しています。
    《なんとか開発を免れていた最奥部の藤前干潟に昭和59年、一般廃棄物最終処分場建設計画が浮上した。「まさに寝耳に水。野鳥たちの生きる場所が減っていく中、ここは重要な羽休めの場だったのです」
     これまでにない干潟消滅の危機に、辻さんらはすぐに市民団体を組織して、啓発運動を展開。平成4年には計画反対を唱える10万人分の署名を名古屋市議会に提出し、計画規模を半分に縮小させることに成功した。
     しかし、事業者によって平成6年に始まった「環境アセスメント」で、驚くべき結果が出た。「野鳥に対する影響は0.6%程度で、生態系にほとんど影響はない」とされたのだ。それはこの調査が、干潟の地下10センチ程度までしか対象にしていなかったからだった。
     干潟の生物多様性は、もっと深いところで広がっている。このままでは干潟がだめになると考えた辻さんらは、再度調査を実施した。辻さんはいう。
     「3メートルの穴を掘って棲むアナジャコや、50センチの深さから水管を伸ばすサビシラトリガイといった重要な生き物が、除外されていたのです」。
     この調査を元に、名古屋市の審議会答申は「影響は明らか」と記述。11年1月、埋め立て申請手続きの最終段階で処分場建設計画が中止された。ぎりぎりのところで、生き物たちが藤前干潟を救ったのだった。》
 三番瀬保全にとってたいへん参考になる記事です。

(2008年1月)






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