21世紀は水危機の時代

〜三番瀬に下水処理場をつくってはならない〜


千葉の干潟を守る会 牛野くみ子



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★21世紀は水問題の世紀

 先日、東京新聞主催で「玉川上水−21世紀への水脈」という集まりがあった。江戸の町に飲料水を運ぶため約350年前に造られた玉川上水のあり方を考えるために開かれたものである。21世紀は水問題の世紀であることから、特別講演をした高橋裕さん(東京大学名誉教授)は、地球、都市、水というキーワードで話をされた。
 「水危機の時代」と言われだしたのは5年前である。世界銀行のセルゲルデイン副総裁が「21世紀は水が原因で国際紛争が起こる可能性がある」と発言したことから火がつき、1997年には世界水会議(WWC)が正式に発足した。それは、世界の人口がさらに30億から40億人が増えると予想されているのに、水の絶対量はきまっているからである。
 国レベルでは、かなり水問題について関心を払っているが、私たち市民はどうだろうか。関心のある人は節水をするとか、雨水を貯めるとかはしているが、食べることについて考えたことはあるだろうか。穀物1トンをつくるのに水1000トンが必要、ということが話のなかにあった。農産物を外国に頼っている今日、その農産物と一緒に命の源である水をも収奪していることに、私を含めてどれだけの人が気づいているだろうか。
 お金を出せば何でも手に入る時代は終わった。自国で消費するものは自国でまかなわなくてはいけない。第一次産業の発展なくして未来は生き残れない。ではどうしたらいいのか。農業も漁業も後継者不足、そのうえ制度的にもいろいろ縛りがある。私の貧弱な頭では分からない。みなさん考えてください。


★水循環再生に逆行する流域下水道計画

 しかし、三番瀬に関していえば、一つだけ分かっていることがある。それは三番瀬に下水処理場をつくってはならないということである。現在、県が計画している江戸川左岸流域下水道は、8市1町の下水を管渠により三番瀬に引っ張ってくるという計画である。最も遠い関宿町の下水は延々60キロも管渠により運び、そこで一挙に海に流すことになる。
 そんなもったいないことは許されない。人口密度の低い農村部では、戸別合併浄化槽やコミニティプラントなどにすれば、費用も安く、時間もかからない。そして、地域地域で水を繰り回し使用していくことが、21世紀を生き抜くことになる。
 県が下水処理場用地として都市計画決定した、通称「行徳富士」と呼ばれる場所がある。地権者が入り組んでいて、用地確保が難しいといわれている。しかし、水問題からいえば、そこに下水処理場をつくることさえ許されない。ましてや、貴重な三番瀬を埋め立てて処理場をつくるなんて。


★水と緑の空間を次世代に

 先ごろ、日本郵船は、水不足に備えて、海上輸送への需要が大きくなると判断して、ノルウェーの水輸送会社に出資をし、運航の技術、支援を行うと発表した。1万〜2万トンの水をバッグに積み込み、タグボートで曳航し、不足する国へ輸送するというものである。
 アジアに位置する一員として、十分それに応えられると思う。そして個人としても、もっと水に関心を持ち続けていきたい。こんこんと湧き出る水は、私たちを豊かな気持ちにさせてくれる。
 裸にされた山に木を植え、緑のダムをつくろう。雨水が地面に浸透するような構造につくりかえよう。洪水をおそれるあまり、雨水をいっきょに海に流すなんてことは絶対してはいけない。

(2000年9月)   









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