子どもたちの真摯な姿勢に感動

〜習志野市立谷津南小学校の公開授業に参加して〜


千葉の干潟を守る会  牛野くみ子





 先日、習志野市立谷津南小学校5年3組の公開授業に、谷津干潟自然観察センターの長谷川所長さんと私がコミュニティゲストとして招かれた。授業名は「わたしたちの谷津干潟と環境」である。
 子どもたちは環境庁の許可を得て4回ほど干潟に入り、水、土を採取し調査をした。その結果を3人のパネラー(こどもたち)が、水、土、烏について発表した。そこに意見がいろいろ述べられる。
 たとえば、水グループは、船溜まりに近いところでは水が汚れている。それは生活排水が入ってくるからで、生活排水をきれいにするには、そこに工場をつくったらいいのではないか。これに対し、工場をつくらなくても、一軒一軒が汚い水を流さないようにすればいい、とか。
 土グループは、砂質のところにはアサリがいて、水を浄化している。泥質のところにはゴカイがいる。谷津干潟に砂を入れたらアサリが増えるのではないか。
 また、鳥グループは、谷津干潟と三番瀬を鳥が行き来している。三番瀬を守らなくてはいけない。だから三番瀬を谷津干潟と同じラムサール登録地にしてもらいたい。この調査を来年も5年生ができるといい。調査の継続は必要だ。−−など。
 感心して聞いていたら、「谷津干潟を守るために牛野さんたちはどのようなことをしたのですか」と、順番が回ってきた。「海はみんなのもの」という千葉の干潟を守る会の声にこたえて署名やビラまきをしたことなどを話した。
 一昔前、私たちがしたことをふまえて、これから何をすべきかという真空な姿勢に緊張した。 なにしろ、毎日、谷津干潟と向き合っている子どもたちは真剣だ。そのうえ、調査にもとづいての考えは的確に現状を把握している。
 いま、環境教育についての重要性がいわれているが、ここに素晴らしい実践者、そして後後継がいることに感動した。4日ほどして子どもたちから手紙が届いた。以下はその若い後継者からのメッセージである。全文は載せられないが、この声をお聞き下さい。







◆ 子どもたちからの手紙 ◆




★三番瀬は世界のもの

 昨日は私達の「パネルディスカッション」を見て下さってありがとうございました。私は牛野さんがいっていた、三番瀬の市川ぞいにある泥質のところには、においがくさいので、うめ立ててもいい、という計画している人の意見は、少し簡単にかんがえすぎだと思います。
 人にとってはくさくても、生き物などはすみごこちがいいと思います。
 三番瀬は世界のものなんだから、かってにうめ立ててはいけないと思います。
 その計画をしている人は、そういうことを考えてそういう意見をだしているのか、三番瀬は鳥の体を休める所なんだと、ちゃんと考えていってほしいです。谷津干潟と三番瀬はサービスエリアなんだから、サービスをするためにはうめ立て反対です!。だから、私も牛野さんといっしょに三番瀬のうめ立てに反対したいです。


★私たちが知らないことをもっと教えて

 びっくりしたのが、三番瀬の土は泥質だと思っていたのに、ほとんど全部が砂質だったことです。
 それに、三番瀬は鳥がねるところで、谷津干潟は鳥の食べるところで、三番瀬と谷津干潟がつながっているなんて、しりませんでした。
 ぜひ、私たちが知らないことをもっとおしえてください。


★にごった水にアサリをいれたら透明になった

 ぼくは三番瀬うめ立て計画は反対です。わけは、三番瀬がなくなると、鳥にとってもいやだし、人間にとっても三番瀬がなくなるとさみしいからです。
 思い出の場所だから、三番瀬もラムサール条約をしたほうがいいと思います。
 三番瀬の水をきれいにするために、「アサリ」「ゴカイ」などの生き物はたいせつにしたほうがいいと思います。
 アサリをにごった水にいれたらどうなるかと、実験をしました。けっかは、1時間もしないうちにどんどん水がきれいになって、15分くらいになったら、とうめいの水になっていました。
 ぼくは初めてアサリのすごさを知りました。


★海はみんなのものだよね

 牛野さんの話を聞いて、私は大人の人達が努力しているので、私たちもひとりひとりが努力して三番瀬のうめ立てをやめさせたいと思いました。
 谷津干潟もまだゴミなどがあるので、カンなどのポイすてをやめてほしいと思いました。
 三番瀬をうめ立てると、干潟にくる鳥も多くなるけど、多すぎるとエサがなくなったりしてしまうので、三番瀬のうめ立てはやめたほうがいいと思いました。むずかしいことですが、三番瀬をラムサール条約に入れてほしいと思いました。
 私は谷津干潟のことにきょうみをもっています。そして、三番瀬のこともきょうみをもっています。
 牛野さんのように三番瀬のことをよく知っている人がたくさんいれば、三番瀬のうめたて計画もなくなると思います。
 海は人間だけのものではない、みんなのものだとういうのを話してくれた時、私も「そうだよね。海はみんなのものだよね。」と思いました。
 こんど話をしてくれるきかいがあったら、そのごの三番瀬のことをおしえて下さい。


★三番瀬をもっと調べたい

 先日はわかりやすい説明ありがとうございました。牛野さんの説明で私は今までより干潟に興味をもちました。
 三番横のうめたてについても、今まであまりよくわからなかった、うめたてられそうな場所や、うめたててしまうわけなどがわかりました。
 私は三番瀬と干潟のつながりを知って、今までより「三番瀬をうめたてないで!」という気持ちがつよくなりました。
 三番瀬について、わからなかった土質もわかったので、干潟だけではなく、三番瀬ももっと調べていきたいと思いました。
 わかりやすい説明、本当にありがとうございました。


★臭いというだけで埋め立てるというのはまちがい

 昨日は来てくださってありがとうございます。
 三番瀬の泥質の部分をうめ立てしようとすることを話しましたね。理由はくさいから。そういう理由だけでうめ立てるのはまちがいだと思います。泥質の所でも生き物はいるので、うめ立てるのは人のかってですから、私も反対です。
 これからも三番瀬などをうめ立てさせないようにがんばってください。



(2000年5月)







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