三番瀬の地盤沈下は本当か


三番瀬を守る会 田久保晴孝



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●地盤沈下を理由に浅海域の人工干潟化を主張

 市川市や行徳漁協などは、三番瀬の地盤沈下を理由にし、もともとあった干潟を復元するために猫実川河口域(浅海域)で人工干潟を造成すると言っています。市川市は、2003年4月に出版した『三番瀬の再生に向けて──地元市川市の挑戦』の中で、同海域を埋め立てて人工干潟をつくる案がベストと述べています。
 しかし、生物が豊かで、浄化力が高いこの海域を埋め立ててよいのでしょうか。ラムサール条約の「湿地復元の原則と指針」では、第一として、今ある豊かな湿地は保存することをうたっています。
 去年(2002年)、名古屋の藤前干潟がラムサール条約に登録されました。ここも、三番瀬の猫実川河口域とおなじように、アナジャコのすむ泥質の浅海域です。名古屋市は、そんな浅海域を埋め立てて人工干潟をつくろうとしました。しかし、それが明確に否定され、保存されることになりました。
 猫実川河口域には、1平方メートルあたり100以上のアナジャコの巣穴があり、50匹以上生息しています。アナジャコの巣穴の深さは地下3メートル以上にもなり、浄化力はアサリの100倍以上です。


●地盤高が下がったのは、地盤沈下ではなく、
  海底土砂の大量採取によるもの

 市川市などは、この海域の地盤高が戦前に比べて1メートル以上下がったのは、1970年代の地下水や天然ガスのくみ上げであると決めつけています。
 しかし私は、地盤高が下がったのは、1000ヘクタール以上の埋め立て地(京葉港一期・市川一期埋立て)を造成するために、現在の三番瀬海域から土砂を採ったためと考えています。
 東京湾岸の千葉県側は遠浅の海だったので、埋め立ては海の砂を浚渫(しゅんせつ)し、その砂を使って行われました。千葉県の埋め立て地はほとんどこの方法でつくられました。そのため、幕張や浦安の埋め立て地先には、水深が30メートルにもおよぶ巨大な窪地ができています。この穴が青潮(貧酸素水)の発生源ともなっているのです。
 三番瀬は、埋め立てによってさんざん痛めつけられましたが、保護運動などによってやっと残りました。そんな三番瀬を再生という目的で大規模に埋め立てることは許されないことです。
 ちなみに、千葉県は1950年以降、1万2000ヘクタール(干潟の90%)を埋め立てて石油コンビナート、発電所、住宅団地、テーマパークなどをつくってきました。しかし、遊休地になっているところもたくさんあります。

(2003年5月)








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