急がず いい答申を

〜三番瀬円卓会議の「中間とりまとめ」について〜


三番瀬を守る署名ネットワーク 竹内壮一



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 昨年(2002年)12月26日、三番瀬再生計画検討会議(以下「円卓会議」)は、1年間の討議をふまえて「三番瀬の再生に向けての中間とりまとめ」(以下「中間とりまとめ」)を堂本知事に提出しました。
 「中間とりまとめ」とあるように、これは「円卓会議」の討議の「中間報告」です。来年1月末までの「円卓会議」委員の任期中に「本答申」が出されるものと思われます。


●円卓会議本来の目的への配慮を欠いた会議日程

 この「中間とりまとめ」についての三番瀬を守る署名ネットワークの「基本的見解」は別に示してあります。会議の公開制や委員の努力などを評価したうえで、私たちは10項目にわたって、私たちの意見と要望を示し、「円卓会議」会長にこの「基本的見解」を手渡し、委員のみなさんにも配布しました。

 10項目にわたって意見や要望を出したのは、私たちが「三番瀬の保全と復原の原則」の提起を「円卓会議」に期待しているからです。
 掲げた表題「急がず いい答申を」との関わりでいいますと、私たちが主張した点は、昨年の「円卓会議」が「結果を出すことを先行させたため、議論を重ねてより良い合意形成を図るという円卓会議本来の目的への配慮を欠いた会議日程の設定であった」という点です。

 「円卓会議」は「三番瀬の未来に関わる重い使命を担った会議ですから、拙速だけは避けなければなりません」「前の会議で議論された事柄が整理され、配付された資料を十分に検討する時間があってはじめて、会議の積み重ねが生きてくると思います」。──このように指摘しました。
 そして具体的には、小委員会や勉強会などを含めて「円卓会議」関連の会合は月2回程度の開催が限度ではないかと提案しました。

 昨年、「円卓会議」は9回開催されました。2つの小委員会は実質8カ月の間に各8回開かれました。ほかに専門家会議が3回、勉強会や現地調査も1回ずつありました。
 そのため1カ月に3回も会議が設定され、前の会議で討議され決められたことなどを整理し、会議で配付された餐料を十分に検討して会議に臨むゆとりもありませんでした。これでは円卓会議本菜の趣旨が生かされません。今年はさらに「制度問題」小委員会の設置も予定され、3つの小委員会が開かれることになりそうです。ますます調べ・考える課題が多くなり、時間も必要となります。


●2カ月に1回程度の開催が限度

 「円卓会議」の委員のみなさんには、可能な限り、所属外の小委員会の会議にも参加していただき、討論の状況を知ってほしいと思っています。市民の側もこれらの会議に参加して知見を積み重ね、三番瀬の未来のために「保全と復原の原則」をつくっていきたいと思っています。そのためには月2回程度の会議開催が限度ではないでしょうか。

 会議に欠席せざるを得ない状況が続くと、委員間の意思疎通、認識に差が生じて、合意形成に支障をきたします。「円卓会議」と各小委員会などの開催を2カ月に1回程度に設定すれば、会議の予告も十分できて市民の参加も増えるでしょうし、委員も日程がたてやすく欠席者も減ると思います。
 ところで、こうした考え方については以下のような批判があるかもしれません。
 2カ月に1回の会議の開催は理想的かもしれないが、実際には「円卓会議」の設置期間は今年1年しかない。2カ月に1回の「円卓会議」・各小委員会の開催ではとても間に合わない。「答申」を煮詰めて具体化するには、もっと会議のテンポを速め、成案をつくらなければならない、と。

 しかし、「円卓会議」は三番瀬の未来を決める役割を担った会議です。「円卓会議」は中・長期の課題設定とその解決への指針を検討することが重要であるから、しかもそれは三番瀬の未来に関わることだから、十分時間をかけて慎重に討論を重ねていきたい、拙速だけは避けたい、ということを委員のみなさんが確認し、そのことを「設置者」である堂本知事に伝え、了解を得ることだと思います。


●「三番瀬の保全と復原の原則」を市民参画で

 あえていえば、「円卓会議」の最大の役割は「三番瀬の保全と復原の原則」を市民の参画のうえに、つくっていくということだろうと思います。
 まず、「急がず」ということをあらためて強調したいと思います。現在、三番瀬の埋め立て計画はありません。三番瀬の環境は好ましい状況ではありませんが、全体として安定状態にあります。埋め立てをしないということが三番瀬にとっては最大の保全策ですから、それを中止したことが環境にとってよいことはいうまでもありません。
 したがって「円卓会議」は、あるべき三番瀬像、三番瀬の復原問題を現況認査をふまえて議論しあってほしいのです。

 まず三番瀬の現状を悪化させない手だてを考え、現状を壊す要因、三番瀬に悪影響を与える可能性のある要因を除去することをしっかりと討論し、それへの対策を「円卓会議」が出してほしいと思います。

 一つの例をあげます。埋め立て計画がなくなったところで、現在の三番瀬を破壊する恐れのある最大の要因の一つは第二東京湾岸道路建設の問題です。
 海域を横断させる高架方式や海底トンネル方式は工事作業を含めて三番瀬の環境をメチャクチャなものにしてしまうことはちょっと想像すればわかります。また、陸側での建設にしろ三番瀬周辺の環境が著しく悪化することは目に見えています。
 したがって、この第二湾岸道路計画をストップさせることが三番瀬保全にとって、もっともいい結果をもたらすことになります。
 またラムサール条約の湿地登録を優先課題に設定すべきです。2005年の締約国会議に三番瀬の登録を実現するための手だてを準備すべきです。
 「円卓会議」はこうした問題に切り込んで、三番瀬の保全と復原に「いい答申」を出してほしいのです。委員を中心に、市民が積極的に参画して良い答申を出すように努力することが必要だと思います。
 「急がず いい答申を」円卓会議が出すことを願っています。

(2003年1月)   






ミヤコドリ。日本では非常に少ない美しい水鳥。




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