三番瀬公金違法支出訴訟

原告側が県の姿勢を批判

〜千葉地裁第1回口頭弁論〜



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 三番瀬埋め立て計画をめぐり、金融機関が市川市行徳漁協の組合員に対して「転業準備金」の名目で約43億円を融資した問題で、その利息56億円を県が肩代わりをするのは違法だとして、県民21人が県支出金の返還などを求める訴えを千葉地方裁判所に起こしました。その第1回口頭弁論が2000年10月13日、千葉地裁でひらかれました。
 この日の朝、千葉地裁前には「三番瀬公金違法支出訴訟を支援する会」のメンバー約70人が傍聴を求めてかけつけました。
 口頭弁論ではまず、弁護団(35人)の中丸素明団長が口頭弁論をおこない、つづいて原告を代表して牛野くみ子さんが意見陳述をしました。牛野さんは、「漁場の回復・改善を図るのが県のつとめなのに、県は、札束で漁民の頬(ほお)をうつ転業準備資金という形で解決してきました」などと県の姿勢を批判したうえで、「このままでは今後も毎年約3億円の利子を払い続けることになります。この財政危機に一体どうするのでしょうか。皆の共有財産である海を食いつぶしただけでなく、借金だけを子孫に残すことになるとは。これは絶対に許されることではありません」と述べました。  この日までに被告の沼田知事側から答弁書が提出されましたが、その内容は「企業庁の予算の作成、執行、支出権は企業庁長にあり、知事にはいっさい権限がない」と責任逃れに終始したもので、支出行為の違法性についてはまったく答えていません。
 口頭弁論後、抽選で傍聴できなかった人たちも参加して報告集会がひらかれました。集会では、すべての責任を企業庁長におしつけて逃げようとする沼田知事の姿勢をきびしく批判するとともに、裁判勝利のために奮闘することなどを誓いあいました。
 なお、次回の口頭弁論は12月26日です。









傍聴にかけつけた「三番瀬公金違法支出訴訟支援する会」の人たち。








報告集会では、すべての責任を企業庁長におしつけて逃げようとする沼田知事の姿勢をきびしく批判するとともに、裁判勝利のために奮闘することなどを誓いあった。










牛野くみ子さんの意見陳述書



 私たち原告21名は全員、千葉県民であります。
 よって、これまでも、そしてこれからも、私たちの健康、安全及び福祉は千葉県行政にかかっているといえます。ですから、私たちは、千葉県の姿勢について関心を持つことが千葉県民のつとめであると捉(とら)えています。
 ましてや、地方分権が現実のものとなった今、地方が担う責任は重いものがあります。が、今までの千葉県の姿勢を見ていると、千葉県にまかせておいたら大変だという気持ちが多くあります。
 金権千葉という不名誉な代名詞をかぶせられて久しいですが、お金に絡む類(たぐい)は、選挙、埋め立て、開発と、枚挙にいとまがありません。
 そしてその一つに、この行徳漁協の問題があります。行徳漁協から「潮まわりが悪くなったので何とかして欲しい」と要求があったとのことです。本来なら、今までの施策を見直し、漁場の回復・改善を図るのが県のつとめであり、漁民もそれを望んでいたはずです。なぜなら当時、三番瀬埋め立て計画は凍結中でしたから。しかし、県は、札束で漁民の頬(ほお)をうつ転業準備資金という形で解決してきました。その先には、今は凍結中だがそのうち埋め立てをすれば土地造成に伴う利権という構造が待っているという腹づもりがあったからではないでしょうか。
 潮まわりを悪くしたのはそれまでの埋め立てによる影響であって、そういう状況を県がつくっておきながら、なんという姑息な手段でしょうか。このことは、この2月、県と交渉したとき、「周辺を埋め立てたことが原因である」と県自ら認めております。
 そのうえ、転業準備資金に関わる利息が56億円にも達していると聞き、まさに寝耳に水で、訳が分からず、びっくりしております。その額もさることながら、18年間も県民には知らさずにきたのですから。どこが県民に開かれた県政といえるのでしょうか。さらに、転業準備資金が解決されない限り、毎年約3億円の利子を払い続けなくてはならないとは。この財政危機に一体どうするのでしょうか。皆の共有財産である海を食いつぶしただけでなく、借金だけを子孫に残すことになるとは。これは絶対許されることではありません。財政状況が厳しくなれば真っ先に切られるのは、福祉及び教育部門であることを今までの経験から私たちは知っています。ですから、黙っているわけにゆかないのです。
 私たちは素朴に考えます。なぜ、融資を受けた漁協が利子を払わず、県が肩代わりするのかと。  2月に県と交渉したとき県は、「三者合意があるから」と言っております。しかし、その三者合意の文書は、「交渉が妥結するまでは出せない」と言うことで、見てはおりません。そればかりか、県民の代表である県会議員にも文書公開を拒んでいます。情報公開の時代にあって、なんと閉鎖的なのでしようか。
 そのうえ、昨年の11月、企業庁を対象とした決算委員会で、「議会への説明や同意をえたのか」という議員の質問に、企業庁長は「当時の常任委員会に報告している」と答えていますが、記録はいっさい残っていないということです。実に不明朗、不誠実です。
 私は、習志野市袖ヶ浦という埋め立て地に住んで33年になります。越してきた当時は干潟・浅瀬の海がありましたが、そこも6年後には埋め立てられてしまいました。漁民はどうしたかというと、「漁業補償をもらってしまったから仕方ない」と言っていました。私の知った方はガソリンスタンドに働きに出ていましたが、いつも口にする言葉は「海に出ているときは楽しかったが、オカの仕事は慣れなくて」と、元気のない青白い顔で言っていたことを思い出します。
 人が人として尊重されるのなら、漁民が漁民として生きられる道を探してやるのが県のつとめであると思います。が、お金を支払えばそれで解決したと思いこんでいるその姿勢が問題なのです。30年前もそれ以後も、県のとってきた姿勢は変わってないのです。この姿勢を絶つには、埋め立てと手を切る以外ありません。
 皆の共有財産である三番瀬を守ることは、千葉県民を守ることに通じます。
 金権千葉という汚名を返上するには、埋め立てと手を切り、県の今までの姿勢を改めることが不可欠なのです。私たちは、この公金違法支出を明るみに出し、多くの人に実態を知ってもらい、千葉県の誤った姿勢を正していくことが、私たち県民が21世紀を生き抜くカギになると考え、訴えることにしました。なお、原告団21名の後ろには、多くの県内外の市民が支援していることをお心にお留めください。

牛野くみ子



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