九州・琉球湿地ネットワーク事務局長の脇義重さんが

 三番瀬埋め立て計画の白紙撤回と

 策定懇談会の論議継続を求める要請書





 日本湿地ネットワーク運営委員で九州・琉球湿地ネットワーク事務局長の脇義重さんが(1999年)12月25日、三番瀬埋め立て計画の白紙撤回と計画策定懇談会の審議継続を求める要請書を、千葉県と計画策定懇談会座長に提出しました。


 

要 請 書



1999年12月25日

 千葉県知事      沼 田  武 様
 市川二期地区・京葉港二期地区
  計画策定懇談会座長 黒 川  洸 様

日本湿地ネットワーク運営委員
九州・琉球湿地ネットワーク事務局長
脇  義 重


  三番瀬埋立計画懇談会の審議打ち切りに反対し、
  埋立計画の白紙撤回を求めます

先回の市川二期地区・京葉港2期地区埋立計画策定懇談会では縮小案が提示されましたが、私はこの縮小案にも反対し、計画全体の白紙撤回を求めます。
 たとえ計画が縮小されても干潟が埋め立てられることに変わりはありません。埋め立てによる干潟の消滅は三番瀬全域に悪影響を与えます。また、工事中と造成物による河口改造は河川部にも悪影響をもたらします。また、縮小計画は埋め立ての中止ではなく、むしろ干潟全体を埋め立るためのステップに過ぎないのではないかと危惧します。
 縮小計画地の高架道路建設の問題があります。渡り鳥が自由に行き来出来なくなります。複数の干潟で生息する渡り鳥にとっては重大なことです。また、自動車道路は人と海を隔ちます。干潟と人間の間の生き生きとした関係は人が干潟に接近しやすい環境で育ちます。
 漁業資源の確保は重要な課題ですが、埋め立ては漁場や藻場に悪影響を与えます。また、干潟は生き物を身近に観察できる絶好の環境教育の場所です。
 下水道終末処理場などの都市施設を埋め立ての理由にしていますが、都市生活のつけを海に押し付け、結局人間生活に跳ね返って来たこれまでの都市政策を見直すべきです。陸域で発生した問題を海浜を破壊して処理するような行政を続けるべきではありません。
 最後に、人工干潟が成功したためしはありません。干潟形成は自然の力によるしかありません。私たちがすべきことは、人工干潟ではなく現存干潟の保全であり自然の力に委ねるかたちでの回復です。
 三番瀬干潟には多様な生き物が生息しています。私たちはその一部しか知り得ていません。追加の調査や研究を重ね人間と干潟の命のつながりをここで全国と世界にむけて示してほしい。そのためには、今回で懇談会を打ち切る事なく、さらに調査と審議を含めてほしい。
 私は、先日、韓国の干潟を訪問し、さまざまな干潟を見てきました。失敗例もあり、そのことを教訓にして、現存する干潟保全を守っていこうという運動を目の当たりにしてきました。今、世界中で干潟保全と復元運動が活発に行われています。干潟の価値を再認識する行政こそが21世紀にむけて問われています。日本は生物多様性条約とラムサール条約の締約国です。種が大変な勢いで消滅していっている現況を考えるとき、また、種の消滅は種の生息地の減少と関係していることを考えるとき、豊饒(ほうじょう)の幸を人間に与える干潟をこれ以上失ってはなりません。埋立計画の白紙撤回を求めます。
 






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