三番瀬を守る署名ネットワークが

「転業準備資金」融資問題で県知事に要求書



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 県企業庁が、三番瀬の埋め立て構想に伴って1982年、地元の市川市行徳漁業協同組合に県信用漁業協同組合連合会(信漁連)を通じて約43億円の転業準備金を貸し付けていることが分かりました。
 企業庁は、埋め立て構想に伴う「漁業補償」ではなく、あくまで「漁場環境の悪化による転業準備金」と説明していますが、埋め立て計画を前提にした事実上の漁業補償です。
 同月17日には、企業庁は、企業庁が最終的に肩代わりする融資の利息が1998年度末までに計約55億円にのぼっていることを明らかにしました。
 そこで、「三番瀬を守る署名ネットワーク」は11月19日、次の2点にかんする要求書を県知事に提出しました。
  • 三番瀬埋め立て計画の確定以前に「転業準備資金」(事実上の漁業補償金)を融資したことの説明
  • 漁業補償金を受けとっていた市川市行徳漁協組合長の平野寅蔵氏が補足調査専門委員会、計画策定懇談会の委員に選ばれていることには疑義があり、平野氏を同委員会・懇談会から更迭すること。
 以下は、三番瀬を守る署名ネットワークの大浜清代表の報告と県知事あての要求書の内容です。


 

大浜清さん(三番瀬を守る署名ネットワーク)の報告



1999年11月20日  

 皆様
三番瀬を守る署名ネットワーク、千葉の干潟を守る会  
  大 浜  清    


拝啓
 三番瀬保全について皆様のご協力にお礼申し上げます。私たちは11月19日、別掲のような要求書を千葉県に提出してきましたので、ご報告申し上げます。
 新聞でも報道されているように、千葉県企業庁は、三番瀬埋め立てについて、基本計画がまとまる10年も以前に、無利子で転業資金を貸し付けるという漁業補償の実質的前渡しを行い、その金額は43億円、毎年の利子負担は17年間で55億におよぶ、という無軌道なやり方を行ってきました。
 これは、漁民の額(ひたい)をあらかじめ金で叩いておき、その鼻面を引き回そうといういうやり方です。しかも、予算費目をあげて議会を通すこともやっていません。
 19日の「要求」提出の際にも、県企業庁側は「検討して回答する」をくり返すのみで、事実の有無についても答えませんでしたが、否定もできませんでした。埋め立て計画の見直し過程で露呈したこの問題の処置に窮したものと思われます。
 「はじめに埋め立てありき」ではないか、埋め立ての必要性はどこにあるのか、という私たちの三番瀬埋め立て計画批判を、この問題はいみじくも裏書きしています。
 責任は、利用された漁民よりも、あげて歴代企業庁長と沼田県知事にあります。直接の実行者ではなくても、就任2年目にこの問題を発生させ、三番瀬埋め立て計画を推し進め、利子負担というかたちで、毎年、漫然と県費の支出を承認してきた知事の責任は大きなものがあります。
 私たちは「要求」に対する回答を要求中です。この問題は、千葉県政の体質と姿を如実に示しています。私たちと一緒に、県の対応を厳しく監視なさって下さいますよう、皆様にお願い申し上げます。
 同時に私たちは、「三番瀬埋め立て計画をもう一度白紙に戻して考えよ」という、かねてからの主張をあらためて明示したいと思います。
敬具 




千葉県知事あての要求書




1999年11月19日  

 千葉県知事 沼 田  武  様

三番瀬を守る署名ネットワーク  
代 表  大 浜  清    


市川市行徳漁協への「転業準備資金」融資問題に関しての要求

 新聞・テレビ報道によれば、三番瀬の埋立問題にかかわって1982(昭和57)年、企業庁が市川市行徳漁協(平野寅蔵組合長)に「転業準備資金」という名目で約43億円の融資をさせていたということである。このことに関し、私たちは以下の2点を要求する。
  1. 「転業準備資金」という名目が付けられ県信用漁業協同組合連合会を通しての融資であっても、これは企業庁が行った漁業補償であり、埋立計画が決定されていない段階ですでに漁業補償が行われたということを示している。
     一般的に言って、漁業補償は埋立事業が正式に認められたうえで行われるべきものである。埋立計画が確定される前に、「転業準備資金」という名目で事実上の漁業補償が行われていたということはきわめて重大で、補償すべき海域の埋立が行われなかった場合、43億円の「転業準備資金」について県はどのように説明するのか。
     確定していない事業計画に対して事前に補償金を支払ったこの問題は、三番瀬埋立計画(市川2期計画)の不当性を象徴するものである。
     報道された43億円という「転業準備資金」の算出根拠、信漁連に支払っている利息の全額県負担の根拠を含めて、なぜ計画確定以前に市川市行徳漁協に「転業準備資金」(漁業補償金)を融資したのか、この点の説明を要求する。

  2. また、漁業補償金を受けとっていた団体である市川市行徳漁協組合長の平野寅蔵氏が補足調査専門委員会、計画策定懇談会の委員に選ばれていることには疑義がある。
     本来、これら2つの委員会は埋立計画に対して公平、公正に調査・検討を加えるべき性格のものであり、すでに埋立を前提にして漁業補償金を受け取っていた団体の代表をメンバーに加えることは公正な委員選出の方法ではなく、2つの委員会の公正さを損なうことになる。上記2委員会にかかる団体の代表を委員として選出したことは不適切と言わざるをえず、この点からも県当局の責任は重大であると考える。
     委員会の公正な運営を期するうえからも、平野寅蔵氏の補足調査専門委員会および計画策定懇談会からの更迭を要求する。




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