日本湿地ネットワークなどが

「'99 国際湿地シンポジウム in 三番瀬」を開催

〜 約200人が参加 〜

写真撮影:岩田孝昭、中山敏則


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 全国で干潟保護運動にとりくんでいる日本湿地ネットワークと、三番瀬保全運動を進めている県内の市民団体は、(1999年)9月25日夜、米国や韓国で湿地の保全や復元にとりくんでいる人をゲストに招いて、「国際湿地シンポジウム in 東京湾三番瀬」(日本湿地ネットワーク、実行委員会が主催)を市川市文化会館で開きました。参加者は約200人でした。
 シンポジウムでは、まず、実行委員長で「千葉の干潟を守る会」の大浜清代表が、「三番瀬保全をめぐる現状」というテーマで報告。大浜さんは、県が埋め立て計画の面積を縮小したことについて、「縮小案は、埋め立て費用を捻出するために、先に土地を造成し、後から埋め立ての目的を考えるようなやり方の尻尾を断ち切ったのか」と批判。埋め立てとセットで計画されている人工干潟造成については、「人間が自然を再生させることができるのか。私たちができるのは、自然が復元するのを手助けするだけ。くれぐれも『再生』という思い上がった考えは捨てていただきたい」と主張。そして、「これ以上、三番瀬を埋め立ててはならない」「傷だらけになった東京湾の海辺の環境を修復し、その機能を回復させることが求められているが、それは人工海浜(干潟)の造成によってではなく、干潟本来の姿の機能を復元させるものでなければならない」と述べました。
 つぎに、米国内務省魚類野生生物局のピーター・ベイさんが「サンフランシスコ湾の湿地保全と復元のとりくみ」と題して、スライドを使いながら同湾での湿地復元のとりくみを講演しました。ベイさんは、「設計したどおりに植物は生えてくれるわけではない」と自然復元の困難さを話しました。つづいて行徳野鳥観察舎友の会の東良一さんが、行徳鳥獣保護区(千葉県市川市)での自然復元のとりくみを話しました。
 ディスカッションでは、大浜清、ピーター・ベイ、東良一の各氏のほかに、韓国湿地保全連帯会議の金敬源、日本湿地ネットワークの柏木実の両氏が加わり、わずかに残された干潟をどう保全するか、そして破壊された湿地をどう復元するか、などについて意見を交わしました。ピーター・ベイさんは「1960年代に市民運動が盛り上がり、保全法が制定された。これによって、三番瀬埋め立て計画のようなものはつくれなくなった。湿地回復が進んだが、環境の回復は予測が難しく、まだ実験の段階だ」と話し、人工干潟については慎重な対応が必要だと強調しました。また、三番瀬埋め立て計画については、「埋め立て面積が縮小されたのはいい方向に進んでいると思える。しかし、面積を縮小したとはいえ、わずかに残された干潟をこれ以上つぶしていいものなのか。このような計画はやるべきでない」との考えを示しました。
 韓国の金敬源さんは、「韓国の行政当局は、埋め立ては日本の経済発展に大きな効果があったとし、日本の例をあげて干潟埋め立ての正当性を主張している。日本の動向が韓国の保全運動にも大きく影響する。韓国と日本で保護運動の連携をとってゆきたい」と話しました。ディスカッションでは、客席からも数名の人が発言し、討論に参加しました。
 なお、シンポジウムに先立ち、前日(24日)の夕方は海外ゲストの歓迎会を、そして、25日の昼間は三番瀬と行徳鳥獣保護区の視察をおこないました。また、シンポの翌日(26日)は小櫃川河口干潟(盤洲干潟)を視察しました。
 今回のシンポジウムは、国際湿地シンポジウムツアー(三番瀬、藤前、敦賀、諫早、和白)の第1弾でした。







千葉の干潟を守る会(シンポジウム実行委員長)の大浜清さんが「三番瀬保全をめぐる現状」を報告。








米国内務省魚類野生生物局のピーター・ベイさんは、スライドを使って、サンフランシスコ湾における湿地復元のとりくみを話してくれた。








行徳野鳥観察舎友の会の東良一さん。東さんは、行徳鳥獣保護区における湿地復原のとりくみを話してくれた。








ディスカッションのパネラー。








ピーター・ベイさんと通訳の東梅貞義さん(WWFジャパン)。ピーターさんは、「1960年代に市民運動が盛り上がり、保全法が制定された。これによって、三番瀬埋め立て計画のようなものは作れなくなった。湿地回復が進んだが、環境の回復は予測が難しく、まだ実験の段階だ」と話し、人工干潟については慎重な対応が必要だと強調しました。また、三番瀬埋め立て計画については、「埋め立て面積が7分の1に縮小されたのはいい方向に進んでいると思える。しかし、面積を縮小したとはいえ、わずかに残された干潟をこれ以上つぶしていいものなのか。このような計画はやるべきでない」との考えを示した。








韓国湿地保全連帯会議の金敬源さんと通訳の金宣希さん。金さんは、「韓国の行政当局は日本の例をあげて干潟の埋め立てを押し進めようとしている。日本の動向が韓国の保全運動にも大きく影響する。韓国と日本で保護運動の連携をとってゆきたい」と話した。








右から日本湿地ネットワークの柏木実さん、千葉の干潟を守る会の大浜清さん、行徳野鳥観察舎友の会の東良一さん。






東良一さんは、行徳鳥獣保護区におけるボランティア団体(行徳野鳥観察舎友の会)の湿地復原のとりくみを話してくれた。このとりくみは先駆的で、たいへんすぐれた事業である。








パネラーなどの話を熱心に聞く参加者(2階席)。








ロビーで出版物などを購入する参加者。








今回のシンポジウムでは、約40人がスタッフとして協力してくれた。













 ★ '99 国際湿地シンポジウム in 三番瀬

ア ピ ー ル





 東京湾の干潟と浅瀬は、これまで私たちにさまざまな贈り物をとどけてくれた。
 それは水鳥たちの餌場であり、休息地として、
 また、漁業の場であり、市民のレクリェーションの場、人の心を豊かにする場として、
 そして、水質浄化や酸素供給の場として。
 が、人々は経済の利益や便利さを求めるあまり、これまで埋め立てを許してきてしまった。
 今、やっと、ものいわぬ東京湾の恩恵に思いをはせている。人は失ったとき、初めてその価値の大きさに気づくのである。
 干潟が重要であるという認識は、いま世論を盛り上げ、三番瀬を守れの声は、千葉県の計画を見直し縮小へと導いた。
 干潟・湿地保全は、日本のみならず世界の声である。同時に、破壊されてしまった自然環境を回復させる実践もはじまっているし、その要求も強い。干潟・湿地は“生きるもののいのち”である。
 ご存知のように、東京湾の干潟は9割以上が埋め立てられてしまった。今ある干潟を大事にしたい。三番瀬の埋め立てを許してはいけない。破壊と抱き合わせの人工海浜・人工干潟のまやかしを許してはいけない。そのうえで、ここまで傷つけられてきた東京湾の痛みを思い、その回復をはかりたい。
 本日は、サンフランシスコ、韓国からゲストを迎え、各国で行われている湿地保全のとりくみと復原の試みの報告を受けた。埋め立ててからの復原はどんなに困難を伴うかを確認した。
 今ある干潟 三番瀬を守ろう! わずかに残された東京湾の干潟を守ろう!
 本日ここに集まった我々は強く県に要求する
 −−千葉県は三番瀬の埋め立て計画を撤回せよ!−−

 1999年9月25日


'99 国際湿地シンポジウム in 東京湾三番瀬  
参加者一同








 ★ '99 国際湿地シンポジウム in 三番瀬

海外ゲストの歓迎会








歓迎会には20人が参加。








左から通訳の金宣希さん、韓国の金敬源さん、米国のピーター・ベイさん、日本湿地ネットワークの柏木実さん、通訳の伊藤章夫さん。










 ★ '99 国際湿地シンポジウム in 三番瀬


三番瀬の視察








大浜清さんの説明を聞く。








三番瀬の野鳥を観察。








韓国の金敬源さん。








米国のピーター・ベイさん。








市川側の三番瀬を視察。










 ★ '99 国際湿地シンポジウム in 三番瀬


行徳鳥獣保護区の視察








まずは、ボランティア団体「行徳野鳥観察舎友の会」がつくってくれたカレーとおでんで腹ごしらえ。








東良一さんが、行徳鳥獣保護区の歴史や湿地復元のとりくみをわかりやすく説明。








行徳鳥獣保護区は、かつて日本有数の水鳥の飛来地だった行徳一帯(三番瀬の一部)が埋め立てられた後、保護運動によって水鳥のために人工的につくられた場所である。行徳野鳥観察舎友の会は、蓮田が広がり、水鳥があふれる風景の再現を夢見て、湿地の復原にとりくんでいる。写真は、水質浄化に効果を発揮している水車。








参加者は、池の水質浄化に大きな威力を発揮している水車に感動。この水車は、沖縄大学の宇井純教授の指導によって導入した。








行徳鳥獣保護区はカワウの一大コロニーになった。ここには、カワウが5000羽棲(す)んでいる。












現地視察後の記者会見。









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