(財)日本自然保護協会

 三番瀬埋め立て縮小案の環境影響予測

 に対して質問書





 (財)日本自然保護協会は(1999年)7月7日、県がまとめた縮小案の環境影響予測に対する質問書を県企業庁長に提出しました。同協会は、県が「環境への影響は小さい」とする科学的根拠が示されていないと指摘しています。
 質問書では、縮小案の環境の与える具体的なデータ説明を求めており、人工海浜・干潟を造成した場合の底生生物の生息状況や、魚類や鳥類への「影響は小さい」と判断した具体的な理由など6項目にわたっています。
 質問書の内容は次のとおりです。


 


1999年7月7日
 千葉県企業庁長 中野英昭 様

千代田区三番町5‐24山路三番町ビル3F
財団法人 日本自然保護協会
研究担当部長 開発 法子


  三番瀬埋め立て計画「見直し検討案における
  影響予測」に対する質問

 先般6月19日に開催された第3回市川二期地区・京葉港二期地区計画策定懇談会で「見直し検討案における影響予測」が公表されました。計画策定懇談会での議論の結果、「『影響が小さい』とする科学的根拠が示されていない」との指摘を受け、千葉県は、次回の計画策定懇談会までに「重要種への影響も含め、詳細なデータに基づく影響予測を行う」と発表しました。
 しかし、千葉県は、その後も県議会での知事発言に見られるように本影響予測に基づき、「見直し案は環境への影響が小さくなる」との見解をそのまま発表し続けています。
 当協会において「見直し検討案における影響予測」の内容を検討した結果、以下の質問に見られるようなデータの不足、疑問点、問題点が見出され、現段階では「環境への影響は小さい」とは言えないものと考えています。
 つきましては、下記の質問1〜5に7月末日までに文書にてご回答下さるようお願いいたします。
 千葉県におかれては、今後科学的に影響予測を行い、埋め立て計画による環境への影響の回避を徹底的に検討されることを重ねて要望いたします。


質問事項


* 下記の質問への回答で、現段階で明らかになっていない場合はその旨と、今後の影響予測実施の予定をお答えください。


1.見直し検討案における影響予測全般について

質問1
 環境影響評価法では、環境影響評価の結果に責任を持たせるために、実際に実施した者の氏名(委託先が法人の場合はその名称、代表者氏名)、住所を明記することを定めている(例:補足調査結果報告書では、補足調査専門委員会委員名が公表されている)。
 本影響予測を実際に実施した者の氏名をお示しください。


質問2
 当初計画(埋立面積740ha)による影響との比較を行っているが、埋立面積が7分の1になった見直し案では、「当初計画に比べて影響は小さく」なるのは当然のことである。影響予測は、環境への影響の回避、環境保全策を実行するための基礎となるデータであり、現況と比較しての影響を明らかにしなければ意味がない。
 現況との比較による影響が記載されていない項目のうち、下記の項目についての影響及びその根拠となるデータについてお答えください。
@ 残存浅海域の底質環境(人工海浜・浅場を想定しない場合)及び環境の多様性
A マクロベントス群集の多様性


質間3
 予測において、人工海浜・浅場の造成を想定している場合どのような形状(底質、傾斜等)で何へクタールと設定しているのか。


2.マクロベントスの生息量の予測について

質問4
 表T.3‐1 において海浜・浅場の造成を考慮した場合の「将来」とは、具体的にどのような設定か(造成後の経過時間、環境条件等)。


質問5
 表T.3‐1「見直し検討案将来」区分Aで用いた塩浜前面中央干出域(養貝場)・船橋海浜公園前面海域の「マクロベントス生息密度」及びその「データの出典」を示してください。
 また、その生息密度は自然状態でのものか、アサリ等稚貝的供給がある場合のものか、お答えください。


質問6
 表T.3‐1「見直し検討秦将来」では海浜・浅場の造成を考慮したデータが示されているが、このデータが出されるに至る過程の次の2段階ごとにそれぞれ底質環境及びマクロベントスの生息個体数・湿重量をお答えください。

 第1段階 海浜・浅場の造成によって失われる底質環境及びマクロベントス生息個体数・湿重量の変化量(現況との比較で)
 第2段階 造成により新たに形成される底質環境及びマクロベントス生息、個体数・湿重量の変化量(第1段階との比較で)


質問7
 表T.3‐1で「二枚貝類」「その他」について、Aの区域において見直し検討案では海域の面積が減少し個体数が減少しているのに湿重量が増加している。その理由は何か。
 もし、人工海浜・浅場の造成を前提にアサリ等の稚貝の人為的供給を考えているのであれば、供給量、頻度等その詳細なデータを示してください。


質問8
 資料5)、「現況」と「見直し検討案(埋立のみ)将来」との比較で、Aの区域において海域の面積が減少しているのに、二枚貝類の個体数と湿重量が増えている理由は何か。


3.魚類(幼稚魚)の予測について

質問9
 埋立地前面に砂浜・浅場を造成することでイシガレイ・ヒメハゼの生息量の減少が小さくなると推定した理由は何か。


質問10
 「幼稚魚の生息場に必要な環境が形成されている市川側奥部が持っている機能の消失による影響については明らかでない」としながら、見直し案の影響予測として「影響は小さい」としている(報道機関等への発表を含む)理由は何か。


4.鳥類の予測について

質問11
 キョウジョシギ、ミユビシギ、ハマシギ、ヒドリガモ、オナガガモ、スズガモ等について、個体数の減少の可能性があるとしながらも、見直し案の影響予測として「影響は小さい」としている理由は何か。


質問12
 特にスズガモにとっては、採餌場が狭くなり、周辺地域への影響を及ぼす恐れがあるとしながらも、見直し案の影響予測として「影響は小さい」としている理由は何か。


5.生態系の機能の予測について

質問13
 埋め立てによりボックス1のT−N及びCOD浄化量の減少が、他の海域の水質浄化量に及ぼす影響をどのように把握し、それをボックス2〜7の浄化量に反映させているか。


質問14
 ボックス1の消失による三番瀬全体の水質浄化機能の低下は、長期的にみて東京湾の水環境にどのような影響を及ぼすかの検討状況をお示し下さい。


6.個々の土地利用による影響について

質問15
 計画されている下水処理場、第二束京湾岸道路、まちづくり支援用地等の個々の土地利用計画が環境に与える影響については、今回の影響予測では触れられていないが、今後の影響予測の実施についての具体的な予定をお示しください。


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