★三番瀬を未来に残そう


干潟は「生命のゆりかご」


 文・写真   三番瀬を守る会会長  田久保晴孝



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ハマシギの採餌
ハマシギの採餌




ひき潮のときあらわれる、遠浅の海辺。
カニや貝が住み、魚が育ち、渡り鳥がくるところ。
ノリがとれ、潮干狩をするところ。
干潟はいま埋立のため数少なくなっています。
貴重な自然環境と海のあるくらしをみんなの力で守りぬきましょう
   (1976年全国干潟シンポジウム、千葉アピール文より)。
 私たちは毎月、千葉県船橋市の三番瀬干潟の自然観察会をやっています。広大に広がる干出した干潟に、点々と続く夕マシキゴカイのふん。干潟で休んでいた千羽を超すコアジサシが飛び、青空に舞います。たくさんの人が貝を掘り、子どもたちが自由に遊ぶ。……青い空とキラキラとする波、白い鳥の群れ、美しい日本の原風景がここにあります。


●戦後半減

 干潟とは、潮の満ち引きによって水をかぶったり、干上がったりする、平たんな海岸線のことです。
 日本の干潟は1945年に約8万3000ヘクタール残っていましたが、97年には約4万6000ヘクタールと、戦後50年で45%の干潟が埋め立てと干拓で消滅しました。
 東京湾でも明治の初め、湾の面積は14万ヘクタール、干潟は1万3000ヘクタールありましたが、2万4000ヘクタール(東京湾の20%)が埋め立てられ、干潟も1000ヘクタール(同8%)になりました。もう開発と調和できるほどの干潟や浅瀬は残っていません。
 東京湾に現存する干潟と浅瀬は、江戸川区葛西沖の三枚洲の一部、木更津市の盤洲(ばんず)、富津市の富津洲(約半分埋め立てられました)、習志野市の谷津干潟(40ヘクタール)と三番瀬の5カ所だけです。


●憩いの場

 干潟は「生命のゆりかご」といわれています。陸からの栄養分が流れてきて、干潮時にたくさんの酸素や光をあびて、ものすごい量の生物を育てています。
 三番瀬では鳥類89種、植物プランクトン302種、ゴカイなど底生生物155種、魚類101種、合計647種の生物が確認されています(千葉県「三番瀬補足調査専門委員会」報告、98年9月)。
 ゴカイやカニや貝や魚などをえさにする水鳥たちは、干潟や浅瀬がないと生きていけません。日本では、サギ、カモ、カモメのほか、シベリア、アラスカからオーストラリア、ニュージーランドまで旅行するシギ、チドリの中継地になっています。三番瀬はスズガモの日本一の生息地で約10万羽確認されています。
 ノリ、アサリ、カレイなどの好漁場であり、多くの魚が稚魚のあいだ干潟や浅瀬で過ごしています。釣りや潮干狩りなどの市民のレクリェーションや憩いの場としても重要です。
 干潟と浅瀬の微生物を含む生き物は、干潟の栄養分を毎日えさとして食べています。私たちが出した汚水(有機物など)の多くが、この生物に吸収されて、水質を浄化します。三番瀬では、全窒素で575トン(高次処理場200万人分)、COD(化学的酸素要求量)2245トンでは13万人分の下水処理能力があります(同前調査報告)。
 また、気温が上昇する都市のヒートアイランド現象を緩和してくれる働きもあります。
 一度失われた干潟の再生は難しい。干潟を保護することは、地球環境を守るために大切なことです。



ミヤコドリ。主に貝を食べる。



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