三番瀬埋め立て計画中止を求める要望書を提出

〜日本湿地ネットワーク〜




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 全国的に干潟の保全運動を展開する市民団体「日本湿地ネットワーク」(山下弘文代表)は、三番瀬埋め立て計画の中止を求める要望書を沼田知事あてに提出しました。
 要望書によると、県の補足調査結果報告書によって計画が三番瀬に与える影響が明確になり、環境庁長官も三番瀬の現地視察で「保全したい」と述べたことは、日本の環境行政を見直す大きなきっかけだとして、ネットワークは、三番瀬の開発中止と計画の根本的な見直しを求めています。
 諫早湾の干拓問題にとりくんだ山下代表は、会見で「(計画の段階で環境への影響を予測し、公表するなど)千葉県は(保全の)見本のような形で進んでいる。ただ実際には、予測した以上の大きな影響が必ず出る」と語りました。
 要望書の全文は次のとおりです。





1999年2月19日

 千葉県知事 沼 田  武 様

日本湿地ネットワーク
代表  山下弘文


三番瀬干潟保護についての要望

 貴職におかれましては、日夜、千葉県民の生活と福祉増進のため努力しておられることと心から敬意を表します。
 ご案内のように19997年4月14日の諫早湾閉め切り後、国内的にも干潟の持つ重要性と公共事業のあり方が大きな問題として浮かび上がりました。こうした国内・国際的世論を背景に、今年に入り環境庁と運輸省、とくに名古屋市の英断によって伊勢湾藤前干潟が保護されることが確定されました。このことはラムサール条約締約国会議を前にして国内の干潟保護にとって画期的なことであり、国際的にも大きく評価される点だと考えます。
 現在、大きな問題となっている三番瀬干潟開発問題については、大幅な見直しに着手されたこと、とくに、早い時点で全国に先がけて県環境会議を設置されたご努力に心から敬意を表します。さらに、三番瀬埋立計画立案者である県企業庁と土木部による「補足調査結果報告書 予測編」が出されましたが、この報告書でも渡り鳥の渡来地が壊滅的な打撃を受け、周辺環境にも大きな影響がでる恐れがあることが、明確に指摘されました。また、去る16日、真鍋賢二環境庁長官が現地を視察され「干潟を含む貴重な景観をなんとしても保全したい」と述べられました。
 こうした一連の出来事は、これまでの日本の環境行政を根本的に見直す大きなきっかけになりつつあります。
 干潟の持つ重要性は今さら申し述べる必要はないものと考えます。干潟は渡り鳥の越冬地・中継地として重要なだけではなく、人間が生きていく上で失ってはならない貴重な自然環境です。熱帯雨林に勝るとも劣らない生物多様性に富んでいること。重要水産生物の産卵場・稚仔の生育場として沿岸漁業にとってなくてはならない場であること。干潟が持つ浄化能力は人工的な下水処理場を大きく上回ることなどが、最近の研究で明らかになっています。さらに重要なことは未来を担う子どもたちにとって、環境・情操教育の場として失ってはならない貴重な自然環境であるということです。
 こうしたことから、21 世紀を目前にして行政や政府がなすべきことは、残された数少ない干潟環境を開発、とくに公共事業の名の下に消滅させることではなく、それをラムサール条約にいうところの「賢明な利用」を住民を含めて立案することであると確信いたします。
 日本に「親のすねを囓(かじ)るな」という諺がありますが、現在の公共事業のあり方を見ていますと、大人が目先の豊かさを求めて「子や孫のすねを囓っている」のではないかとすら思われます。大人たちの「付け」を子どもたちに残してはならないと思います。
 以上のことから、私たちは、貴職に対して直ちに三番瀬干潟開発を中止し、計画の根本的な見直しを行っていただきたいと強く要望するものです。
 どうかよろしくお願いいたします。





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