一坪とも干潟の消滅は許せない

〜 子どもたちや孫たちにすばらしい三番瀬の自然を残そう 〜


諫早干潟緊急救済本部代表、日本湿地ネットワーク代表 山下弘文



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●谷津干潟との関係は重要なポイント

 三番瀬干潟の開発問題は、みなさん方の息の長い運動によって縮小案などが検討されるようになり、よい方向に向かってきつつあると思います。しかし、これまでの官僚や行政のやり方を見ていると、決して楽観ばかりしてはおれないのではないでしょうか?
 本来、三番瀬干潟が有している干潟そのものの価値と我が国唯一のラムサール登録湿地である谷津干潟との関係は、問題解決の最も重要なポイントだと思います。
 
 
●問題点を執拗に追究し、批判し続けることこそが勝利への道
 
 諌早湾干潟の問題もそうでした。1万ヘクタールの閉め切りが中止になって、この問題も終わりか、と考えていると、すかさず開発計画を変更して縮小案の検討に入りました。そして何ら科学的な検討を得ないまま、足して2で割るという政治決着で3550ヘクタールの閉め切り面積が一人歩きしてしまったのです。1万ヘクタールだろうが、3550ヘクタールだろうが、国際的に貴重な日本最大の干潟が失われることに変わりはありません。ここには、一旦決定した開発計画は、何が何でも推し進めようという、戦後日本公共事業の最も悪い典型が見られます。
 三番瀬問題が諌早湾の二の舞いをしないとは、だれも断言出来ないでしょう。公共事業の目的そのものに注意深い目を向けて、市民の立場から学際的に問題点を執拗に追究し、批判し続けることこそが勝利への道ではないでしょうか。
 
 
●三番瀬干潟を守り抜くことは、自然環境保護の重要な試金石
 
 世界的にも日本の干潟開発問題が大きな話題になり、その保護・保全に危惧の念を持っている多くの人々がいます。口先だけの自然環境保護や渡り鳥の保護を唱える人々が多すぎます。「開発は『自然との共生』の理念のもとに行います」と念仏のように唱え、問題をすり替え、いつの間にか貴重な自然環境を消滅させる開発がまかり通っていることを私たちは決して忘れることが出来ません。日本の干潟保護の問題は21世紀の日本の環境問題の在り方を端的に示す重要な問題でしょう。
 渡り鳥に限って見ても、どんなに繁殖地である干潟を保護しても、中継地・越冬地である干潟が少しでも消滅することは、渡り鳥たちの種の存続にとって致命的なものとなるであろうことは常識でしょう。
 今、私たちに必要なことは、一坪たりとも国内の干潟の消滅は許せないという強い決意ではないでしょうか。狡猾極まりない行政や議員、官僚などと真正面から闘うことは、考える以上に困難な問題だと思います。しかし、熱帯雨林にも勝るとも劣らない干潟の存在は人間の種の存続にとっても重要な自然環境であり、『理』は私たちにあります。
 干潟を守ることは、私たち日本人の国際的な責務であると固く信じます。英知を傾けて一人ひとりが頑張ることに勝利のカギがありそうです。
 三番瀬干潟を守り抜くことは、将来の日本の自然環境が破滅に向かうのかどうかの重要な試金石ともいえます。子どもたちや孫たちにすばらしい干潟の自然を残すため、お互いに悔いを残さないように、全力を挙げて頑張りましょう。私も諌早の水門が解放され干潟がよみがえるまで頑張り抜きます。

(1998年12月)  




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