貸付金返済をめぐる提訴で県企業庁と交渉

〜三番瀬人工干潟失敗で信漁連に5億5000万円〜



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 千葉県(企業庁)が県信用漁業協同組合連合会(信漁連)を相手取って提訴した問題で、「三番瀬公金違法支出判決を活かす会」は(2011年)8月12日、企業庁の担当課(地域整備部事業調整推進課)と交渉しました。三番瀬を守る連絡会も参加しました。


◆漁協の人工干潟造成失敗を県企業庁が尻ぬぐい

 交渉事項は、提訴問題の背景や経過、内容を質すことです。その結果、県企業庁のいい加減さがあらためて浮き彫りになりました。
 交渉で判明したことを大づかみでまとめるとこうです。
  1. 市川市行徳・南行徳両漁協は、1982(昭和57)年から86(同61)年にかけて、市川市塩浜1丁目地先で人工干潟「養貝場」を造成した。ここは三番瀬の市川側海域の一部である。
     人工干潟造成の目的は潮干狩り場をつくることであった。事業の名目は「市川地区漁場改善事業」である。しかし、人工干潟を造成してアサリを撒(ま)いても、アサリは定着しなかった。事業は失敗したのである。事業費は3億8900万円であった。両漁協はこの資金を信漁連から借りた。しかし、事業が失敗したため、3億8900万円とその利息の返済が困難となった。

  2. 両漁協は1992(平成4)年、この負担の解消を県企業庁に要望した。つまり、事業失敗の尻ぬぐいを企業庁に求めたのである。企業庁は、この人工干潟造成は両漁協の自主事業であるから、企業庁が負担を解消するわけにはいかない、とした。
     しかし企業庁は、当時、三番瀬の新たな埋め立て計画(市川二期埋め立て計画)を進めていたことから、計画の円滑な推進のために、翌1993(平成5)年に5億5000万円を信漁連に無利子で貸し付けた。5億5000万円の内容は、両漁協が信漁連から借りた3億8900万円とその利息分の一部であった。

  3. 企業庁と信漁連が1993年12月13日に締結した協定書によれば、返済期日は1997(平成9)年3月28日となっていた。しかし、その期日までに返済しない場合は、返済期日が毎年自動延長されることになっていた。じっさいに、そのとおりに自動延長が続いた。
     両漁協は信漁連に返済する気がまったくなかった。信漁連も、両漁協が返済しないことを理由にし、企業庁に返済しなかった。これが14年間続いたのである。

  4. ところが、企業庁の土地造成整備事業は、2012(平成24)年度末で収束することになった。貸付金を整理する必要が生じたのである。そのため、2011(平成23)年3月31日をもって返済期限を延長しないこととした。その旨を信漁連と両漁協に伝えた。しかし、信漁連と両漁協は返済する気がまったくない。そこで、企業庁は、5億5000万円の返済を求め、信漁連を相手取って8月10日に提訴した。
 以上が概要です。


◆今回の提訴は評価できる

 交渉ではっきりしたのは、次の3点です。
  1. 県企業庁は両漁協に完全になめられていたということです。自主事業が失敗しても、最後は企業庁が面倒をみてくれるという甘えがありました。じっさいに、転業準備資金問題で明らかなように、企業庁は、脱法行為までして両漁協のいいなりになってきました。

  2. 企業庁は5億5000万円もの大金を無利子で信漁連に貸しました。しかも、返済期限は自動延長ですから、何年たったも返済しなくてよいということです。企業庁の土地造成整備事業の収束がなかったら、今後もずっと返済期限の自動延長が続いていました。

  3. しかしながら、土地造成整備事業の収束がせまっているからとはいえ、今の企業庁は断固として返済させるという姿勢です。そのため、8月10日に提訴しました。これは、当たり前のこととはいえ、評価できます。というのは、これまでの企業庁には、そんな姿勢がまったくみられなかったからです。
 以上です。














三番瀬人工干潟失敗の貸付金返済をめぐる信漁連提訴問題で、県企業庁にいきさつなどを質した。


市川市行徳・南行徳両漁協が造成した「養貝場」(人工干潟)
=2011年5月18日に撮影。生物相はたいへん貧弱である。





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