三番瀬再生会議の解散で県交渉

〜三番瀬を守る連絡会〜



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 「千葉の干潟を守る会」など9団体で構成する「三番瀬を守る連絡会」は(2010年)12月16日、緊急に県交渉をおこないました。
 森田千葉県知事は、住民参加の「三番瀬再生会議」を解散し、それに代わる新組織を発足させることを表明しました。新組織では環境保護団体や住民の代表を排除です。また、そのことによって三番瀬の人工改変(人工干潟化)をスピードアップさせることも言明しました。人工改変の対象になっているのは市川側の猫実川(ねこざねがわ)河口域です。
 そこで、「新組織」の運営や人工干潟化について問いただしました。
 県側は、政策企画課(三番瀬再生推進室)、自然保護課、水産課、下水道課の4課が出席しました。
 県議会議員も、丸山慎一議員(共産党)、川本幸立議員(市民ネット・社民・無所属)、大野ひろみ議員(同)の3人が同席してくれました。
 進行役は丸山議員が務めてくれました。

 以下は、やりとりの一部です。


◎三番瀬再生会議に代わる新組織について

◇連絡会
     三番瀬再生会議に代わる新組織は「学識経験者だけで構成される」と報道されているが、住民や環境保護団体の代表を加えない理由は何か。

◆県
     新組織は学識経験者のみとし、それとは別に、地元住民や漁業者、環境保護団体などの意見を聞く場も設ける。そこには誰でも参加できるようにしたい。

◇連絡会
     新組織の情報公開はどうなるのか。再生会議と同じく、議事録を公開し、また傍聴と傍聴者の発言を認めるのか。

◆県
     議事録は公開し、傍聴も認める。傍聴者の発言を認めるかどうかは今後検討したい。


◎「人工干潟造成のスピードアップ」について

◇連絡会
     読売新聞(千葉版、12月1日)の記事は、人工干潟造成をスピードアップさせるために再生会議を解散する、というような表現になっている。県が話したとおりに記者が書いたと思われるが、解散の目的はそういうことなのか。

◆県
     たしかに記者から取材を受けた。しかし、どういうふうに答えたかは覚えていない。記者に迷惑をかけるわけにはいかないので、それ以上のことは言えない。

◇丸山慎一議員
     これは大事なポイントだ。ようするに、県はそういう認識をもっているととらえるしかない。

◆県
     ……。


◎人工干潟造成と生物多様性保全

◇連絡会
     人工干潟造成によって三番瀬の環境が改善されると本気で考えているのか。

◆県
     本年度、市川市塩浜2丁目の市有地の前面海域で人工干潟化の実験をおこなった。そうしたら、そこに新たな生物が棲みついているという結果もでている。だから、人工干潟化がいちがいに悪い結果をもたらすということにはならない。
     地元の市川市も、「市民が親しめる海辺に」ということで人工干潟造成を要望している。

◇連絡会
     猫実川河口域は、三番瀬の他の場所と異なった底質と生物相を維持している。三番瀬円卓会議(再生会議の前身)が2004年1月に県知事に提言した「三番瀬再生計画案」も、猫実川河口域について、「均一な砂質の底質環境となりつつある現三番瀬において、泥質であり汽水域の生物が多数生息している猫実川河口域の底質環境はまず保全すべき」「現在の泥干潟を砂浜に変えることは生物や環境の多様性を失わせることになる」と記している。
     したがって、そこに土砂を投入して人工干潟(=人工砂浜)にすることは、円卓会議の提言を無視するばかりか、「生物多様性ちば県戦略」に反すると思われるが、この点をどう考えるのか。

◆県
     「生物多様性国家戦略」は干潟の再生を否定していない。

◇連絡会
     「サンフランシスコ湾に学ぶ国際シンポジウム」(2005年)で講演した米国のピーター・ベイ博士は、三番瀬について、「1800haという狭い海に砂干潟と泥干潟の両方があるのはきわめてめずらしい」と述べた。
     猫実川河口域の泥干潟にはアナジャコがたくさん生息している。アナジャコが生息している藤前干潟(名古屋市)は人工干潟造成が中止になった。また、猫実川河口域には、浄化能力の高さなどが注目されている天然のカキ礁も存在する。
     そこに土砂を投入すれば、いま生息しているアナジャコなどの底生生物は死滅し、カキ礁も消失する。こうした点をどう考えるのか。

◆県
     猫実川河口域を人工干潟にすることは、まだ決まっていない。


◎早急に求められる環境改善策

◇連絡会
     三番瀬の環境改善策で求められているのは、人工干潟造成ではなく、三番瀬の環境に悪影響をおよぼしている要因をとりのぞくことだ。たとえば次のような弊害要因について、どう考えているのか。
    • 台風時における江戸川河口堰からの淡水と汚泥の一挙流入。
    • 青潮の襲来。
    • 下水道整備の遅れによって、全国屈指の汚れた川(春木川、国分川、海老川)から汚濁水が流れ込んでいる。
    • 江戸川と断ち切られ、きれいな水が流入しない。
    • 3つの下水処理場(西浦、高瀬、茜浜)から、塩素混じり処理水が三番瀬に直接放流されている。また、大雨時には未処理水も大量に放流されている。

◆県
    1について
       江戸川放水路の上流部に設置された行徳可動堰の機能が問題になるが、管理者の国交省は現在の機能を変更しないまま改修することにしている。したがって、すぐには解決できない。
    2について
       青潮もすぐには解決できない。
    3について
       下水道整備が進むよう関係市を指導している。
    4について
       1と同じ。
    5について
       合流式の下水道を分流式に改善するなど、大雨時の未処理放流を減少させるよう関係市を指導している。


◎「生物多様性ちば県戦略」との関係

◇川本幸立議員
     「生物多様性ちば県戦略」を三番瀬再生事業にきちんと反映させることがポイントのひとつになる。自然保護課内に設置された生物多様性センターも新組織や事業にかかわるべきと思うが、どうか。

◆県
     生物多様性センターもかかわることになる。

◇大野ひろみ議員
     新組織の構成メンバーが重要になる。中立であるか、それとも偏るか、ということだ。三番瀬がどうなるかは、世界から注目されている。一つの請願とか、ある特定の団体の要望だけを優先することがないよう強く要望したい。











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