「合意が得られない」は言いのがれ

〜三番瀬ラムサール条約登録で7団体が県に要請〜





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 三番瀬保全団体は(2010年)6月25日(金)、三番瀬のラムサール条約登録実現を千葉県知事に要請しました。要請したのは、「三番瀬のラムサール条約登録を実現する会」や「三番瀬を守る署名ネットワーク」、千葉県自然保護連合など7団体です。
 対応したのは、森茂環境生活部長と玉井日出夫自然保護課長です。


◆船橋側海域の先行登録も求める

 7団体は、
  • 三番瀬は生物多様性に富んだ豊かな海であり、登録条件を満たしている。
  • ラムサール登録を求める署名が12万に達している。
  • 三番瀬再生会議も、登録実現を求める意見書を知事に提出している。
 ──などの事実をあげ、次回の第11回「ラムサール条約締約国会議」(2012年)で登録実現をめざすよう求めました。

 三番瀬の登録については、環境省は積極的ですが、千葉県が登録手続きをしないため、進みません。
 県は、手続きをしない理由として、市川市の2漁協(市川市行徳・南行徳)が反対していることをあげています。一方、船橋市漁協は登録賛成決議をあげています。

 そこで7団体は、三番瀬全体が登録が無理な場合は、条件が整っている船橋側の海域を先行して登録ができるよう尽力してほしいと求めました。


◆「関係者の合意が得られない」

 これに対し、森環境生活部長は次のような回答をしました。
  • 森田知事は「三番瀬は千葉の宝である」と言っている。しかし同時に、「地元の意見も聞きたい」とも言っている。したがって、地元の市や関係者の意見を聞きながら対応したい。
  • 三番瀬のラムサール条約登録については、地元4市(船橋、市川、浦安、習志野)の意見が一致していない。また、環境団体の間でも意見がちがっている。これは悩ましいことであり、県としても苦慮している。
  • 船橋側海域を部分的に登録する場合も、三番瀬全体を登録する場合と同じ関係者の同意が必要になる。
  • 6月30日の三番瀬再生会議でラムサール条約登録について議論がされる。その議論の行方をみたい。
 以上です。基本的には、これまでの姿勢と同じです。


◆県がさぼりつづける本当の理由

 なんどもおしらせしたように、県は三番瀬をラムサール条約登録湿地にしたくありません。その理由は、第二東京湾岸道路を三番瀬に通したいからです。この道路は、浦安から千葉までの埋め立て地は8車線の用地が確保されています。ところが、三番瀬の埋め立て計画が白紙撤回されたため、そこで中ぶらりんになっています。
 しかし、そういう本当の理由は、絶対に口に出しません。「合意が得られない」の一点張りです。
 「(合意が得られないのは)悩ましいことであり、県としても苦慮している」は、大ウソです。それは、埋め立てや高速道路などの開発をやる場合は、あの手この手を使って執拗(しつよう)に推進することをみても明らかでしょう。県が必要とする場合は、住民や市民団体がいくら反対しても、強引に進めるのです。


◆ラムサール条約登録に反対する環境団体

 ところで、県は今回、登録したくない口実として「環境団体の間でも意見がちがっている」を新たに加えました。これは、三番瀬のラムサール条約登録に反対している3つの環境団体のことをさしています。
 3団体は5月27日、三番瀬問題に関する意見書を県知事に提出しました。意見書は、「ラムサール条約の分割的登録は本末転倒」としています。3団体はまた、猫実川河口域の人工干潟化を求める要望書も県知事に提出しています。
 3団体がどういう役割を果たしているのかが、よくわかるのではないでしょうか。

 以下は、要請書の内容です。



要請書




2010年6月25日

千葉県知事 森田健作 様

三番瀬のラムサール条約登録を実現する会
共同代表 相澤友雄・田久保晴孝
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 田久保晴孝
千葉の干潟を守る会 代表 大浜 清
市川三番瀬を守る会 会長 秋山 胖
千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子
自然と文化研究会Theかもめ 代表 佐藤聰子
千葉県野鳥の会 会長 富谷健三


第11回「ラムサール条約締約国会議」で三番瀬の登録実現を

 私たちは、東京湾に僅かに残された干潟・浅海域「三番瀬」の保全・再生に取り組んでいる団体です。

 2002年に発足した「三番瀬再生計画検討会議」は、三番瀬の再生の制度的保証としてラムサール条約登録実現を掲げました。
 私たちは、三番瀬の保全・再生の第一歩として、このラムサール条約登録実現のために2004年以来、県民・市民に署名を訴え、この間に12万に達する署名を集め、知事はじめ関係行政機関などに早期登録を働きかけてきました。
 しかし、今日に至るまで残念ながらこの署名に込められた登録実現を求める県民・市民の声は、実現していません。

 三番瀬は、東京近郊で潮干狩りが出来、ノリの養殖など都市漁業が行われ、地産地消で地球温暖化防止の役割を担い、同時に食料自給率アップにも役立ち、稚魚の揺籃の場所として東京湾漁業にとって欠かせない海域です。
 知事の諮問期間である「三番瀬再生会議」では、これまでも何度も委員から県側へ早期にラムサール条約登録実現を求める要望・意見が出されてきました。

 2009年の再生会議は、3つのワーキング・グループを発足させました。その一つである「ラムサール条約登録」問題を検討するグループでの検討の結果、「三番瀬を2012年のルーマニアでの第11回ラムサール条約締約国会議で登録の実現を図る。もし、三番瀬全体の登録が無理な場合は、船橋海域を優先的に登録を図る」とのことで合意したときいています。

 三番瀬は、現在環境省のラムサール条約候補湿地54箇所に登録されています。また、ラムサール条約登録条件である9つの国際的基準のうち5つの条件を満たしています。しかし、日本国内での登録条件は、「地元自治体等から登録への賛意が得られること」と定めています。浦安市、市川市などが登録自体に賛成しながらも、それぞれの事情により現時点での登録を時期尚早としています。

  •  船橋市議会は、2004年「三番瀬のラムサール条約登録湿地指定促進に関する決議について」を全会一致で可決しています。
  •  藤代市長は、前回と昨年6月の市長選挙で三番瀬のラムサール条約登録を選挙公約に掲げました。
  •  浦安、市川、船橋各市で構成される「京葉広域行政連絡協議会」が、今年1月の森田知事への要望書で三番瀬のラムサール条約登録促進を求めています。
  •  さらに、船橋市漁業協同組合は、2008年3月に「三番瀬のラムサール条約登録促進」決議をあげました。また、船橋観光協会も賛成しています。
  •  三番瀬は、千葉県が1996年から3年かけて実施した「補足調査」によれば、三番瀬では鳥類89種、動植物プランクトン302種、ゴカイなど底生生物155種、魚類101種、合計647種の生物が確認されています。2002年から2005年までの間に、180種の野鳥が観察されています。
 以上から明らかなように三番瀬は、まさに生物多様性に富んだ豊かな海です。船橋海域は環境省が求める登録に必要な基本的な条件を十分に満たしています。
 2012年ルーマニアで開催される「第11回締約国会議」で三番瀬の登録への道が開かれること、このことが無理な場合は、当面条件が整っている船橋海域を先行して登録を実現するよう、知事としてこれまで以上にご尽力くださいますよう心よりお願い申し上げます。





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