霞ヶ浦人工砂浜の惨状をえぐる

〜TBS「噂の!東京マガジン」〜



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 (2008年)3月30日放映のTBSテレビ「噂の!東京マガジン」の「噂の現場」が霞ヶ浦(茨城県)の人工砂浜をとりあげました。
 「自然再生」を名目に約1億3千万円をかけて昨年6月完成した稲敷市浮島地区の人工砂浜だけでなく、13年前に造成された土浦市石田地区の人工砂浜もとりあげました。
 いずれも無惨な状態です。税金のムダづかいばかりでなく、自然破壊です。

 番組は、人工砂浜だけでなく、年間1兆1000億円の“治水特別会計”(そのうち6700億円は一般会計から繰り入れ)の使われ方にも疑問を投げかけました。

 また、「本当に湖水を浄化し、自然を再生したいなら霞ヶ浦に流れ込む下水道の整備にもっとお金をかけてほしい」という住民の声も紹介しました。

 これらは、「三番瀬再生事業」にも通ずることです。
 たとえば、水質が全国ワース1の川(春木川)とワースト3の川(国分川)が三番瀬に流れこんでいます。しかし、千葉県などは、そうした流入河川の水質改善をまったく無視し、人工砂浜(人工干潟)をつくれば三番瀬の環境が改善するかのように宣伝しています。


 放映内容の概要は、「噂の!東京マガジン」ホームページに写真入りで掲載されています。
 以下は、その一部です。
    《現場は茨城県の霞ヶ浦。その湖で大量の砂と税金を注ぎこんで「人工砂浜」を造っているのだが、それに「疑問を感じる」という住民からのメールで山口良一が取材した。》

    《稲敷市の浮島地区に造られた現場を見に行くと石組みの突堤が現れた。人工砂浜とはこの突堤に砂を入れたものというのだが…。昨年6月、約1億3千万円をかけて完成したという人工砂浜は、わずか9か月で大量の砂が流失、無残な姿をさらしている。さらに別の場所に造る予定もあり同じ事の繰り返しになるのでは、と懸念されている。》

    《この人工砂浜のはじまりは、かつての美しい水辺、湖水浴場を復活させたいというものだった。ところが別の地区の先例を見て驚いた。13年前、葦が生い茂る自然を壊し人工砂浜を約3千万円投じて造成。しかし完成後、誰も管理しなかったため荒れ放題になった。人々が水に親しむはずの場所は近づくのも危険な状態になっている。当初から反対していた住民は「どのように管理するのか? しつこく質問してきたが、放置されてしまった」という。 》

    《“治水特別会計”の年間予算は1兆1千億円。河川を守るための“治水特別会計”で、なぜ人工砂浜を造られるのか? なぜ様々な施設の建設、豪華な船の購入に使えるのか? それは河川法の改正で治水だけでなく、環境、親水関連にも予算を使えるようになったためだ。反対派住民は「本当に湖水を浄化し、自然を再生したいなら霞ヶ浦に流れ込む下水道の整備にもっとお金をかけてほしい」という。このような問題に道路特定財源問題との共通点を感じる方は多いのではないだろうか。 》
 以上です。


■三番瀬でも人工砂浜造成の動きが進んでいる
  〜霞ヶ浦を手本に「干出域化」を推進〜

 三番瀬でも、猫実川河口域(市川側)をつぶして人工砂浜をつくる動きが強まっています。
 しかし、霞ヶ浦の事例は、貴重な干潟をつぶして人工砂浜を造ればどうなるかの格好の見本です。

 ところで、三番瀬の再生計画策定や再生事業推進に深く関わっているある学者は、霞ヶ浦の人工砂浜造成を高く評価し、三番瀬でもそういうことをやるべきだと主張しています。
 そして、現存する干潟・浅瀬をつぶしての人工砂浜(人工干潟)造成に反対している自然保護団体をきびしく批判しています。
 この方は、自分のホームページで次のように書いています。
    《護岸の前の深ぼれ・人工澪を埋め戻し、本来の自然の前浜を再生しようという試みを、「事実上の埋めたて」と規定し、760haの埋めたてや101haの埋めたてに反対することと同じような手法で反対運動を繰り広げることは、合理的でしょうか。
     昨年は、釧路や霞ヶ浦の自然再生事業をこの目でみてきましたが、それぞれに合理的な範囲で自然再生を行っているように思えました。釧路湿原では、現在農地として使っている場所には影響を及ぼさないようにしながら、放棄農地を湿地に戻すこころみがなされています。霞ヶ浦では、現在のコンクリート護岸の先に土砂をつけて、自然的な連続性を再生しようとしています。》

    《わたし自身、環境側に立つ委員であると自認しています。そのために、護岸の背後にマウンドを設け二段階で防災施設を設ける案や、自然再生用地を確保し全面の護岸を撤去する案などについて、合意が得られるように努力し、これらを素案に盛り込むことができました。しかし、今般の自然保護団体の対応については、合理的な範囲を超えているのではないかと思っています。》
 要するに、三番瀬海域の一部に土砂を入れて人工砂浜を造成する(=干出域化)は、「本来の自然の前浜の再生」や「自然的な連続性の再生」をめざすものであり、「埋め立て」とは違う。それに反対することは「合理的な範囲を超えている」──という主張です。

 貴重な干潟・浅瀬をつぶす人工砂浜造成に反対することは、本当に「合理的な範囲を超えている」のかどうか──。それは、この方が手本としてあげている霞ヶ浦の事例が示していると思います。
 なお、この方は現在、「三番瀬再生実現化試験計画等検討委員会」の委員長を務めています。この委員会は、猫実川河口域の人工砂浜(人工干潟)化を検討する機関です。





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