三番瀬のラムサール登録を拒んでいるのは県だ!

〜第23回「三番瀬再生会議」で露呈〜



トップページにもどります
「ニュース」のページにもどります
「三番瀬とラムサール条約」のページにもどります
「三番瀬再生会議」のページにもどります



 2007年12月27日、浦安市内で三番瀬再生会議の第23回会合が開かれました。議題は「平成20年度三番瀬再生実施計画(案)」です。

 議論の中心は三番瀬のラムサール登録でした。本木次夫委員から「三番瀬のラムサール登録がなかなか進まないが、その理由は何か」という発言があり、これをめぐって活発な議論が交わされました。
 傍聴席からも、三番瀬保護団体のメンバーが発言しました。
 主なやりとりは以下のとおりです。


◎県の努力はまったく見えない

◇本木次夫委員(船橋市自治会連合協議会副会長・事務局長)
     「三番瀬のラムサール登録がなかなか進まないが、その理由は何か」

◇県(自然保護課)
     「漁業者など利害関係者の同意が必要であり、これらの団体との調整を進めている段階だ」

◇三橋福雄委員(NPO法人不動産コンサルティング協会)
     「三番瀬円卓会議の終わり頃の会合において、県は、ラムサール登録について関係者の理解を得るように努めると言った。その後、県はどういうことをおこなってきたのかを教えてほしい。何かやっているような形跡がまったく見られない」

◇県(自然保護課)
     「昨年以降だが、漁業者との意見交換の場をもつようにした」


◎何が障害になっているのか教えてほしい

◇木村幸雄委員(習志野市連合町会連絡協議会副会長)
     「この問題は県まかせにせず、再生会議としても、決議をあげるなど登録を強く求めていくべきだ」
     「漁業者の同意が得られないというが、漁業者はどういう点に反対しているのか。また、何が障害になっているのかを教えてほしい」
     「習志野市では、谷津干潟がラムサール登録されて以降、市民の間でその認識が非常に高まっている。地元のテレビも谷津干潟をひんぱんに放映するなど、インパクトが大きい」


◎埋め立ては海の砂漠化と同じ

◇大野一敏委員(船橋市漁業協同組合組合長)
     「先日、船橋市選挙区の自民党県議が“三番瀬埋め立て計画白紙撤回の撤回を実現したい”と表明した。私はこれに危機感をもっている。同時に、三番瀬をラムサール条約登録湿地にすることの必要性を感じている」
     「船橋市漁協では三番瀬のラムサール登録問題について勉強会をつづけている。漁業者は文字と話だけでは納得しない。なぜ三番瀬を保全しなければならないかをよく考えることが必要だ」
     「いま、地球の温暖化がさけばれている。海は温度を調整する役割を果たしている。海を埋め立てることは海を砂漠化させることであり、温暖化を進めることになる」


◎県の回答は4、5年前から一歩も前進していない

◇本木次夫委員
     「三番瀬にとって、ラムサール条約登録湿地にすることはすごく重要だ。沿岸の市民も、なぜ登録できないのかと疑問をいだいている。しかし、きょうの県の回答を聞いて失望した。4、5年前の円卓会議で聞いた回答とまったく同じだ。一歩も前進していない」
     「さきほど、漁業者は反対していないという発言があった。それならなぜ登録が進まないのか。何がネックとなっているのか。漁業者は何を問題にしているのか。これらのことを県は明確にしてほしい」


◇県(自然保護課)
     「漁業者が反対しているから登録が進まないということではない。漁協から話を聞いたところ、船橋市漁協以外では、漁業補償(転業準備資金)の問題がまだ解決していないとか、漁場再生もまだ検討中という中ではラムサール登録もなかなか検討できないというニュアンスだった」
     「また、鳥獣保護区に指定されると鳥が増え、ノリの中に羽が混入したり、鳥に魚を食べられてしまうということを懸念する声もだされた」


◎「ラムサール登録は漁業者にとっても緊急課題」
 「船橋側だけでもラムサール登録湿地にしてほしい」

◇大野一敏委員
     「うちの組合(船橋市漁協)ではこんな話をしている。三番瀬がなくなれば漁業は消滅する。鳥もいなくなるだろう。鳥のエサになる魚がいなくなれば漁業はできなくなる。したがって、鳥にノリや魚を食べられるという被害を防ぐのは二番目の話であって、豊かな漁場で営むことが先決ということだ。こういうことから、三番瀬をラムサール条約に登録することは漁業者にとっても緊急の課題、という話がだされている」
     「三番瀬は大都市のまっただ中にあり、普通の漁場とは完全に異なる。したがって、三番瀬の自然環境を守ることは、漁業者だけではなく、三番瀬周辺の都市にとっても大きな利益になる。そのことを漁業者一人ひとりに理解してもらうというのが今の考えである」
     「しかし、自治体は、そういうことやラムサール登録についてあまり関心がないように見える。ただし、先日閣議決定された国家戦略では、ラムサール登録湿地をあと10カ所増やすということが掲げられた。これは心強く思っている」
     「私は、市川の漁協のことをとやかく言うつもりはない。市川側がダメだったら、船橋側だけでもラムサール登録湿地にしてほしいと思っている」


◎「県の熱意が伝わってこない」

◇倉坂秀史委員(千葉大学准教授)
     「県が年に1回しか漁業者と話し合いをもたなかったというのは理解できない。県の熱意が伝わってこない」

◇松崎利光委員(公募委員、市川市在住)
     「漁業者の中で理解が得られないのは、市川の漁業者だけのように見える。私は三番瀬のラムサール登録に大賛成であり、なぜ登録に反対するのか理解できない。もっと一生懸命働きかければ、船橋の漁業者のように考えが変わるのではないか」


◎「登録が進まない原因を漁業者におしつけるのはおかしい」

◇田草川信慈氏(オブザーバー、市川市行徳支所長)
     「この場は、市川の漁業者が反対しているからラムサール登録ができないという雰囲気になっている。しかし、そうではないと私は思っている」
     「それでは、漁業者が了解すればすぐに登録できるのかということを、県に聞きたい。たとえば、堂本知事は以前、『三番瀬のラムサール登録はまだ早い。再生が先だ』と言っていた。ほかにも問題があるのでないか。たとえば第二湾岸道路の問題もあるのではないか。それなのに、この場にいない漁業者だけのせいにするのはおかしいと思う」

◇県(自然保護課)
     「利害関係人は漁業者だけではない。猟友会、観光業、自然保護の関係者なども含まれる」

◇木村幸雄委員
     「再生会議の中に(ラムサール登録問題の)連絡小委員会をつくってほしい。そういうことをしないと前へは進まない」

◇本木次夫委員
     「県はこれまで、漁業者の同意が得られないと説明していた。しかし、私がいろいろ聞くと、漁業者は誰も反対していないとのことだった。さきほどの大野委員の話では、船橋市の漁業者はラムサール登録に賛成で、船橋側だけでも登録したいという。それではいったい、何が障害になっているのか。県は、その点をぜひ明らかにしてほしい。そうでないと、ラムサール登録は一歩も前へ進まないことになる」


◎「ラムサール登録と第二湾岸道路の整合を図りたい」

◇沢田さん(傍聴者)
     「市川市の田草川さんはさきほど、登録が進まない理由として、第二湾岸道路の問題もあるのではないかと言われた。この点について県の見解を聞きたい」

◇立花さん(傍聴者)
     「私たちは三番瀬のラムサール早期登録を求める署名を進めている。10万を目標にしているが、現時点で7万2000に達した」
     「署名活動を進める中で感じていることだが、県民の間で三番瀬への関心が高まっている。しかし登録がなかなか進まない。その背景には、第二湾岸道路を三番瀬に通そうとする構想がある。また、市川市塩浜地先の海域(猫実川河口域)を大規模な人工海浜にするという市川市の構想もある。私はそのように思っている」
     「じっさいに、私たちが浦安市の市長代理(部長)を話し合いをもった際、部長は、市の都市計画に第二湾岸道路が組み込まれているので三番瀬をいますぐラムサール登録することは時期尚早、と述べた」
     「そこで県に聞きたい。行政はいますぐの登録は時期尚早と言っているが、その理由は何かをはっきり示してほしい」

◇県(三番瀬再生推進室)
     「第二湾岸道路は、今は構想の段階であって、具体化されていない」

◇大西隆会長(再生会議会長、東京大学教授)
     「それでは質問に対する回答にならない」

◇県(三番瀬再生推進室)
     「ラムサール登録と第二湾岸道路の整合性がとれるように調整を進めるということだ」









★関連ページ

このページの頭に戻ります
「ニュース」のページに戻ります
「三番瀬とラムサール条約」のページに戻ります
「三番瀬再生会議」のページに戻ります

トップページ | 概 要 | ニュース | 主張・報告 | 行政訴訟 | 資 料 |
催し物 | 会報 | 干潟を守る会 | 自然保護連合 | リンク集 |