人工干潟化の試験をこっそり実施

〜第19回「三番瀬再生会議」〜




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 (2007年)6月8日の夜、「三番瀬再生会議」の第19回会合が開かれました。議題は三番瀬再生事業の実施状況報告などです。


■「干潟的環境形成」の試験実施を事後報告

 会議では、とんでもないことが明らかになりました。
 県は昨年度(2006年度)、猫実川河口域(市川側海域)などでこっそりと人工干潟化の試験をしていたのです。
 県が今回提示した「平成18年度三番瀬再生実現化検討事業の結果」には、市川塩浜2丁目護岸の前面海域(猫実川河口域)などで「干潟的環境形成」の試験をしたことが書かれています。つまり、浅瀬に土砂を入れて「干出域」(人工干潟あるいは人工海浜)をつくる実験です。
 じつは、三番瀬再生実施計画に盛り込まれている「干潟的環境(干出域等)形成の試験」については、第17回「三番瀬再生会議」(1月31日)で、「三番瀬を守る署名ネットワーク」の立花一晃さんが、会場からこんな質問をしました。
     「三番瀬の多様な環境再生の試みとして干潟的環境形成の試験をすると書いてあるが、それはどのへんでおこなおうとしているのか」
 しかし、県はこの質問にまったく答えませんでした。大西隆会長(東京大学教授)が、「会場からの意見や質問には回答しないことになっている」とコメントしたからです。
 そうしたら、今回の会議で突然、人工干潟化の試験をおこなったことを明らかにしたのです。こっそりやったので、「住民参加・情報公開の状況」欄は空欄になっています。


■「かなり由々しき事態ではないか」

 これについては、倉阪秀史委員(千葉大学准教授)からも批判がだされました。
     「《干潟的環境(干出域等)形成の検討・試験》と《自然再生(湿地再生)事業》は、三番瀬再生事業の目玉となる中核的事業だ。しかし、《住民参加・情報公開の状況》の欄が空欄になっている。これは、かなり由々しき事態ではないか」
 これに対し県は、「事例の収集が中心だったので、(公開はせずに)行政だけでやった」と答えました。


■「核心的事業は秘密裡で進めたい」が県の本音

 これはすごく重要なことです。三番瀬再生事業の核心にふれる問題でもあります。

 つまり、県は第二湾岸道路(第二東京湾岸道路)を通すため、「再生」という名で猫実川河口域を埋め立てて人工干潟にしたいとしています。これが三番瀬問題の核心です。
 その核心にふれる事業については、できれば住民を参加させず、情報公開もせずに進めたいということです。
 県はいま、第二湾岸道路のルートのうち、船橋側の一部を見直したり、猫実川河口域の「再生」(人工干潟化)を前提とした道路の構造などを検討しているといわれています。 しかし、そんな大事なことを、再生会議などにいっさい示していません。この問題は三番瀬の保全・再生と密接にかかわるのに、三番瀬円卓会議でも、そして再生会議でも、いっさい議論させません。
 円卓会議や再生会議などが公開で行われても、根幹的問題や具体的事業が非公開(=秘密裡)にされれば、「完全公開」とはとてもいえません。
 しかも、再生会議では、傍聴席からの質問や意見には「答えなくてもよい」となっているのです。
 堂本知事や県は、三番瀬再生事業が完全公開でおこなわれていることを自慢していますが、それはギマンです。


■環境省も、浅瀬の人工干潟化を批判

 ちなみに、猫実川河口域での「干出域形成」については、「千葉の干潟を守る会」の大浜清代表が傍聴席からこんな意見を述べました。
     「猫実川河口域(浅瀬)に土砂を入れるというプランがでている。しかし、円卓会議のワーキンググループでは、この海域は三番瀬の潮汐を助ける働きをしていることが議論された。そして、ここに土砂を入れることはそういう働きをなくすことにつながるので、再生を進めるうえでは、(海域に土砂をいれるのではなく)猫実川を拡幅した方が望ましいということになった」
     「猫実川河口域に土砂を入れたら三番瀬にどんな影響がでるかという予測はしたのか?」
     「干出域を増やすことが無条件に評価されているようにみえる。しかし、藤前干潟にたいする環境省(当時は環境庁)の見解では、干潟の周辺に浅瀬(浅場)があることの重要性を明らかにし、浅瀬を埋め立てて人工干潟をつくるという名古屋市の計画を環境省はきびしく批判した。これは藤前干潟だけにいえることではない。そういうことや影響予測をきちんと検討せずに事業を進め、後追いの評価だけですますと重大な問題を引き起こすことになる」〈注〉
〈注〉環境省見解は、こちらのHPをご覧ください。

 大浜さんの意見は正論です。例によって今回も傍聴席からの意見は無視でした。
 そもそも、再生会議は今回で19回目ですが、三番瀬の自然環境や猫実川河口域の評価などについて、まともな議論は一度もされていません。
 県は前回(18回)の会議で、三番瀬再生事業について「全国的に誇れる自然再生の先進的な事業と考えている」と話しました。笑止の限りです。



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