三番瀬のラムサール登録で首をかしげる議論

〜第13回三番瀬再生会議〜




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 第13回「三番瀬再生会議」(2006年7月14日)では、三番瀬のラムサール登録について、大槻幸一郎副知事や大西隆・再生会議会長が首をかしげることを述べました。


■漁業者はラムサール条約について
  きちんとした知識をもっていない

    ◇川口勲委員(公募)
     「漁業者はラムサール登録についてどういう考えをもっているのか。漁場再生検討委員会には漁業者代表も加わっているので、そこの委員をしておられる工藤委員にお聞きしたい」

    ◇工藤盛徳委員(東海大学名誉教授、三番瀬漁場再生検討委員会委員)
     「漁場再生検討委員会には漁業者代表者も加わっているが、ラムサール登録の問題はまだ議論していない」
     「漁業者にいろいろ聞いてみたが、漁業者はラムサール条約についてきちんとした知識をもっていない。だからまず、漁業者にラムサール条約のことを知ってもらうことが必要だ」

■環境省への県回答は「まだ機が熟していない」

    ◇木村幸雄委員(習志野市連合町会連絡協議会副会長)
     「国(環境省)はラムサール登録地を増やそうとし、有力候補地のひとつに三番瀬もあげた。昨年の締約国会議(ウガンダ)での登録に向け、国から県へ働きかけはなかったのか」

    ◇大槻幸一郎副知事
     「三番瀬の登録について、環境省から水面下での相談があった。しかし、漁業者の中で合意形成ができていなかったため、“まだ機が熟していない”と答えた。本当にラムサール登録が漁業に支障がないのかどうか、この点がまだはっきりしていない」

■「鳥の羽毛がノリに付着するので悪影響がでる」

    ◇大西隆会長(東京大学教授)
     「三番瀬円卓会議(再生会議の前身)では、漁協代表委員から、鳥の羽毛がノリに付着するので悪影響がでる、などの意見がだされた。そういう心配が払しょくされていない」

    ◇川口勲委員
     「鳥が漁業にどの程度影響を与えるかを調査すべきだ」

 以上です。


■3年前の議論の域をでていない

 こうした議論は、3年前に第15回「三番瀬円卓会議」(2003年7月24日)でされた議論の域をまったくでていません。
 そのときは、円卓会議の岡島成行会長(大妻女子大学教授=当時)や清野聡子委員(東京大学助手)がこんなことを言いました。
     「清野委員と相談しながら、ラムサール条約と漁業の問題を漁業者とじっくり話し合うようにしたい」(岡島会長)

     「全国のほかの地域では鳥獣保護区の設定について、もっとシビアな意見がでている。鳥の羽のついた魚は消費者が買ってくれないというような意見だ。そのへんの漁業者のみなさんの心配を一つひとつつぶしていく必要があると思う」(清野委員)
 そんなことを言っていたのに、岡島会長らは、漁業者との話し合いをまったくしなかったことがはっきりしました。
 また、県も当時、2005年のラムサール登録に向けて、漁業者と話し合いを続けたり、合意形成を図るよう努めると言っていましたが、これもその場しのぎの発言でした。
 工藤委員がいみじくも言っているように、漁業者は、ラムサール条約についてなんの知識も与えられていないのです。だから、「ラムサール登録になれば漁業に被害がでる」などということを言っているのです


■漁業者との話し合いを全くしなかった

 今回の大槻副知事と大西会長の発言もおかしなものです。
 大槻副知事についていえば、漁業者と話し合いもまったくしていないのに、漁業者が不安をもっていることを口実にし、環境省にたいして登録不可能の回答をしたのです。
 また、「鳥の羽毛がノリに付着するので悪影響がでる」とか「そういう心配が払しょくされていない」という発言もヒドいものです。
 三番瀬がラムサールに登録されれば、鳥がどんどん増えて、ノリに被害がでるのでしょうか。こんなのは子どもでもわかる屁理屈です。

 そもそも、鳥がやってこない海のほうが漁業にとってはいい、という発想です。鳥がやってこないということは底生生物もいないということです。まさに、人工海浜の「幕張の浜」などはそんな浜です。ほんとうにそんな浜のほうが漁業にとってベターなのでしょうか。
 こんなことを真剣に考えもせずに、ただただ「登録されれば漁業に被害がでる」の繰り返しです。それを、県の副知事や再生会議の会長もいっしょになって言うのです。
 こんな意見にたいし、再生会議では批判的な意見がまったくだされません。


■登録できない理由は第二湾岸道路にあるのでは

 今回の再生会議では、会場から、「三番瀬を守る署名ネットワーク」の立花一晃さんがこんな発言をしました。
     「私たちは、関係市がラムサール登録を推進することを求めて各市に働きかけた。浦安市の幹部と面談したとき、その幹部はこう言った。『浦安市内にはすでに第二湾岸道路の用地が確保されており、市の都市計画に位置づけられている。だから、第二湾岸道路のことがはっきりしないと、三番瀬のラムサール登録について明確なことは言えない』」
     「ラムサール登録についてどういう障害があるかを、県ははっきりさせるべきだ。私は、三番瀬が登録できないのは三番瀬に第二湾岸道路を通す計画があるからだと思っているが、どうなのか。県に聞きたい」
 しかし、県は立花さんの質問に答えませんでした。この問題は、再生会議でもタブーとなっているのです。


■県は登録したくない

 今回の再生会議について、ある傍聴者はこんな感想を述べました。
     「県や堂本知事は、三番瀬再生という名で何をしたいのかをはっきり言わない。以前、この点を個人的に大槻副知事に聞いてみたが、あいまいな回答しかもらえなかった。だからと思うが、再生会議では、三番瀬の保全とは関係ない、どうでもいいようなことが延々と議論されている」

     「工藤委員や大槻副知事の発言を聞き、県は三番瀬をラムサールに登録したくないのだということがよくわかった。それは、第二湾岸道路の建設計画があるからだ」

 以上です。

(2006年7月) 





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