三番瀬のカキ礁と泥質干潟の保全を求める

〜8団体が県知事に要望書〜




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 千葉県野鳥の会など8団体は(2006年)6月28日、三番瀬・猫実川河口域のカキ礁や泥質干潟の保全を求める要望書を千葉県知事に提出しました。



要望書



2006年6月28日

 千葉県知事 堂本暁子 様

千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子
三番瀬を守る会 会長 田久保晴孝
千葉の干潟を守る会 代表 大浜  清
市川三番瀬を守る会 会表 秋山  胖
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 田久保晴孝
市川緑の市民フォーラム 事務局長 佐野 郷美
自然と文化研究会 The かもめ 代表  佐藤聰子
千葉県野鳥の会 会長  富谷健三


三番瀬のカキ礁及び泥質干潟保全についてのお願い(要望書)

 常日頃、千葉県の自然環境の保全にご尽力くださり、心よりお礼申し上げます。また、三番瀬の保全には特にお骨折りくださり重ねてお礼申し上げます。
 三番瀬の保全に関しまして、各方面から種々さまざまな意見が述べられておりますが、私たちは、三番瀬の再生には「三番瀬の海域をこれ以上狭めない」とする大前提とともに、カキ礁及び泥質干潟は三番瀬の環境として重要であり、その保全は三番瀬の保全と再生のために不可欠であると考えております。
 つきましては、下記のとおり、三番瀬のカキ礁及び泥質干潟保全のため、知事の賢明なご判断と保全に向けての更なるご尽力を、切に切にお願いいたします。
 後世に悔いを残さないため、なにとぞよろしくお願いいたします。


1.三番瀬のカキ礁は貴重な宝です。排除せず残してください。
 ご存知のとおり、猫実川河口域には最大ものでは5千m2にも広がるカキ礁があります。カキ(マガキ)は、殻の比重が軽く泥質の干潟でも沈まずに生息でき、さらに、立体的に組み合わさり集合体となって生きています。このカキ礁は単なるカキの塊ではなく、その強固で複雑な構造から、たくさんの隙間と膨大な表面積を持っており、市民による調査によって、カキ礁の隙間や周囲の海域には、絶滅危惧種とされるウネナシトマヤガイや千葉県のレッドデータブックに記載された希少種など、100種を越す海洋生物の生息が確認されています。また、カレイ類などたくさんの魚の稚魚が生息していることも確認されています。カキ礁は波消し効果や水質浄化機能が高いだけではなく、漁業にとって重要な漁礁としての機能も高く、海外においてはすでにその価値は高く評価されています。
 このカキ礁は日本最大級の可能性があるほど大きなもので、長い時間をかけて自然が作り出した産物であり、決して人為的に作り出せるものではありません。まして、漁業に障害がある不要なものではなく、漁業はもとより東京湾奥部の水環境にとって重要な場所であり、環境学習の場として活用すべき貴重な場所といえます。
 この貴重な宝といえるカキ礁を、「三番瀬の再生」の名のもとに排除することは極めて大きな損失といわざるを得ません。
 ぜひ、カキ礁の価値を評価され、排除せず保全されますようご配慮ください。


2.泥質干潟は覆砂などにより消滅させないでください。
 東京湾奥部の干潟の多くはもともと江戸川河口に広がる三角州に成立した泥質干潟で、かつては江戸川から土壌や有機物が運ばれて成立していました。しかし、現在では埋め立てや河川形態の変化によりほとんどが消滅し、残された干潟も三番瀬の船橋市側や市川市塩浜1丁目など各地にみられるように砂質の干潟となってしまい、泥質干潟は猫実川河口を中心とする一部の区域に見られるだけとなっています。泥質干潟は栄養成分も多く、アナジャコやハゼ類など多様な生物の生息環境となっています。また、水質浄化機能も高く、東京湾奥部の水環境にとって極めて重要な役割を果たしています。このことはすでに県の補足調査の結果でも報告されていますが、猫実川河口域において行われている市民による調査によっても、着々とその事実が明らかとなっています。
 この貴重な泥質干潟を、見た目に汚いという理由から覆砂(人工海浜化)を行い、どこにでもある砂質の海岸に変えることは、極めて大きな損失といわざるを得ません。
 ぜひ、泥質干潟の価値を評価され、消滅させないようご配慮ください。


3.「三番瀬の海域をこれ以上狭めない」とする大前提を守ってください。
 現在危険とされる矢板護岸の改修や、市民が海と接しやすい海岸の造成の目的で、人工海浜や人工渚を造成する方法として、矢板護岸の海側に石や砂を盛って造成する方法が有効な方法として考えられ、一部はすでに実施されています。しかしこの方法では、今までの埋め立て計画に比べれば面積は少ないとはいえ、三番瀬の海域を狭めることになります。
 矢板護岸の改修は、矢板護岸より海側ではなく陸側(内側)で行うことは可能であり、親水性の高い護岸とすることも可能です。また、多くの方が望んでいる人工渚も、かつて市川市行徳漁業協同組合が潮干狩り場を造成する目的で砂を投入した場所を、もう一度改修することによっても造成可能と考えられます。
 「三番瀬の再生」の名のもとに、今ある海域に砂や石を投入して人工海浜を造成することは、「三番瀬の海域をこれ以上狭めない」とする大前提を無視することであり、避けるべきことといえます。
 ぜひもう一度、「三番瀬の再生」「海の再生」とは何かをお考えいただき、「三番瀬の海域をこれ以上狭めない」とする大前提をお守りくださいますようお願いいたします。







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