護岸改修は貴重な海域の一部をつぶす事業なのに、

  環境問題がまったく検討されないのは環境重視の

  流れに逆行するものである

     〜千葉県自然保護連合が市川塩浜護岸改修事業計画案に意見書〜




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 千葉県の「市川塩浜護岸改修事業にかかる三番瀬再生(事業計画)案」に対し、千葉県自然保護連合が意見書を提出しました。



意見書



2006年5月18日

 千葉県総合企画部企画調整課三番瀬再生推進室 御中

千葉県自然保護連合
代表 牛野くみ子



  市川市塩浜護岸改修事業に係る三番瀬再生計画
  (事業計画)案に対する意見

 この事業計画案は、次の理由により、環境配慮の視点から検討し直すことを強く求めます。

  1. 海に張り出す形でおこなわれる石積み護岸改修は、三番瀬の生態系に大きな影響を与えることが予想されるのに、この点の検討がほとんどされていない。

       市川塩浜2、3丁目の地先に広がる浅海域は、多種多様な生き物が生息している。県の補足調査で明らかにされたように、この海域にはドロクダムシ、ミズゴマツボ、ニホンドロソコエビなど、三番瀬の他の環境条件には存在しない底生生物が多く発見されている。
       県が護岸改修にともなって実施した環境基礎調査でも、動物197種、植物15種が確認されている。そのなかには、千葉県レッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種12種類も含まれている。
       護岸改修はそんな貴重な海域の一部をつぶす事業なのに、三番瀬再生会議では環境問題がまったく議論されていない。これは環境重視の流れに逆行するものである。


  2. 護岸改修予定地の海底に生息する生物は全滅するが、その代償措置がまったく考慮されていない。
       護岸改修予定地に生息しているさまざまな生物は改修工事によって全滅する。とくに、千葉県のレッドデータブックの絶滅危ぐ種Bランクにあげられているウネナシトマヤガイなどは死んでしまう。
       また、県は「改修後の護岸形状が周辺域の地形、地質(底質)に影響を与えた場合、その場所に生育・生息する生物に影響が及ぶ」と報告している。
       土木工事によって貴重な生き物を殺すことは問題である。しかも、代償措置もいっさい考えられていない。


  3. 「石積み傾斜堤上の潮間帯に置き換わる」は根拠がない。

       県は、護岸改修によって「ハビタット」(生物の生育・生育場)が喪失しても、「石積み傾斜堤上の潮間帯に置き換わる」と説明している。しかし、どうしてそんなことがいえるのかという根拠はいっさい示していない。
       また、県は、「石積み護岸をつくったあとに、ウネナシトマヤガイなどが再定着するかどうかが今後の検討課題になる」と書かれている。しかし、たとえば習志野市茜浜の石積み護岸には、ウネナシトマヤガイはいない。ウネナシトマヤガイが再定着するなどというのは、まったく根拠のないものである。自然は人間の思いどおりにはならないということを知るべきである。


  4. 崩壊の危険性がより高い塩浜1丁目の護岸を先に改修すべきである。

       事業計画案では基本計画書案が引用され、「安全性が保たれていない護岸については、必要な安全性を早急に確保することが必要です」と書かれている。
       そうであれば、崩壊の危険性が高く、早急な手だてが求められてる塩浜1丁目の護岸を先に改修すべきである。そういう危険性の高い護岸は放置し、数年前に補修したばかりの2丁目護岸を何年もかけて改修するというのは、「必要な安全性を早急に確保」とまったく矛盾している。
       また、2丁目の護岸も、崩壊の危険性があるというのなら、三番瀬の環境に影響を与えないように直立護岸のまま短期間で改修(補修)すべきである。
以上







★県の意見募集

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