三番瀬保全団体が

  市川塩浜護岸改修で申入書

   〜危険護岸の放置、水害対策への逆行、三番瀬海域の一部破壊を質す〜




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 三番瀬を守る会、千葉の干潟を守る会、千葉県自然保護連合など7団体は2005年10月28日、「市川塩浜地区の護岸改修に関する申入書」を千葉県知事に提出しました。
 申入書の要旨は次の3点です。
  •  市川塩浜地区(1〜3丁目)の護岸のうち、陥没などにより緊急改修が強く求められているのは1丁目である。しかし県は、1丁目護岸は改修せず、2丁目の護岸改修を先行させようとしている。その理由はなぜか。
  •  2丁目の護岸改修は、工業専用地域となっている海沿いの区域で再開発をおこなうことを目的にしている。これは、「人がたくさん住むような街を危険な場所につくってはいけない」とか、「むやみに市街化区域を拡大させないなどの開発規制を導入して水害に強い土地利用をはかる」という国の水害対策に逆行するのではないか。
  • 「三番瀬円卓会議」がまとめた「三番瀬再生計画案」や、県がまとめた「千葉県三番瀬再生計画(基本計画)案」では、「海域をこれ以上狭めないことを原則とする」と書かれている。海に張り出しての石積み護岸の建設は、こうした基本原則に反するものであり、東京湾奥部に残された貴重な浅海域「三番瀬」をつぶすものである。

 以上です。11月18日までの文書回答を求めています。


申 入 書



2005年10月28日

 千葉県知事 堂 本 暁 子 様

三番瀬を守る会 会長 田久保晴孝
千葉の干潟を守る会 代表 大浜  清
市川三番瀬を守る会 会表 秋山  胖
三番瀬を守る署名ネットワーク 代表 竹内 壮一
千葉県野鳥の会 会長  富谷健三
自然と文化研究会 The かもめ 代表  佐藤聰子
千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子


市川塩浜地区の護岸改修に関する申入書

 日ごろ、千葉県の環境保全に関してご尽力いただいていることに感謝申し上げます。
 さて、県は、三番瀬再生事業の一環として市川塩浜地先の護岸改修を行うことにしていますが、改修内容について下記のとおり疑義がありますので、申入書として提出させていただきます。
 つきましては、申入書の内容についてご検討くださり、11月18日までに文書にてご回答くださいますようお願いいたします。


1.緊急改修が求められている塩浜1丁目の護岸について
     市川塩浜地区(1〜3丁目)の護岸のうち、緊急改修が強く求められているのは1丁目です。三番瀬円卓会議の議論でも、台風時の被害や危険性がさけばれていたのは1丁目でした。今年4月3日に一部陥没が見つかったのも、そして、7月23日の地震の影響で垂直の鋼板が海側にせり出したのも1丁目の護岸です。したがって、地元の市川市は、1丁目の護岸改修を緊急に実施するよう求めています。
     しかし、県は、1丁目ではなく、2丁目の護岸改修を先行させようとしています。これはなぜでしょうか。その理由を教えてください。
     なお、「1丁目は海岸保全区域の設定外だから改修できない」というのは理由になりません。これは、人命軽視です。危険度が高く、緊急改修が強く求められている1丁目の護岸を先に改修すべきです。

2.塩浜地区の再開発を前提にした2丁目の護岸改修について
     県は、三番瀬保全団体などの強い反対を無視し、海岸保全区域を水際線に移設しました。この移設は、工業専用地域となっている海沿いの区域で再開発をおこなうことを目的にしています。
     つまり、市街化区域を海沿いに拡大して新しい街をつくり、たくさんの人が住めるようにするためのものです。そのこととあわせ、莫大な金をつぎこんで、石積み護岸をつくろうといます。
     しかし、これは、水害対策に逆行するものです。今年8月末に米国南部を襲い、甚大な被害を与えた大型ハリケーン「カトリーナ」の教訓について、専門家は次のようなことを指摘しています。
    「超大型ハリケーン(台風)の襲来と満潮などの悪条件が重なると、堤防を高くしても洪水を防げない」、「(堤防は)いったん破られると機能を失い、1ヵ所でも浸食されたらくずれはじめる」、「堤防技術に頼ってはいけない」などです。
     ここからいえることのひとつは、「人がたくさん住むような街を危険な場所につくってはいけない」ということではないでしょうか。じっさいに、国土交通省中部技術事務所長の金木誠氏(元同省水害研究室長)は、『朝日新聞』(2005年9月20日)の「私の視点」欄で、水害対策について次のように述べています。
        「ハザードマップを活用して、建物に耐水扉の設置を促したり、むやみに市街化区域を拡大させないなどの開発規制を導入して水害に強い土地利用をはかることが重要である」

     県が現在進めていることはこうした「水害に強い土地利用をはかる」という国の指針に明らかに逆行していると考えます。この点について県の見解をお示しください。
    なお、私たちは、塩浜2丁目の護岸については、県財政に負担となる莫大な予算をかけ、しかも何年もかけて石積み護岸などはつくる必要はないと考えます。護岸が崩壊しないような改修を短期間に行うべきです。

       (備考)
       現在の市川塩浜地区は、伊勢湾台風級の高潮に備えた立派な防潮堤が工業専用地域などの後背地につくられており、住宅団地や学校などは高潮から守られています。これは、伊勢湾台風などの教訓を生かした「二重の防御システム」であり、合理的な水害対策と考えます。

3.海に張り出しての石積み護岸建設と円卓会議の合意事項
     「三番瀬再生計画検討会議」(円卓会議)がまとめた「三番瀬再生計画案」には、「海域をこれ以上狭めないことを原則として三番瀬の再生を実施する」(90ページ)と書かれています。また、県がまとめた「千葉県三番瀬再生計画(基本計画)案」(平成17年8月1日)にも、「海域をこれ以上狭めないことを原則とし、多様な水・底質環境の回復、流入河川等の汚濁負荷の低減による水質改善等を進め、生物多様性の回復及び環境の回復力の確保を図ることが重要です」(19ページ)と書かれています。
     さらに、円卓会議では、市川塩浜地先の護岸を改修する際は、後背地の街づくりの中で公共用地を海側に確保し、その公共用地を使うことが合意されました(第13回円卓会議)。つまり、海には張り出さないということです。
     海に張り出しての石積み護岸の建設は、こうした合意事項を無視するものであり、東京湾奥部に残された貴重な浅海域「三番瀬」をつぶすものです。この点について県の見解をお示しください。

 以上です。ご回答をよろしくお願いします。













市川塩浜地区(湾岸道路から海側の地区)は、市川塩浜駅の周辺が
一部近隣商業地域になっているほかは、大部分が工業専用地域である。
工業専用地域は、人が住めないようになっている。
これまでは工業専用区域などの後背地に海岸保全区域が設定され、
住宅地域や学校は高潮から守られていた。
しかし、県は昨年、海岸保全区域を塩浜2、3丁目の前面に移した。
そして、2丁目地先で石積み護岸改修を行おうとしている。
その直接の目的は、工業専用地域を用途変更し、
住宅地や商業地として再開発することである。
これは、「むやみに市街化区域を拡大させない」とか
「危険な場所にたくさんの人が住むような街をつくらない」という
水害対策の基本に反するものである。







現在は、人の住めない工業専用地域の後背地に防潮堤が設置され、
住宅地域や学校は高潮から守られている。







4月3日に一部陥没が見つかった市川塩浜1丁目の護岸。
(『朝日新聞』千葉版、2005年4月4日付より)




同上(『毎日新聞』千葉版、2005年4月4日付より)
地元の市川市などは、この1丁目護岸の改修を緊急に実施するよう
求めているが、県はやろうとしない。
県は、3年前に補修が終わったばかりの2丁目護岸
莫大なカネをかけて改修しようとしている。











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