参加者から批判相次ぐも、「理解が得られた」とし

 “砂護岸”造成の調査に着手

  〜三番瀬再生事業に係る各種調査の説明会〜




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 (2004年)10月26日の夜、「三番瀬の再生事業に係る基礎的な調査の説明会」が船橋市内で開かれました。主催したのは、千葉県の三番瀬再生推進室です。


●今年度に実施する調査事業

 千葉県は、今年度に実施する調査事業として、次の4つを説明しました。

(1)三番瀬漁場再生調査事業
     三番瀬を優良漁場として再生するため、アオサ調査、アサリ調査、藻場造成調査を実施する。
(2)市川海岸塩浜海岸改修に係る調査
     市川塩浜2丁目と3丁目の護岸を早急に改修するため、今年度は、深浅測量、地質調査、環境基礎調査をおこなう。
(3)三番瀬の自然環境の科学的な情報の集積事業
     自然環境のデータベース構築や、継続的な観測・記録調査(モニタリング)により、三番瀬の自然環境の知見を集積する。
(4)市民参加による現地調査事業
      市民、学識経験者、環境NGOが共同して現地調査をおこなう。

●「護岸改修」(「砂護岸」造成)に批判相次ぐ

 県が説明したあと、さまざまな意見や批判が会場から次々とだされました。
 批判が最も多かったのは、市川塩浜の護岸改修事業です。この護岸改修は、市川塩浜2丁目地先の三番瀬海域をつぶして石積み傾斜護岸などをつくり、その前面に人工砂浜をつくるというものです。県などはこれを「砂護岸」造成と呼び、「三番瀬再生事業」の先発事業(最優先事業)として位置づけています。

 県は今年の6月、海岸保全区域を現在の護岸の前面海域に20〜23mもはりだす形で設定しました。それも、ひそかに、です。これは、20〜23mも海にはりだして護岸をつくる可能性が強いことを示しています。

 この点について、円卓会議の委員を務めていた大浜清さん(千葉の干潟を守る会代表)がきびしく批判しました。「円卓会議の議論では、保全区域は陸側に設定し、海域は含めないということが合意されたはずだ。今回の県のやり方は、円卓会議の議論をまったく無視するものだ」と。  円卓会議「護岸・陸域小委員会」の委員を務めていた齋藤佐和子(一般県民、公募)氏も、「円卓会議の議論では、“これ以上海域を狭めない”ということが大前提になっていた」と批判しました。
 また、いろいろな人が、「三番瀬の再生事業は、まず、三番瀬の自然環境をよりよくするために何をすべきかという全体計画を決めることが先決だ。しかし、県は、そういう計画をつくらないうちに、護岸改修を真っ先にやろうとしている。これは三番瀬の自然とは関係ないことだ」などと批判しました。
 しかし、県は、「護岸改修は緊急性が高いので早急にやる必要がある」の一点張りです。


●「三番瀬再生会議」発足の遅れにも強い批判

 「再生調査事業」や「護岸改修に係る調査事業」についても、次のような批判がだされました。
     「調査内容をみると、魚の調査がまったくみられない。三番瀬の護岸沿いには、アユの稚魚がたくさん生息している。また、ハゼもおなじだ。そういう大事な魚の調査をやらないのでは、生物調査にならない」
 さらに、円卓会議の後継組織となる「三番瀬再生会議」の発足が遅れていることについても、たくさん批判がだされました。「再生会議を早急に立ち上げ、三番瀬再生事業の計画や事業内容はそこで議論すべきだ」「準備会が2回開かれ、再生会議の要綱などが決まったのに、なぜ、県は再生会議を立ち上げないのか」などというものです。
 これにたいし、県は、「再生会議をなるべく早く立ち上げるように努力している。しかし、発足の時期がいつになるかは言えない」と答えるばかりです。


●県は、説明会で「市民の理解が得られた」として調査に着手

 疑問や批判が噴出したため、説明会は、夜8時に終了するだったのが、閉場の9時までつづきました。
 ところが驚くべきことに、県は、この説明会で「市民の理解が得られた」とし、「砂護岸」造成の調査をすぐにはじめることにしたとのです。
 そもそも、この説明会の開催は、直前になって円卓会議委員など一部の関係者だけに通知がされました。新聞への掲載もされませんでした。ですから、三番瀬保全にかかわっている人のなかにも説明会開催を知らない人がたくさんいました。ましてや、一般の県民や市民はまったく知りません。  それなのに、「市民の理解が得られた」というのです。
 これのどこが「市民参加による三番瀬再生」「当事者の意見を集約しての県政推進」でしょうか。
 このままでは、三番瀬の猫実川河口域(市川側海域の一部)は土砂が大量に盛られてつぶされます。そして、その後にでてくるのは第二湾岸道路です。古井利哉さんが言うように、まさに「危うし三番瀬!」です。

 つけ加えれば、今回の説明会ではっきりしたのは、県はやはり、「砂護岸」造成(護岸改修+人工砂浜)を最優先として実施するということです。はっきりいって、三番瀬の自然をよくすることなどは考えていません。ちなみに、「三番瀬の自然環境の科学的な情報の集積事業」とか「市民参加による現地調査事業」はつけ足しです。

(文責・千葉県自然保護連合事務局)   





「砂護岸」造成着手を報じた『千葉日報』(2004.4.26)











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