「“石積み護岸+砂浜造成”は再検討を」

「ラムサール条約の2005年登録を明記すべき」

〜三番瀬再生計画素案で「三番瀬を守る署名ネットワーク」が方針〜




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 三番瀬保全運動を進めてきた「三番瀬を守る署名ネットワーク」(署名ネット)は(2003年)11月15日、第7回対策会議を市川市内でひらきました。
 主な議題は、三番瀬円卓会議が11月13日に決定した「三番瀬再生計画素案」の内容検討と対応策の決定です。


●素案は決まりではない

 まず、署名ネットの竹内壮一代表(千葉商科大学教授)があいさつし、「素案が発表されたが、これはまだ決まりではない。意見募集が1カ月間おこなわれるので、みんなで意見をどんどん提出し、再生計画をよりよいものにしていきだい」と述べました。

 つぎに、円卓会議の委員をつとめた大浜さんと佐野さんが円卓会議の報告をしました。

◇大浜さんの報告
 「円卓会議は住民参加を掲げているが、ほんとうに住民参加が生かされたのかというと、問題も多い。また、自然再生の本来の目的は壊れたところや埋め立てられたところをできるだけ元にもどすということだが、実際にそうなったのかどうか。護岸の改修問題にふりまわされ、本来議論すべき問題が十分にできなかった。意見募集では、どんどん意見をだしてほしい」

◇佐野さんの報告
 「三番瀬の自然をよりよくするために淡水の導入と土砂供給などをめざしたが、それらが素案にかなりとりいれられている。淡水導入では、猫実川や行徳湿地からの三番瀬への淡水流入を検討するということを盛り込んだ。土砂供給では、猫実川の川底に土砂を入れて浅くし、アシ原や干出域を再生したり、三番瀬への土砂供給源とすることを検討するとした」
 「しかし、市川塩浜2丁目地先では、護岸を改修して石積み傾斜堤にし、その前面海域で干出域(砂浜)をつくるということが盛り込まれた。本来は後背地を削り、そこでそういうことをすべきなのに、そうはならなかった。これはやるべきでないという意見が強くでれば、訂正させることも可能だ」


●“石積み護岸+砂浜造成”に強い批判

 討論では、「三番瀬再生計画素案」についてさまざまな意見がだされました。一部を紹介するとこうです。
  • 素案は、総論としてはかなり評価できる。海岸線はこれ以上前に出さないとか、海域は狭めないということが合意された。東京湾では今後の埋立てをきびしく抑制するということも盛り込まれた。これらは画期的であり、大きな成果だ。

  • 総論では「海域をこれ以上狭めない」「埋め立てはしない」とうたわれているのに、「提言」(結論部分)などでは、市川塩浜2丁目地先で、海側に約15メートルも張り出した「石積み傾斜堤+干出域(砂浜)」(延長は約1キロ)をつくると書かれている。「護岸のイメージ図」〈下図参照〉をみればわかるように、これは完全な埋め立てだ。

  • 市川塩浜護岸の前面海域をつぶして“石積み傾斜堤+砂浜”をつくることや「護岸のイメージ図」は、海域小委員会では一度も議論されていないし、了承(合意)もされていない。円卓会議(親会議)でも、議論らしい議論はまったくされていない。

  • 「護岸のイメージ図」には、「前面の砂で堤体の安定を図る」と書いてある。ということは、永久に砂を人為的に投入しつづけるということになる。これは問題であり、ほかの護岸イメージ図に差し替えるべきだ。

  • 市川塩浜護岸を長い距離にわたり石積み護岸に改修することになっているが、石積み護岸は三番瀬にはなかったものだ。こんなものをつくることが自然再生なのか。とても納得できない。

  • 「順応的管理」の手法により、石積み護岸の前に人為的に土砂を供給していくとされているが、この「順応的管理」がうさんくさい。「目標に対して自然を少しずつ実験的に手を加えながら、そのつど検討を加え、目標からずれているなら、実施の仕方や計画を手直ししていく」とのことだが、それをだれが判断するのか。さらに、人為的な土砂供給はなにを目標にしているのかもまったく明らかにされていない。どんな土砂にし、それをどこからもってくるのかも同じだ。

  • 「順応的管理」は諸刃の剣であり、キケンだ。自然はいったん破壊されると元にはもどらない。

  • 市川塩浜の護岸前面に「干出域」(人工砂浜)をつくれば曝気能力が向上し生物生息に寄与すると書かれている。しかし、たとえば千葉市の「いなげの浜」(人工砂浜)は浸食が激しく、生き物はあまりいない。カニは見たことがないし、ゴカイもいない。「幕張の浜」も同じだ。ここは、浸食があまりに激しいのでかなりの部分が立ち入り禁止になっている。

  • 様子をみながら土砂を入れるというが、それで猫実川河口域の生態系が破壊された場合はどうするのか。入れてしまった土砂はどうするのか。また、それを誰が判断するのか。結局のところ、「順応的管理」の名のもとで、あいかわらず公共事業が暴走しつづけることになりかねない。

  • 円卓会議を傍聴していつも感じることだが、岡島成行会長はいつも「ここで決めるわけではない」と言う。しかし、それがいつのまにか合意(決定)事項にされてしまう。これが“順応的管理”の手法なのか。

  • 素案の総論には立派なことがたくさん書かれている。しかし、私たちは総論ではなくて各論で行動すべきだ。

  • 署名ネットの基本方針は、(1)海域はこれ以上狭めない、(2)ラムサール条約に登録する、の2点だ。この方針を堅持し、海域面積の縮小につながる「市川塩浜2丁目の護岸イメージ図」には反対すべきだ。また、2005年のラムサール条約登録を明記させるべきだ。

  • 素案は、ラムサール条約登録について、「現時点では、円卓会議として十分な合意に至っていません。今後とも、引き続き協議を行っていくこととなっています」などと消極的な書き方がされている。これでは、2005年の登録は危うい。2005年に登録するということを明記させるべきだ。

  • 市川漁港を市川突堤ゾーンに移転させ、そこで海域に大きく張り出した漁港をつくるという構想〈下図参照〉が、円卓会議の外で検討されることになった。しかし、これは大問題だ。市川市で漁業を専業としている漁民はわずか34人だけである(第10次漁業センサス、1998年)。そういう中で大きな漁港が本当に必要なのかどうか、あるいは漁業はどうあるべきなのかなども議論すべきである。この移転問題は三番瀬の自然環境に大きく影響するので、県、市、漁業者のみの連絡協議会で決定するのではなく、円卓会議の後継組織できちんと審議するようにすべきだ


●署名ネットの対応として3点を決定

 こうした議論の結果、署名ネットの対応としてつぎの3点が決まりました。
  1.  改修護岸の前面に人為的に砂を投入する「市川塩浜2丁目の護岸イメージ図」は三番瀬海域の埋め立てであり、容認できない。再検討を求める。
  2.  三番瀬を2005年にラムサール条約に登録することをアクションプラン(行動計画)や提言に明記するよう求める。
  3.  市川漁港の移転問題を三番瀬円卓会議の後継組織で必ず審議するということを明記するよう求める。

 このほか、意見募集の期限(12月18日)までにどんどん意見を出そうということが確認されました。








三番瀬の現況図





市川塩浜護岸全体のイメージプラン

三番瀬再生計画素案より




海域に張り出して傾斜堤と砂浜をつくる「市川塩浜2丁目の護岸イメージ図」

三番瀬再生計画素案より







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