高さ8mの堤防は不要であり、

  護岸改修は補強工事にとどめるべき

     〜県自然保護連合が三番瀬「護岸・陸域小委員会」に意見書〜




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 千葉県自然保護連合(牛野くみ子代表)は(2002年)8月13日、三番瀬「護岸・陸域小委員会」に対して以下の意見を提出しました。

 これは、県(事務局)などが、「伊勢湾台風並みの高潮被害を避けるためには高さ8メートル(AP 8.0m。現在は AP 5.0m)の堤防を塩浜地区の前面につくることが必要である。しかし、沖合方向に300メートル(1:50の勾配)の人工砂浜を造れば6メートルの高さですむ」と主張していることに対するものです。

 意見書では、すでに塩浜地区の後背地に立派な防潮堤が設置されていることから、「高さ8mの堤防は不要であり、護岸改修は補強工事にとどめるべき」などとしています。

 あわせて、同委員会が、三番瀬の海岸線や護岸、その背後地のあり方について県民から具体案などの意見を募集したことについても、「円卓会議や小委員会でまったく審議せずにこのような意見募集を行うことは、円卓会議などをないがしろにするもの」などと問題点を指摘しています。




意 見 書



2002年8月13日

千葉県総合企画部政策調整課
 三番瀬プロジェクトチーム 御中

千葉県自然保護連合
代表 牛野くみ子


三番瀬「護岸・陸域小委員会」に対する意見について

 このことについて、私たちの意見を別紙のとおり提出します。
 なお、私たちは、今回の意見募集は下記のような問題があると考えていますので、申し添えます。


  1. 円卓会議や小委員会でまったく審議せずにこのような意見募集を行うことは、円卓会議などをないがしろにするものである。
  2. 募集の案内は県の広報紙『ちば県民だより』にも載せるべきである。また、募集期間があまりにも短かすぎる。
  3. 三番瀬は県民だけでなく広く首都圏住民に利用されている。また、三番瀬は東京湾の一部である。したがって、意見募集の対象は県民だけにとどめるべきでない。







護岸の改修は補強工事にとどめてください



1.立派な防潮堤が後背地に設置ずみ
   〜人命は守られています〜

 市川塩浜地区は、高潮に備えた立派な防潮堤が工業専用地域や工業地域の後背地に設置されています。この点は、市川市も、市のホームページで次のように述べています。
 「構造上、高潮対策のなされた堤防が、塩浜体育館と塩浜団地の間を通って湾岸道路と行徳近郊緑地の間を千鳥橋まで一期埋め立ての時につくられており、塩浜団地や学校は守られています」
 市が述べているように、市民が住んでいる地域を高潮から守るために立派な防潮堤がつくられています。  しかも最近、湾岸道路の歩道脇に防潮堤が新たに整備されましたので、とりあえずはこれで十分です。したがって、塩浜地区の前面に高さ8メートルの堤防などをつくる必要はありません。

2.高潮対策は「二重の防御システム」が合理的
   〜伊勢湾台風級の高潮に備えた防潮堤は後背地に設置〜

 千葉県の東京湾岸をみると、埋め立て地が工業地域などの場合は、普通はその前面には高い堤防はつくられていません。船橋、習志野千葉中央地区などをみればわかるように、伊勢湾台風級の高潮に備えた防潮堤は工業専用地域や工業地域、準工業用地などの後背地につくられています。
 工業専用地域などは生産活動や流通などの場として位置づけられており、人が住むことは考えられていないからです。また、前面に高い堤防を設置すると、海と街とが隔離されたり、景観が悪くなるということもあります。費用も高くつきます。
 問題の市川塩浜地区(湾岸道路から海側の地区)は、市川塩浜駅の周辺が一部近隣商業地域になっているほかは大部分が工業専用地域です。
 建築基準法により、工業専用地域では住宅、学校、病院、ホテルなどは建てられないことになっています。つまり、この地区は、人が住むことは考えられていないのです。
 こうした工業専用地域などと住宅地域の間には、すでに立派な防潮堤が設置されています。したがって、海岸線に高い堤防をつくる必要はありません。すでに「二重の防御システム」ができているからです。
 こうしたことから、直立護岸の改修方法は、三番瀬の海域をこれ以上削らず、しかも親水性や安全性にも配慮した形状のものとすべきです。
とりあえずは、補強工事にとどめてください。






市川塩浜地区は、高潮に備えた立派な防潮堤が
工業専用地域や工業地域の後背地に設置されています







市川塩浜地区(湾岸道路から海側の地区)は、市川塩浜駅の周辺が
一部近隣商業地域になっているほかは大部分が工業専用地域です。
建築基準法により、工業専用地域では住宅、学校、病院、ホテル
などは建てられないことになっています。
つまり、この地区は、人が住むことは考えられていないのです。







防潮堤の写真撮影箇所






写真1

防潮堤の右側(海側)は塩浜1号公園。左側は塩浜団地。








写真2

防潮堤の左側(海側)は葛g野工業所市川工場。右側は塩浜中学校。








写真3

防潮堤の左側(海側)は湾岸道路(国道357号、首都高速湾岸線)。右側は行徳鳥獣保護区。








写真4

防潮堤の前面(右側)は市川水路。後背地は「日の出」などの住宅地。








《添付図》

船橋・習志野市の埋め立て地に設置された防潮堤
千葉市の埋め立て地に設置された防潮堤



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