高等教育や学術研究の歪みに対して

抵抗してほしい

 〜「宇井純を学ぶ」で宮本憲一さんが訴え〜


千葉県自然保護連合事務局



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 「『宇井純を学ぶ』に参加して」の関連です。

■市民のための研究は成果として認められない
   〜「成果主義」が強まる大学〜

 (2007年)6月23日の「公開自主講座 宇井純を学ぶ」でパネリストを務めた山下英俊さん(一橋大学講師)は、次のように発言しました。
    《国立大学は数年前に法人化された。それ以降、大学に「成果主義」が導入され、成果を出さないと生き残れないようになった。若手は期限付き採用になり、成果を出さないと残れないというシステムが強化されている。》

    《成果というのは、市民のためにどれだけ役に立っているかということではない。論文を学術研究誌に何本書いたか、とか、外からどれくらい研究費をとってきたか、ということである。そういう時代になっている。》

    《したがって、市民や被害者のために研究しても、成果として認められない。宇井先生の時代は、最低限の身分保障がされていて、公害被害者のために研究する自由があった。もしかしたら、今の大学はそういう自由がなくなってきているのかもしれない。》
 これは、大学の現状を率直に述べたものだと思います。
 たとえば、かつては環境保護運動を支援したりしていたのに、いまは“御用学者”に変わったという学者が少なくありません。その理由の一端はここにあると思っています。


■公害や環境破壊に体を張って抵抗してほしい

 閉会あいさつをした宮本憲一さん(大阪市立大学名誉教授、元滋賀大学学長、日本環境会議代表理事)は、配布資料(「公開自主講座『宇井純を学ぶ』」)の中でこう書いています。
    《今日、ここに彼が愛憎ともにありながら対決していた「東大」の象徴である安田講堂で彼をしのぶ会が行われるというのは嬉しいことですが、同時に一言言いたいことがあります。今の日本の大学は彼が最も批判してきた無原則な産学協同さらには軍学共同に走りつつあります。こういう状況の下で本当に東大当局が宇井君の業績を評価して、この集会をこの講堂で開くことを許可したのでしょうか。
     私はお集まりの皆さん方、とくに若い方々に宇井君の志をついで公害と戦っていただきたいと思います。そのためには今の日本の高等教育や学術研究の歪みに対しては体を張って批判をし、抵抗する姿勢を堅持して欲しいと思います。それが宇井君を弔う最大の仕事でないかと思います。》
 先のメールでお知らせしたように、講座の参加者は約1000人でした。大学生や大学院生、若手研究者もたくさん参加しました。
 そのうちどれだけが、宇井さんの志をついで公害や環境破壊とたたかったり、日本の高等教育や学術研究の歪みに対して体を張って抵抗するようになるでしょうか──。かなり厳しい状況ですが、期待したいと思っています。

(2007年6月)






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