三番瀬調査結果はまったく生かされない

〜猫実川河口域は自然豊かな海域。県調査でも、動物195 種、植物15種を確認〜


千葉県自然保護連合事務局





 千葉県が「三番瀬再生計画(事業計画)(素案)」について意見募集(バブリックコメント)を実施中です。5月18日が締め切りです。
 ところで、この素案画(事業計画)案」には、現状の干潟や浅瀬を保全するということがまったく書かれていません。
 というのは、猫実川河口域(三番瀬の市川側海域の一部)をなんとしてでも人工干潟(人工海浜)にしたいというのが、県の一貫した考えだからです。これは、形を変えた埋め立てです。


■猫実川河口域は、大切な命のゆりかご

 しかし、猫実川河口域は、多種多様な生き物が生息する貴重な浅瀬(浅海域)です。大潮の干潮時には、広大な泥干潟も現れます。
 この海域では、ドロクダムシ、ホトトギスガイ、ミズゴマツボ、ニホンドロソコエビなど、三番瀬の他の環境条件には存在しない底生生物が多く発見されています。アナジャコもたくさんいます。約5000平方メートルにおよぶカキ礁も存在し、200種類以上の生き物が生息しています。
 生物多様性の観点からはここを保存することは重要です。また、この海域では浄化作用も活発に行われているなど、三番瀬全体の環境の中で重要な役割を果たしています。まさに、猫実川河口域は、東京湾漁業にとっても、大切な命のゆりかごとなっているのです。


■県の調査で、動物195 種、植物15種を確認
   〜うち重要種は16種〜

 それは、県がおこなった調査でも明らかにされています。
 たとえば、県が2004年(平成16)と2005年に実施した「市川海岸塩浜地区における生物調査結果」をご覧ください。
 この調査では、動物では195 種、植物では15種が確認されています。
 このうち、重要種は、動物で15 種、植物が1種です。重要種の内訳は、環境省レッドデータブック記載種1種(エドハゼのみ)、千葉県レッドデータブック記載種11種、WWFサイエンスレポート記載種8種です。


■市民調査でも、動物121種、植物11種を確認

 また、「三番瀬市民調査の会」が月1回おこなっている市民調査では、2004年以降、猫実川河口域のカキ礁とその周辺の泥干潟で、動物では121種、植物では11種を確認しています(このほかに、鳥 類が24種)。
 このうち重要種は、環境省レッドデータブック記載種1種(エドハゼ)、千葉県レッドデータブック記載種6種、WWFサイエンスレポート記載種4種です。


■調査結果はいっさい議論なし
  〜再生計画にも反映されない〜

 これらをみれば、猫実川河口域がいかに豊かな浅海域であるかがわかると思います。
 しかし、県は、こんな調査結果がでているのに、それを再生会議などに提示しません。再生会議のほうでもいっさい議論をしません。
 今回の「三番瀬再生計画(事業計画)案」にも、こんなことはいっさいふれられていません。
 ようするに、「きちんと調査をやっています」というポーズに終わっているのです。これのどこが先進的でしょうか。

(2006年5月)






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