「三番瀬再生会議」が発足

〜大規模な人工干潟造成がでてくる可能性も〜


千葉県自然保護連合事務局


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 「三番瀬再生計画検討会議」(円卓会議)の後継組織である「三番瀬再生会議」が(2004年)12月27日、やっと発足しました。
 第1回の会合で議論になったのは、「再生会議」の役割です。つまり、県が進める再生事業にどこまで関与できるかということです。
 円卓会議と違っているのは、円卓会議は、自らが「三番瀬再生計画案」を作成したのにたいし、「再生会議」は、県が作成する再生計画や、県が執行する事業に意見を述べるだけという点です。


●「県が行う事業にタッチすることはさしひかえるべき」

 議論の突破口を開いたのは、専門家委員の工藤盛徳氏(東海大学名誉教授、漁業)です。工藤委員はこう言いました。
 「“これはけしからん”とか“これはこうすべき”などと、県が行う事業そのものにタッチすることはさしひかえるべきだ」
 「知事の諮問を受けて意見を述べるだけであって、それを逸脱してはいけない」
 「県議会を通して進められる事業について、我々はあまり意見を言うべきではない。議会で予算化された事業について口をはさむことはさしひかえるべきだ」
 これに対し、一部の委員が反論しました。いくらなんでもこれはひどすぎるということでしょう。

    ◇倉阪秀史委員(千葉大学助教授、環境アセス)
     「県の事業にたいし、恐れ多くて意見が言えないとなると、我々は何のためにここにいるのかということになる。合理的で建設的な意見であれば、どんどん言ってもよいと考える」
     「議会を通って予算化された事業でも、行政に裁量権はある」

    ◇工藤盛徳委員
     「我々には事業をストップさせることはできない。事業の評価はできるが、事業をストップさせるかどうかはあくまでも県当局が判断することだ」

    ◇吉田正人委員(江戸川大学助教授、保全生 態学・環境教育)
     「それはそのとおりだ。しかし、円卓会議でも、科学的な議論をして、外来種(サキグロツメタガイ)を持ち込み危険性が高いということが明らかになり、覆砂をやめてもらったことがある」

 このままでは、再生会議は“言いっぱなし”になる可能性が非常に高いものとなりそうです。


●ラムサール条約登録は無視

 つづいて、県が「平成16年度事業」を報告しました。これは、再生計画案の中で提案されている再生事業のうち、「緊急性や継続性が求められる事業」として、県がすでに着手していたり、今後はじめる事業です。
 平成16年度事業は次の5つです。
  1. 三番瀬漁場再生調査事業
  2. 市川海岸塩浜地先護岸改修に係る調査
  3. 三番瀬の「自然環境の科学的な情報の集積事業」
  4. 環境学習及び利用・管理に関する検討
  5. 市民参加による現地調査事業
 このなかには、ラムサール条約の登録が含まれていません。ラムサール条約のラの字もないのです。第1回会合でも、この点の議論はまったくされませんでした。
 そこで、会議の終了間際に会場からの発言(一人30秒以内の制限)が求められ、「三番瀬を守る署名ネットワーク」の今関一夫さんがこう発言しました。
 「平成16年度事業のなかに、2005年に三番瀬をラムサール条約に登録するという事案を盛り込んでほしい。環境省は現在、来年(2005年)11月の締約国会議に向けて、新たに9カ所を登録することにしている。その候補地に三番瀬も含まれていて、環境省は再生会議の議論を見守っている。登録決定の期限は来年3月になる」

 今関さんの発言はまったく正当です。ほんとうに三番瀬の保全を考えているのならば、まっさきにラムサール条約の早期登録を議論すべきです。期限がせまっているのですから。
 しかし、県は、「漁協の反対」を口実にして、ラムサール条約登録には否定的です。ですから、再生会議も議論しません。これは、「再生事業」の危険性や「再生会議」の問題点を示しています。


●「再生会議」は“ガス抜き”の危険性

 「再生会議」については、“形だけの住民参加組織”とか“ガス抜き組織”などという指摘もされています。その徴候はすでにあらわれています。
 「再生会議」発足の3日前の24日、「三番瀬漁場再生検討委員会」の第1回会合が開かれました。この検討委員会は、三番瀬再生事業の個別事業の一つです。再生会議が発足する前に、しかも、再生計画が策定されていないのに、すでに再生事業がどんどん進められているのです。
 さらに問題なのは、「三番瀬漁場再生検討委員会」の発足(第1回会合)が再生会議の委員にいっさい知らされていなかったことです。第1回「再生会議」では、この点について、委員から不満が出されました。

    ◇米谷徳子(船橋市在住、公募)
     「私は、三番瀬漁場再生検討委員会が開かれたということを、翌日の新聞報道ではじめて知った。ぜひ傍聴したいので、開催するときは、再生会議の委員に事前に知らせてほしい」

    ◇竹川未喜男(千葉の干潟を守る会)
     「県の三番瀬再生推進室にたいし、漁場再生検討委員会はいつどこで開かれるのと聞いたら、“知らない”と言われた。それぞれの個別事業について一本の線をとおしてわかりやすいようにしてほしい」

 「再生会議」に提示された「三番瀬漁場再生調査事業」の資料をみると、すでに今年4月から調査がはじっていました。
 一方、「三番瀬漁場再生検討委員会」がどんな委員で構成されているのかは、「再生会議」に報告されませんでした。ですから、再生会議の委員の多くは、検討委員会の委員構成を知らないのです。
 これは、再生会議の“形骸化”を示しているのではないでしょうか。

(2005年1月)




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